かかりつけ美容院に出会うまで

約一週間のお盆休みは、近場にちょこちょこ出かけつつ、基本的には家でゆっくりの日々。
買い物も単身ではなかなか行けないので、子どもたちを夫に任せて、ドラッグストアや無印へ。
普段は必要なコーナーしか行けない店内を心ゆくまでゆっくり見た後、お気に入りのカフェに移動して一息ついた。

美容院選びの歴史、続編(まだあるんかい)。

これまでで一番長いつき合いの美容院は学生時代を過ごした関西の美容院で、最初に行ったのはもう二十年前のこと。
初めは自転車で通える距離だったのが、仕事で転居して新幹線の距離になり、幸い定期的に仕事で関西に行く用があったので、それに合わせてペースは変えずに通う時期が二、三年続いた。
十年目ぐらいに私がさらに遠くに転居して、仕事で関西に行く用事もなくなり、さすがにそう頻繁には通えなくなったので、たまに関西に帰るときに合わせて年一、二回行くようになった。
このところコロナでそれもすっかり難しくなってしまって、最後に行ったのは二年近く前だろうか。

そこまでして通い続けるのにはもちろん理由があって、とにかくそこのオーナー(Nさん)のカット力が抜群なのだ。
定期的に通えなくなってから気づいたのだけれど、過去の写真を見ていて「このときの髪型、めっちゃいいじゃん」と思って時期を確かめたらNさんの仕事だった、ということがあまりにも多い。
というか、そういうときは百発百中Nさんの仕事なのだ。
しかもそれは、カットに行った直後だけというわけではない。
カットしたてというのはどこの美容院でも髪型がキマるのだけれど、三週間、四週間、それ以上と経ってきても、Nさんのカットというのはそれなりの形にまとまっていて、それがNさんのテクニックのすごいところでもある。

最初にNさんのお店に行ったのは、学生時代の友人の紹介だった。
それまでは何年も、美容院難民として流浪を続けていた。
ちょうど「カリスマ美容師」が流行っていた頃で、技術が良くてもトークがとにかくしんどいお店とか(しかも夜の商売の多い地域にあったので、仕上げを毎回お水系の巻き髪にされる)、スタイリストが多すぎて、気に入った人がいてもすぐ入れ替わってしまうお店とか。

そんなあるとき、信頼のおける友人が「最近行き始めた美容院、ちょっと変わった経歴の美容師さんなんだけど、腕はいいんだよ」と言って教えてくれたのが、Nさんの美容院だった。
古い町屋を改修した一軒家で、内装も普通のピカピカした美容院でない、落ち着いた雰囲気も気に入って通い始めた。
まずは、変な世間話をされないのが楽で何度か通ううち、Nさんの腕の確かさが分かってきて、姉にも紹介してみたところ、姉もすっかりお気に入りに。
遠くに住んでいたにも関わらず、姉一家全員顧客になってしまった。

ただ、Nさんはなかなかにクセの強い人物でもあった。
通い始めた当時、Nさんの美容院にはNさん以外にスタッフが2~3人いた。
一番初期からいる女の子(ポジション的に秘書っぽいので「秘書ちゃん」とする)と、あとは男性スタッフ。
一番下のアシスタントはちょくちょく入れ替わっていたものの、男性スタッフは定着してきて、それぞれに付くお客も増えてきたな、という頃にちょっとした事件が起こった。

