雨続きの秋の午後。
息子はぐっすりお昼寝中。
ずぅっと前に買って時々パラパラ眺めては、温存していた『茨木のり子の家』を、なんとなく今かなという気がして取り出してみた。
曇りガラスのような装丁が、秋雨の午後にぴったり。
なんとなく、「ちいさい秋みつけた」の歌詞を思い出す。
お部屋は北向き曇りのガラス
うつろな目の色 溶かしたミルク
こういう家に住みたいなぁと思う。
住人の過ごしてきた時間が家の随所に宿っていて、
長年の試行錯誤の末に落ち着いた、様々な工夫と物の配置が窺える家。
たぶん、古い喫茶店のような、トーストと珈琲の匂いがするのだ。