あたたかいココアを

夫が出勤で平日のような祝日。
休日でも開いている子ども広場があるというので、バスと電車を乗り継いで行ってみることにした。

このところちょっとこもりがちだったのもあって、楽しいところに連れてってあげようと思ったのだけど、そろそろ本格化してきた魔の2歳児。
これがもう、一日大変だった。

まず、お昼ごはんのパンを買うためにスーパーに寄ったところからして。
パンコーナーの前でご機嫌だったのもつかのま、
レジへ向かおうとすると「パン!パン!!」と泣いて身をよじって絶叫。
「今パン買うから!買うのはこっち行かないといけないから!」と説明してももちろん無駄。
パンを手に持つまで泣きまくり、レジのおばちゃんにも同情される。

結局、広場に着いてからと思っていたお昼ごはんは、スーパーを出たところのベンチで食べる羽目になった。

さて、満腹ご機嫌で広場に着き、待ちかねたように遊び出す息子。
一対一で遊ぶよりラクだろうという目論見もあったのだけど、
けっこう広い場所で、動き回る息子を常に視野に入れておくためには、親もしょっちゅう移動しないといけない。
ものの30分もしないうちに、私の方が疲れて動きたくなくなってしまった。

そのうち、あまり動かないで見渡せる場所を確保し、時折うとうとしつつ息子を見守る。
ところが、昼寝もしていないというのに、息子、一向に疲れる気配なし。
一時間、一時間半、二時間...
もうそろそろ帰りたかったのだけど、全く遊びをやめる気配のない息子を見て、だんだん不安になり始めた。

そうだった。
最近、楽しいところであればあるほど、帰りが大変になるんだった。
体力がついてきて疲れても眠らなくなり、帰ろうとすると眠気も手伝って超絶不機嫌、途端に泣き叫ぶのだった。

「おやつ食べよう!」で何とか別の部屋に連れ出したものの、おやつも「楽しいこと」なので、やめどきを知らない。
なくなるとまた泣き叫び、さすがに帰りが遅くなるので、動きまくる息子をとれたてマグロのように抱えて、なんとか広場の入り口へ。

戻ろうと泣き叫ぶ息子を抱えながら、靴を中途半端にはき、片手でなんとかベビーカーを開き、座らせる(座らない)。
ギャン泣きのままなんとかくくりつけ、ダッシュで荷物を取りに行き、戻るとベビーカーから脱出しようと身体をよじりまくる息子。

もうとにかく場面を変えるしかないので、急いでエレベーターに乗って外へ出たものの、今回は外に出ても全然おさまらなかった。

息子の好きな車がたくさん通る場所に移動してもダメ。
何を言ってもダメ。
「こっち!こっち!」と、出てきた建物を必死で指差して泣き叫ぶ。
道行く人も何事かと振り返るほど...。

ベビーカーからいつ落ちてもおかしくないくらいの暴れっぷりに、お昼ごはんを食べたベンチを見つけ、とりあえず下ろして抱っこする。
疲れてきたのもあって、抱っこするとようやく泣き止んでくれた。
しばらくするとうとうとする気配も。

しかし、ベビーカーに戻そうとすると途端に起きてギャン泣き、最初からやり直し。
だんだん暗く、寒くなってくる外のベンチで、結局20分くらい抱っこするけど、もう寒さも限界なのでベビーカーに乗せて駅へ(もちろんまたギャン泣きに戻る)。

最後は、駅のエレベーターのボタンを押させてあげたときに、ようやく何かのスイッチがOFFになったのか、泣き止んでちょっとだけ笑ってくれた。

その後はもちろん、寝落ち。

ベビーカーから落ちないようにする緊張からも、絶叫を聞くストレスからもようやく解放されて、この一瞬の間を使わなければ今夜寝るまで私は一息もつけないなと思い、最寄り駅に着いたほんの少しの間に、カフェに寄ってあたたかいココアを一杯。

あいにくテラス席しか空いていなくて少し寒かったけれど、
ココアを飲みながら行き交う人々をぼんやり眺める時間が、今日のがんばりを少しだけ癒してくれた。

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