Nさんはよく言えばストイックで職人肌、悪く言えば自信家で他人に厳しく、そしてちょっとナルシスト(笑)
問題は、それが隠せず滲み出てしまっているところで、私や姉はその滲み出しが別に嫌いではない...というかむしろ面白がっているのだけれど(いつもどちらかが行くたび毎回ネタにしてしまう笑)、ダメな人はダメだろうなという感じ。
お客さんはまだ短時間の関わりだし、Nさんはこちらが求めない限り余計なトークはしないのでいいのだけれど、たぶんスタッフの中には耐えられない人もいたのだろう。
あるとき(通い始めて数年後?)、秘書ちゃんを除く全てのスタッフが一斉に辞めてしまう、という事件が起こった。
私と姉はこれを「○○(←店名)の乱」と呼ぶ。
辞めたスタッフに付いていってしまったお客もいたし、そこからしばらくは、若いアシスタントが入ってはすぐ辞めるを繰り返したりして落ち着かなかった。
私と姉はNさんの人柄というよりはカットに信頼を寄せていたから、別の美容院に移るということは考えなかったけれど、予約が取りにくくなったり、同じ時間帯に複数のお客が集中したりして、ちょっとサービスが落ちたなという時期もあった。

ちょうどその少し後だったか、中学からの親友が家族で通う美容院がNさんのお店の目と鼻の先ということが分かり、しかもその美容師さんはNさんと同じ海外の有名なヘアサロンで修行していたというので、カットの腕も確かだろうと、興味本位で一度そこに浮気してみたことがある。
その美容師さんはNさんと修行時期が重なっていたときがあるようで、私が長年Nさんの顧客だということも伝わっていた。
美容院を乗り換えるとかそういう感じではなく、向こうにも「親友から聞いてちょっと試してみたくなって」という気軽な感じで伝わっていたからか、比較的ニュートラルな感じで受け入れてくれた。
彼とNさんがどういう関係性かは分からなかったけれど、彼がNさんの腕の確かさについては同意した上で、控えめに「ただ、育てるのがなかなかねぇ...」と呟いていたのが印象的だった。
はっきりとは言わなかったけれど、彼の見立てとしては、Nさんは自身の腕は確かであるものの、後進を育成していくという点ではなかなか難あり...ということのようだった。
それは、分かる。(笑)
お店も近いし、もしかしたら○○の乱についても何か聞いていたのかもしれない。

その後Nさんのお店には、何度か新人が入ったものの長くは続かず、最終的にNさんは秘書ちゃんと二人だけでお店をやることに決めたようだった。
その体制になってからは、お店もグッと落ち着いた感じ。
たぶんそれがNさんのお店にとって正解だったのだろう。

秘書ちゃんについては、Nさん以上に気になっていて、私は時々なんとなく彼女の人生に思いを馳せてしまう。
おそらく私と年がそう変わらないと思われるので、もう四十代にはなっているんじゃないかと思うのだけれど、今でも雰囲気は若い頃と同じ。
昔からとても可愛い人で、控えめだけれど芯は強く、○○の乱のときも、事態を冷静に見た上で、自分の意志で残ることを決めたんだろうなという感じ。
おそらくずっと独身で、きっと結婚や出産について迷った時期もあったんだろうけど、ずっと現役でNさんとの仕事を続けている。
勤続が長くなったからと言って態度が大きくなることもなく、最初の頃と同じようにNさんを静かに支え、たぶん言うべきときには率直に意見し、Nさんも秘書ちゃんに感謝しながら働いているのが分かる。
彼女の存在も、Nさんのお店に通い続ける上で、ひとつの大きな安心材料になっている気がしている。

最後にNさんのお店へ行けたのは次男を産んだ数ヶ月後、ちょうど産後の抜け毛でどうしようもなく髪型が決まらない時期だった。
さすがに、髪の量が少なくなるとNさんでも限界があるだろうと覚悟して行ったのだけれど、出来上がってみたら「えっ?!パーマなしでこれ?!このボリュームどっから来たの?!」という驚きの仕上がりになっていて、さすがNさん...と唸ってしまった。

今はもう、行けたとしても年に一回ぐらいではあるけれど、自分の中で「かかりつけの美容院」はNさんのところだと思っている。
今年のうちに行くのは難しそうだけど、来年は一回ぐらい行けたらいいな。

