こころ暖まるにちようび

先日子連れでちょっとしたピンチに陥って、急遽助けてもらった人に、お礼を渡しに行った。

近所づきあいなんて皆無だった東京生活で初めて、そこそこ近所で、一軒家を構えて暮らしているご家庭に(玄関先だけだけど)お邪魔した。
綺麗に整えられた玄関先で、ちょうど春休みで家にいた小学生の娘さんもちょこっと挨拶に出てきてくれて、うちの息子を可愛がってくれたり。

久しぶりに「ここに根付いている」人に会った気がした。

帰り道、公園を通りかかると、立派なハクモクレンが満開。

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自転車を止めて携帯を取り出した私より先客がいて、それは中学生ぐらいの男の子だった。
中学生の男の子も、こういうものを綺麗だと思って写真に撮るんだな。

なんだかとても、こころ暖まる一日だった。

傷と手当て

小さなことにいちいち傷つくことがよくあって、今日もそんな、病院帰りの公園のベンチ。
ひどい花粉症なのに外に座ったまま、出そうになる悔し涙が収まるのをしばらく待った。

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大人はよく「そんなことにいちいち傷ついていたら生きていけない」と言う。そして医者はよく患者に「ストレスを減らせ」と言う。

大人であるお医者さんに言いたい。
小さなことにいちいち傷ついていたら生きていけない、だからたとえばあなたの物言いや態度になんて傷つかなかったふりをする、なかったことにしてやりすごす、
だけどそういう積み重ねが大きな「ストレス」となるのではないですか。
小さな傷つきをなかったことにし続けた結果が「病気になること」で、そのときになってストレスを減らせと言っても、それはもうとんだ後手後手対応なのではないですか。

だから私は傷つき続ける、堂々と。
そして回復のための時間を十分に取る。
傷つくことが悪いんじゃない。
傷ついてることを認めなかったら、回復のための手当てはできない。曝されて変な形のまま痕だけが残る。

非効率かもしれないけれど、こういう風にしか、長い目でストレスレスに生きていく方法が分からない。

「およその数」が分からない

日経新聞の夕刊に作家の村田沙耶香のエッセイが連載されていて、それが毎回けっこう面白い。

少し前は、道に迷ったときに「ぽい人」(同じ場所を目指してるっぽい雰囲気の人)について行ってしまう、という話があって、「分かる!」と一人で何度も頷いてしまった。

そして直近回は「算数苦手人間」。
あまりに自分と似ていて「やっぱいるんだ、こういう人!」となんだか嬉しくなった。

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小学校だったか中学校のときだったか、教科書に「およその数」という小さな単元があったのをよく覚えている。
たとえば「12012」なら「10000」とだいたいの数に丸めて、およその数感覚をつかんだり、計算したりするというもの。
小さな単元だったけど、これが実はかなり大事な数感覚で、自分に決定的に欠けているということに気づいたのは、30代も後半になってからだった。

夫は数感覚に長けていて、何でも数字で捉えようとする。
よく、夫の知らない町について話していたら「そこって人口どれぐらい?」と聞かれたりするのだけれど、さっぱり分からないし、「だいたいでいいから」と言われても全く見当もつかない。
だって「10万人」と「100万人」の違いがよくわからないのだ。

私は小さい頃から計算間違いが多かったのだけど、それもこの「およその数」感覚が関わっているらしいと、夫と話していて気づかされた。
出てきた答えがおかしいと気づくかどうかというのも、この感覚があるからこそ。
私にはその感覚がないから、「それはあり得ないでしょう」という答えを平気で書いたりして、いつも数学の先生には呆れられていたのだった。

数感覚って、音感と同様、ある程度は学習できるにしても、先天的な要素がすごくある気がする。

大人のワンダーランド

NHKドキュメント72時間」で知って以来、訪れてみたかった新宿の手芸屋さん。
ちょうど買いたいものがあったので、偵察を兼ねて行ってみた。

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入ってみたら...聞きしにまさるワンダーランド。
二つの館に分かれていて、生地や糸やボタンはもちろん、衣装材料にウィッグ、金具、芯地、アクセサリーパーツ、各種紐、リボン、ネイルグッズ...
とにかくものすごい種類のモノづくりグッズが、フロアごとにびっしりと詰まっているのだった。

芯地と刺繍枠だけを買う予定だったのだけど、
アクセサリーパーツやら、革紐やら、布用ボンドやらを買って、あれよあれよというまに会員になってしまっていた私。
小さい子どもがいる証明があれば、年会費無料で会員になれるのだそう。

確かにこれはハマるわと、ドキュメント72時間に出てきた熱い人たちを思い出した。

夫はホームセンターとか東急ハンズが大好きで、何時間でも過ごせそうな勢いだけど、私にとってはオカダヤがそれかもしれない。
とにかく踏み入れたら危険な場所。