夫休みの日、私ひとりで出かけた用事と用事の合間に、姉から教えてもらった「ルート・ブリュック」展を観に今年二度目の東京ステーションギャラリーへ。
ルート・ブリュックは陶磁器メーカーアラビア社の専属アーティストだった女性で、フィンランドを代表するセラミック・アーティスト。
フィンランド好きのくせにルート・ブリュックの名前も知らなかったけど、見たらいっぺんに大好きになってしまった。
厚みのある陶版に飴のような釉薬、見る角度によって色合いが微妙に変化して、本当に美しい。
「ライオンに化けたロバ」。
版画の技法を応用しているので、色違いの作品がいくつかあった。
ヴェネチアのリアルト橋。
めちゃくちゃ好みの色合い。
「お葬式」という作品。
他にも、葬列を描いた作品や死を思わせる暗い色合いの作品がけっこうあったのだけれど、
そのどれもが、暗い中にも複雑な色合いが潜んでいて、ずっと見ていても見飽きないのだった。
絵でも音楽でも写真でも文章でも、「自分もやってみたくなる」というのは、私にとって「いい芸術」のひとつのバロメーターになっている。
それを見ていると(聴いていると)、むくむくと「自分もやってみたい!」という気が湧いてくることが時々ある。
いい歌い手に出会ったときは、自分もそんな風に声を出して歌いたくなる(歌えるかどうかは別にして)。
写真でも、文章でも、「こうしてはいられない(自分もやりたい!やらなきゃ!)」とそわそわしてくるものというのが、ある。
そういうむくむく、そわそわを、なんとなく刺激される展覧会だった。
いつか、子どもと一緒にアート教室に通うのがちょっとした夢。