美容院選びに歴史あり

いつも読んでいる方のブログに触発されて、今日は美容院の話(めっちゃ長くなってしまった)。

上京して数年後に結婚し、長男が産まれてからもしばらくは、独身の頃と同じ美容院に通っていたのだけれど、長男が幼稚園に上がるくらいから、美容院どうしようかな問題が浮上してきた。
理由のひとつは、子どものカット問題。
しばらくは自分で長男の髪を切っていたのだけれど、毛量が増えてきて素人のカットではちょっと難しくなってきた。
もうひとつは通いにくさで、独身の頃は通いやすかった南青山にある美容院に、結婚で引っ越してからはちょっと行きにくくなってしまっていたのだ。

親と一緒だと子どものカットが安くなる美容院は近くの街にもたくさんある。
ただ、自分の美容院探しだけでも合うところを見つけるのは大変なのに、子どものカットが安いところから自分にも合うお店を見つけるのは至難の技。
それでしばらくの間、自分は南青山(美容院Aとする)に通いつつ、長男は近所の、おじさんがやっている安い美容院を試してみたりしながら、いいとこないかな~と情報を探していた。
そんなあるとき、ママ友から「キッズスペースが充実していて、大人のカットもまぁまぁよくて、お店の雰囲気もいい」美容院の情報が入ってきた(美容院Bとする)。
ちょうど近い街だったこともあって、一度試してみることに。

行ってみると、確かにとても雰囲気のいいお店だった。
内装・外装とも色味を抑えたナチュラルなテイストで、でもナチュラルなインテリアにありがちな安っぽさがあまりなくて、よく見るとひとつひとつのアイテムにも選び抜いたこだわりが感じられる。
キッズスペースも、安っぽいカラフルなプラスチックのおもちゃは置かれていなくて、木のおもちゃを中心とした優しい色合い。
複数いるスタッフの人たちも感じが良く、全員子どもに理解があって、肝心のカットも子ども・大人ともども問題ない感じだった。

ただ、それから何度かBに通ううち、自分のカットに関してはやっぱりこれまで行っていた南青山のAがいいなぁ...と思うようになってきた。
加えて、Bの担当美容師さん(女性。サバサバしているのでサバサバbさんとする)との会話がちょっと疲れるのだ。
初回にたまたま担当してもらったbさんがそのまま担当になっていたのだけれど、話のテンポが早すぎるというか、何か言うとかけ合いみたいになってしまうタイプの人。
まぁまぁ面白い人だし、気の合う友達だったら別にいいのだけれど、美容院に行くときはどちらかと言うとゆっくりまったりしたいから、かけ合い漫才みたいなノリはちょっと疲れる。

ちなみに南青山のAの美容師さん(おっとりaさんとする)とは、そのあたりの相性がとても良かった。
Aに行くのはほとんど美容師さん込みというか、技術的にいいというのもあるけれど、彼女と話すのが楽しくて通っていた部分も大きい。
これは私にしては珍しいことで、美容院での会話が憂鬱すぎて美容院ジプシーを繰り返していた若い頃からすると、かなり画期的なことだったのだ。
おっとりaさんはもともと知っていた人の妹で、東京の有名な美容院に勤めていると聞いていたから、上京を機にAに通うことにしたのだ(ちなみにそれ以前の関西の美容院が一番長くて気に入っているのだけれど、その話はまた今度)。
おっとりaさんはたまたま同い年で、出身も同じ大阪。
そのせいか、話のノリや笑いのポイントにも違和感がなくて、しかも彼女は聞き上手、こちらの話にものすごく反応してウケてくれるので、気づけばいつも気持ちよくマシンガントークを繰り広げてしまう。

そんなおっとりaさんと比べる訳ではないけれど、サバサバbさんは、とにかく毎回ちょっとずつ疲れる。
それでも技術的にaさんぐらい良ければいいのだけれど、それもちょっと、カウンセリング時点でうまく伝わらないな...という感じが時々あって(たぶん、テンポの早い人なので早合点してしまうのだ)、美容院を完全にAからBに変えるには迷いが残る...というどっちつかずの状態が続いていた。

