さす(刺す・差す)

「縫う」とも違う。
「編む」とも違う体験。

しっくり来る言葉を探すなら、やはり「刺す」という動詞になる。

f:id:coffeesofa:20180118105634j:plain

「縫う」ことは、とじる(閉じる・綴じる)ことが主な目的だ。
刺繍はもっと、絵を描くことに近い。
なくても困らないけど、生きていけるけど、あると嬉しい。
「縫う」よりひと針、ひと針の存在感が大きい、線描画や点描画のイメージ。

手習い初め

新しい習い事を始めた。

...と言っても、たったのひと月半。
それでも、自分のために定期的にどこかに通う時間は、久しぶりにワクワクする。

大人になっての習い事は、純粋に自分の好きなことをできるのがいい。
急いで上手にならなくていいところがいい。
知らなかった誰かと、一緒に何かをできるのがいい。

帰りにひとり、カフェに寄ってクールダウン。

f:id:coffeesofa:20180111234928j:plain

カフェ初め

ビルの三階にひっそりとあるカフェへ。

f:id:coffeesofa:20180107105536j:plain

店主らしき女性がひとり。
支払いの際ふと見たら、女性の横に小学生の男の子がふてくされたような顔で待っていた。
思わず“可愛い”って言いそうになった。
言えばよかった。

あの子はたぶん、お母さんの手が空いて、束の間自分の方に向いてくれるのを待ってたんだと思う。

ゆく年くる年

新春、都庁パスポートセンターへ。

f:id:coffeesofa:20180104212356j:plain

入り口を入った瞬間ものすごい行列が見えて、さすがに出直そうかとひるんだ。
しかし、よく見たらそれは申請の列。
受け取り日だった私は、まったく並ぶことなく、ものの5分で新しいパスポートを手に入れたのだった。

混み具合の月別グラフを見て、12月に申請をしておいて本当に正解だった。

旧いパスポートで降り立った国は、ドイツ、スイス、カナダ、ブラジル、フィンランドエストニア、オランダ、台湾。
十年の間に住所は三回変わり、姓が変わり、本籍地が変わった。

新しいパスポートにはどの国のスタンプが押されるだろうか。

オーブンレンジが壊れた

息子を連れて、近所の家電量販店へ。

f:id:coffeesofa:20171220115426j:plain

突然壊れた、しかも使用頻度が高い家電製品の買い換えって、急に膨大な知識と選択を迫られるという点でストレスフルなイベントだ。
こういうとき、率先してネットで調べてどんどん絞り込んでいってくれる夫は、本当に助かるなぁと思う。

その夫からの指示で、近所の量販店へ下見に向かったのだった。

結婚と同時に冷蔵庫と洗濯機を買ったとき、そこの量販店に印象的な店員がいた。
結局その人から買ったのだけど、ポイントを押さえた的確なアドバイスで、もともと8割方決めていた機種があっさり覆った。
とにかくアドバイスが簡潔、しかもアドバイスの視点が玄人なのだ。

2年は経っていたけれど、その店員(I田とする)はまだそこにいた。

なかなか手が空かないので、仕方なく他のベテランそうな人を捕まえて聞いたのだけど、これがまったくダメ。
書店でもスーパーでもどこでも思うけど、「客が見て分かる情報をそのまま言う」店員はダメだと思う。
今回は、いろいろ選択肢がありすぎてまずどこを見たらいいのか教えてほしい、と言ったのだけど、そのベテラン(風)店員は、ラベルに書いてある情報を読み上げるだけで、さっぱりちんぷんかんぷんだった。

ほどなくしてI田が登場。
同じ質問をしたところ、I田はひと言「まずセンサーですね」と言い切ったのだった。

さきほどの店員が「容量ですかね~...」だったのとは大違い。
I田曰く、電子レンジ機能はセンサーが重要で、それによって温度ムラの有無が決まるのだそうだ。

センサーに着目した結果、メーカーはあっという間に2社に絞られた。
あとはその2社の中で、グレードを絞り込んでいけばいい。
ここで初めて「容量」とか「機能の多さ」とかの「見て分かること」の違いが出てくるわけで、
I田はそこまでの作業を一気に短縮してくれる、やっぱり只者でない店員であることがよく分かったのだった。

I田はすごい、というお話。