妊婦サウダーヂ

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出産してからというもの、育児エッセイや育児漫画を読むのが趣味になった。

最近読んだのは川上未映子の『きみは赤ちゃん』。

初めて産婦人科で妊娠を確認してもらったときの気持ち。
妊婦検診の日々。
無痛分娩の、刻々の流れ。
産後しばらくの追い詰められたような毎日。
産後、今しかない子どもとの時間や稼いだお金を遣って、子どもを預けて働くことの意味。

自分と同じ年頃に、同じ土地で育った川上未映子の言語感覚や文体は、私にとっては細かなところまで(たとえば音読したときのイントネーションまで)分かる、という感じがあって、共感しきりだった。

読んだ後、なぜかまた妊婦に戻りたくなった。
ひととおり経験した今の状態で、もう一度あの生活をしみじみ味わってみたい。

「妊婦に戻りたい」っていう欲求がこの世にあるなんて、今まで思ってもみなかった。

踏みしめる

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梅雨入り直前。
5月のように爽やかな風が抜ける絶好のピクニック日和に、都内の大きな公園へ。

同じ学年になる赤ちゃん3人&ママが集うピクニックなのだった。

遠くまでどんどん歩いていく6ヶ月年上の女の子と、
高速ハイハイで嬉しそうにあちこち行く2ヶ月年上の女の子。
まだ歩きもハイハイもしない息子は、それでもピクニックシートの上で終始ごきげんだった。
一年前、このうちの二人はまだ、お腹の中にいたんだな。

芝生の上にそっと立たせてみる。

息子ちゃん。
これが地面の感触だよ。

野菜と挽き肉のマリアージュ

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みじん切り機能が大活躍している。

なんとなくそんな気がしていたけれど、みじん切りの野菜が入った料理を自分がこんなに好きだったことに、あらためて気づいた。

お好み焼き、ガスパチョキーマカレー、なすと挽き肉の味噌和え、ミートソース、ハンバーグ、餃子、つくね...

あれ。好きなのは挽き肉料理かも。

朋あり遠方より来たる

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春に引っ越した友達が所用で上京。
休日だった夫に途中で息子を引き取りに来てもらいつつ、おしゃべりランチ。

2ヶ月ぶりに会った息子は、開口一番「おっきいね~」と笑われていた。

すたこらさ

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一度ハマるとしばらく同じ人の本ばかり読む傾向があって、最近はずっと益田ミリづいている。

味わい深い「すーちゃん」シリーズ。
第三弾の「どうしても嫌いな人」は、何とも言えず、ジワジワジワジワくる一冊だった。

そうそう。
日常で避けられない嫌いな人がいるときの、あの気の重さ。
ひとつひとつは些細なことなのに、だんだんだんだん持ち重りがしてきて、気づいたときには毎朝辛くなっているあの感じ。

読んでいるうちに、主人公のすーちゃんと同じペースで、気持ちがどんどん重くなっていくのだった。

些細なこと、と最初は思うんだけど、
こういう気の重くなり方をするときって、実は些細なことなんかじゃなかったりする。
悪意のある人が、最初は隠し気味に悪意を向けてくるから些細に見えるだけで、そこにちゃんと大きい悪意が隠れているのだ。

その隠された悪意の大きさにいかに早く気づいて、そこからいかに早く逃げられるかがポイントなのだ。

昔に比べると、逃げ足が早くなったと自分でも思う。
逃げるのは恥じゃないし、役に立つのだ。

あめのひ

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しとしと、しとしと。
濡れた路面を走るタイヤの音が、近づいたり遠ざかったり。
通勤時間には、バスのエアブレーキ音がそこに混じる。

おでかけ予定を中止して、おうちで地味に過ごしている。
こういう日もまた、嫌いじゃない。

息子は最近「嘘泣き」をするようになった。
いや、嘘ではないのかもしれないけど、本気泣きじゃないやつ。
何とかしてくれるのを期待して、顔がちょっと笑いそうになっていたりする。
もしくは、「え~ん!」と言ってはみたものの、長続きしない。

「自分で泣き止めるのに泣いてるのを嘘泣きって言うんだよ!」と息子に言ってみたら、
横にいた夫が「ほぅ。」と感心したので、なんかすごいことを言った気になった。

ふくふく

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息子が気持ちよさそうにお昼寝をしている。

食べて、飲んで、出して、寝て。
その繰り返しだけでどんどん大きくなっていく。
いつのまにか腹筋やら背筋やら腕筋が付き、
寝かされたっきりの仰向け姿勢で動けなかったのが、体を横向きにして好きな姿勢で寝ていたりする。

張りのある体が呼吸で上下しているのを見ていると、
あぁ、ママのところに来てくれてありがとうね。っていつも思う。

 しっかりと飯を食はせて陽にあてしふとんにくるみて寝かす仕合せ(河野裕子