そんなこともあって、美容院Bの予約のときには担当者が変わることを期待して、毎回あえて「指名なし」にしていたのだけれど、あるとき行くとついにサバサバbさんの予約がいっぱいだったらしく、「すみません、今日別の者でもいいですか?」ということで、新しい若い女性(フレッシュcさんとする)が担当することになった。
フレッシュcさんは当時お店のスタイリストで一番若くて、大丈夫かな?という気持ちはあったのだけれど、蓋を開けてみたらサバサバbさんより断然自分に合っていた。
会話の面でも疲れないし、何よりオーダーがちゃんと的確に伝わる。
さらに、いつも苦労している前髪(微妙なクセがある)について、彼女の提案に従ってみたら、これまでのどの美容師さんのときより自分で扱いやすくなったのだ。

これを機に、サバサバbさんからフレッシュcさんに変えたかったのだけれど、問題はbさんもcさんも同じお店のスタイリストだということ。
これまで「美容師さんを変える=お店を変える」だったから気まずくなることはなかったのだけれど、わざわざフレッシュcさんを指名してしまうと、これまで指名すらされていなかったbさんが明らかに後輩に抜かれた感じになってしまう。

何度か「cさんに当たりますように...」と願いながら「指名なし」で予約してみたのだけれど、最初の担当者が担当するという決まりがあるのか、指名なしだと、cさんに空きがあっても100%サバサバbさんになる。
二度ほどそれがあった後、面倒くさいなぁ...と思いながら、あえてサバサバbさん休みの日に「指名なし」で予約を入れるようになった。
スタイリストの休日を確認するには、ネット予約の際に途中の画面まで行ってまた最初に戻る、というひと手間がかかるのだけれど、こうすれば、一度担当したフレッシュcさんが担当になる可能性が高い。
他のスタッフに当たる可能性もあるけれど、プラス料金がかかる店長に無断で当たることはないだろうし(店長の技術にも興味はある)、もう一人いるスタッフにためしに一度当たってみてもそれはそれでいいし...ということで、サバサバbさん休日の「指名なし」にして、フレッシュcさんに担当してもらう、ということを何度か繰り返した。

しかし一年ぐらいすると、今度はcさんより若手スタッフが入ってきた。
こうなると、「指名なし」ではさらに若いスタッフに当たってしまう可能性が高くなる。
cさんより経験が上のスタッフに当たるのはいいけれど、さらに若い人となるとちょっと賭け的要素が出てくるので、これを機に、ついにフレッシュcさんを「指名」することにした。

cさん指名の初回は、一応サバサバbさんの休日を確認した上で予約を入れてみたのだけれど、さすがに毎回休日確認をするのがだんだん面倒になってきた。
もうたぶん、担当回数的にはそろそろbさんとcさんが同じくらいになるはず...というのもあって、ついに「bさんに空きのある時間なのにcさん指名」という予約になった。
ちょっとドキドキ&サバサバbさんが少しよそよそしい気もしたけれど、まぁこれはお互い慣れるしかないな...と割り切ることにして、それ以来cさん指名で予約を入れることにしている。

ちなみに、美容院Aにはおっとりaさんのシフトが減って予約が取りにくくなったこともあって、だいぶ足が遠のいてしまった。
シフトが減ったのは悪いことではなくて、aさんにとってはおめでたい理由なので、まぁいわゆる潮時なのかなと思っている。

ちょうど少し前、二年ぶりくらいにAに行った。
南青山の街は、郊外に住む子育て真っ最中の私にはずいぶん眩しい街になっていて、あぁ、ここはもう今の私にとってはちょっと違う街になってるんだな...と思えた。

次男もようやく切れるほどの毛量になってきたし、フレッシュcさんがいてくれる間は、しばらく子どもと一緒に美容院Bに通うことになりそう。

ウォーミングアップ家事

とれまくる夏野菜の処理に追われる日々。
糠漬け、カレー、ラタトゥイユ、さらにホットクックを駆使して揚げ浸し風の煮物を作っておいて、半田麺にかけて食べる、というのが最近のお気に入り。

