十年の間に実ったもの

ちょうど十年ぐらい前に書いていたブログを、ふとしたことから何年かぶりに、フルで読み返していた。

大きな引っ越しを伴う転機で、長年暮らした土地を離れた頃。
慣れない職場はものすごいストレスで、
読み返すと「よくこんなこと耐えてたな」と思うことの連続だった。

あの頃、仕事はともかく私生活の先が見えなくて、この先自分がどこで暮らしていくのか、誰かと一緒に生きていくのかそれともずっと一人なのか、何をして暮らしていくのか(今の職場をずっと続けるのか)、子どもは持てるのか持てないのか、すべてが分からないことだらけ、不安だらけだった。

長距離の移動が多かったのもその頃で、
私用公用含め、いろんなところに頻繁に旅した記録が残っている。
まだ住んでいなかった、東京によく行き始めたのもその頃。
地方暮らしの目に映る、キラッキラした東京の姿が写真とともにブログに残されていて、あぁそうだ、あのとき東京はこんな風に見えていたんだったと、新鮮な気持ちを思い出したりもした。


最近、つい油断すると暗い気持ちになってしまうことがあって、今しばらくはとにかく考えないように考えないようにしているのだけど、
この十年間の来し方をふり返ってみれば、仕事(ひいては生活)の不安定さ、暮らしていく土地の定まらなさ、人生のパートナーの定まらなさ、その他大小さまざまな不安要素がてんこ盛りで、
それを考えたら、今抱えている問題は他のことは心配しなくていい分、まだ少しましなのかもしれないと思えたり。

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息子を妊娠中から出産後にかけて、よく通っていた道。
産後初めて外に出たときに、柿の実がなっていたのを、この季節になると思い出す。

あのときの、何か大きなことをひとつ成し遂げたような気持ちを、忘れないようにしながら生きていきたい。