いったんスイッチが入ると一気に処理が進むのだけれど、スイッチが入るまでがだるい。
思うに、家事には「ウォーミングアップ」的なものがある気がする。
必要に迫られて渋々やっていたら、それがスイッチになって、腰が重かった他の家事も進む、というもの。

私にとってのウォーミングアップ家事は、食洗機の片付けか、食洗機に汚れ物を入れる作業。
どちらも「物が片付く・スペースが空く」作業なので、その後の作業につながりやすい。
スペースが空いてるうちに野菜も切っちゃおうかな、とかゴミもついでにまとめちゃおう、とか。
そしてひとつスイッチが入ると、ついでにこれも...と次の作業につながって家事が進む。

キッチン以外で言うと、洗濯を始めるというのもちょうどいいウォーミングアップになる。
洗濯を始めること自体は、汚れ物を洗濯機に入れてスイッチを押すだけなのでハードルが低い。
でも「二回目の洗濯で雑巾も洗っちゃいたいから、ついでに(雑巾を使う)洗面所の掃除もしとこう」とか「洗面所をやったらついでにトイレも掃除しとこう」と次につながっていって、結果いろんな家事がはかどることが多い。

問題は、子どもたちがいると作業が途中で分断されてしまうこと。
それさえなければ、スイッチが入ればけっこう家事をやる方だと思う、私。

とりあえず、食洗機と洗濯機と、その他自分のウォーミングアップになる家事をいくつか把握しておきたい。

curry summer

月に一度くらい朝通る道に、小さなカレー屋の看板を見つけたのはもう半年ほど前のこと。
メニューも何も出ていない、古びた板にいい感じの字体で店名だけが書かれている。
うまく行けば帰り道、お昼時にも通るのだけれど、違うルートで帰ることが続いて、ようやく今月、ちょうど12時過ぎにそのお店の前を通る日がやってきた。

表の看板に小さなランプが灯っていることを確認し、建物の外階段を上がって二階へ。
階段を上りきると、一階から想像がつかなかった少し開けた空間があって、その周りを囲むようにいくつかお店がある。
その一軒が目当てのカレー屋さんだった。

真夏の正午の屋外から店内に入ると、目が慣れるまで一瞬時間がかかる。
暗めの店内には、一番いい奥の窓際席に先客が一人だけいたので、私は二番目にいいかなと思った、入り口近くの二人がけ席に座ることにした。

個人のカレー屋さんってお店の人にクセがあることが多いイメージがあって、初めてのお店はいつもちょっと緊張するのだけれど、年配の店主は特にクセのない接客だったのでホッとした。
メニューはどのカレーもおいしそうで、迷った末、基本のチキンカレーにすることに。
小さなランチビールを付けることができて、銘柄が私の好きなハートランドだったのと、その日はひと仕事終えてもう後の予定がなかったこともあって、ランチビールも追加。

夏のお昼のビールって本当においしい。
付け合わせのサラダの塩が、間違って入れたのかと思うくらい入っていたのでちょっとびっくりしたけれど、汗をかいた日だったので意外にちょうど良いといえば良い。
まもなくカレーも運ばれてきた。

そういえばこのところ家でもカレーを作ることが多い。
この間みんなで森へ行った時に、久しぶりに食べたのがバーモントカレーだった。
そのときの味が妙に懐かしくて、それ以来二回もバーモントカレーを作っているのだ。

幼稚園の頃、いとこの家で子ども用に用意されていたごはんは必ずカレーで、その銘柄がバーモントカレーだった。
子どもにウケる味なのか、当時はいとこの家のカレーをめちゃくちゃおいしいと思っていた。
でも、実家はなぜかバーモントカレー嫌いで、絶対に買ってくれなかったのだ。

だからこの間食べたバーモントカレーはたぶん何十年かぶりの味で、大人になった今でもやっぱりおいしかった。
それで、そうだ、今なら自分で好きな銘柄のカレーが買えるんだった!と思い出して、初めて自分でバーモントカレーを買ったのだ。
息子も「このカレーおいしい!いつものカレーもおいしいけど、これおいしい」と気に入っていたので、やっぱり子どもウケする味なのかもしれない。

小学校の林間学校で作ったカレーも、たぶんバーモントカレーの味だった。
林間学校の前にも、確か一度練習としてカレーを作ったような記憶がある。
理科で育てたジャガイモを食べる機会と兼ねていたような。
夏休みの登校日は「カレーの会」と呼ばれていて、自由登校だったけれど、午前中に反戦教育の映画を見て、お昼はPTAが作ったカレーを食べて、午後は確かプールに入って、それで一日が終わった。
8月の終戦記念日近くの日だったから、カレーの会があると、あぁ、夏休みももう終盤に差しかかるなという感覚になった。

カレーは夏の思い出。

新入り、スタメン入れ替え

オンラインショッピングで物欲が高まっていたところへ、姉から「marimekkoの食器がセールになってるよ」との情報が入った。
見ると、うちに一枚だけある四角い小皿のシリーズ。
ちょうど、いつか買い足したいと思っていたシリーズだ。

もともとなぜ一枚という中途半端な数を持っていたかというと、数年前、別の欲しかった食器が福袋で安くなっていたとき、福袋セットに入っていたからだ。
特に自分から欲しくて手に入れたわけではなかったお皿だけれど、使ってみるとこれがすごく便利。
大きさ的に、ケーキ皿や取り分け皿として使っているのだけれど、四角いお皿というのは丸いお皿より面積が広いから、複数のものを取り分けても重ならずに載せることができる。
しかも平らだから食洗機に入れやすい。
そしてmarimekkoだから柄が可愛くて、ちょっとしたおやつでも華やかになって満足感が出るのだった。

もともと持っていたものの色違いと、新しい鳥の柄と散々迷っていたら、たまたまそのサイトのキャンペーン中で一枚分がほとんど無料になることが分かったので、えいやと両方カートへ。
二枚でも一枚分だったし、しかも定価の40%オフだったから、最終的に相当安く(一枚あたり定価の30%で!!)手に入れた計算になった。

実は、少し前、セールでない期間にまた食器を買っていた。
ここ数年、置き場所の問題であまり食器に手を出していなかったのだけれど、このところの物価高を見ていると、いつ値上げされるか分からないなと思ったのだ。

そんなわけでここ二ヶ月の間に食器が四枚増えた。
たかが四枚、されど四枚。
うちの小さなキッチンに合わせて夫が作った食器棚には、ただでさえもうあまり余裕がない。
そこへ新たに四枚、しかもよく使う一軍を取り出しやすく配置しながら並べ替えるのは、まさに立体パズル。
この作業のために少し前IKEAで買っておいた収納グッズを大活用しながら、午前中いっぱい使ってなんとか新しい配置が完成した。

ごちゃごちゃしているのでほとんどボカシで。

「見せる収納」と「一軍二軍を分けた機能的な収納」を、狭いスペースで両立させるのは至難の技だ。
ベストではないにしても、まぁ、なんとか納得できるレベルには仕上げたつもり。
これまで配置の関係であまり活用できていなかったお皿も、収納グッズを使って取り出しやすい場所に置き換えることができた。

久々の新しい食器&配置替えで、しばらく新鮮な気持ちが楽しめそう。

モンベる

モンベル会員の夫から「会員先行セールが始まるよ」というお知らせを受けたので、特にお目当てのものがあったわけではないけれど、オンラインショップをちょっと覗いてみることにした。
そういえば「ソックオンサンダル」というサンダルが前からちょっと欲しかったな...安くなってるかな...と見てみたら、ちょうど私のサイズがアウトレット価格になっているのを発見。
色は選べなかったけれど、特にこだわりはなかったので、ひとまずサンダルをポチッと買い物かごに入れた。
ちょうど今使っているビルケンシュトックのサンダルが、十年くらい経ってコルク部分がひび割れてきたので、今年でサヨナラにしようかなと思っていたのだ。

お店のオリジナルオンラインショップというのは、けっこう延々と見てしまう。
楽天とかAmazonとかは、サイトの見た目がごちゃごちゃしているから長時間見ることはあまりなく、条件検索して比較検討して終わり、なのだけれど、オリジナルサイトを見るようなお店はたいていそこの商品全般が好きだったりするから、その気がなくても「他にも何か掘り出し物があるかな~」と長時間見てしまう。
今回も、気づいたらkids商品や(当面予定がないのに)キャンプ用のギアまで見てしまっていて、「ハッ!こんなことをしてる場合じゃなかった!」と慌てて切り上げること数回、になってしまった。

でも久しぶりに見たアウトドア用品は、どれも機能性に優れていて、やっぱり見ているだけで楽しい。
昔から私は、アウトドアショップのギアを見るのが好きなのだ。
「へぇ~、こんなものが」とか、「こういう需要があるのか!」とか、勉強になることも多い。

今回はサンダルとネックゲーターをお買い上げ。
ネックゲーターは、これもやっぱり十年モノぐらいのモンベルのものを使っていたのだけれど、さすがにへたってきたので新しいのが欲しかったのだ。

モンベルのソックオンサンダルというのは、裸足でだけではなく、靴下をはいた状態でも履けるのが売り。
夏はとにかくサンダルを使う機会が多いけれど、裸足で履きたいときもあれば、靴下をはいていたいときもあるから、その両方に対応していると一足で済んでありがたい。
しかも脱ぎ履きに時間がかからないし。

今年は特にセールに行くつもりもなかったのだけれど、オンラインショップを見ていたら、物欲に火がついてしまった。(続く。かも?)

もえろよもえろ

コロナ禍元年に入園した長男は、様々な幼稚園行事がことごとく中止・延期・縮小になり、以前通りに開催された行事はほとんどない状態で、年長を迎えた。
感染状況が少し落ち着いていた(?)春頃には、年長の一大イベントであるお泊まり保育は開催予定だったのだけれど、この夏の第七波でやはり中止が決まり、代わりに園庭でキャンプファイアーと花火だけが催されることになった。

当日は夏休み。
猛暑の日中は自宅で過ごし、夕方いつもの習い事に行った後、少し早い晩ごはんを急いで済ませて、幼稚園へと向かった。
いつもはもう家から出ない時間帯に幼稚園に行くとあって、長男のテンションは上がりまくり。
「こんなじかんになんでようちえん行くんだよぅ!」とはしゃぎながら、夕闇に沈みつつある幼稚園に着いた途端、さっきまで気配がなかったのに、大粒の雨がポツッ、と腕に落ちてきた。
遠くで雷のゴロゴロいう音も。

大変。
既にキャンプファイアーの薪は園庭にセットされている。
一時的な雨なら後で外に出られる時間もあるかもだけど、乾いた予備の薪はあるのかしら...と危惧しながら、室内に長男を送り出し、次男を急いで自転車に乗せて、いったん家に向かった。
そのうちにも雨がポツリ、ポツリ。
雨雲と追いかけっこをするように自転車を漕ぎ、なんとかギリギリ、本格的に降り出す前に家にたどり着いた。

二時間後のお迎えまで、雨雲レーダーとにらめっこ。
幼稚園は雨雲の微妙な境目のところだったけれど、時間中はなんとか本降りにはならずに済んだ。
そのうち夫が帰宅したので、次男を置いて一人でお迎えへ。
帰り道に降り出しそうだったので念のためバスにしたら、イベントが終わるのを待っていたかのように雨が激しくなり、バスにして大正解だった。

帰ってきて寝る前に、長男が急いで描いていた絵。
キャンプファイアーと花火は、少し雨がぱらついていたものの、予定通り開催されたよう。
よほど楽しかったのか、次の日もキャンプファイアーと花火と、習ったダンスの話をずっとしていて、可愛かった。

お泊まり保育はなくなってしまったけれど、年長の夏の思い出、しっかり作れたようで良かったな。