台所は工房

NHK『趣味どきっ!』の「人と暮らしと、台所」シリーズ。
楽しみにしていた中村好文氏の回、
すべてがツボすぎて、一時停止したり巻き戻したりで(「巻き戻す」、そういえば今は何ていうんだろう?)、1.5倍くらい時間をかけて見たのだった。

以下、自分用メモも兼ねて。

のっけから惹かれたのが「台所とはある種の工房」という言葉。

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住宅の中で唯一、何かを作り出す場所。
「きれいに片付いていると活気がなくなるから、使う道具を見えるようにしておきたい」というのも、この「工房」観があるからなんだろうな。
大工さんが道具を作業しやすく並べておくように。
私もよく使う台所道具を見えるように保管しておくのが好きなのだけど、「活気」という言葉を聞いて、すとんと腑に落ちた気がした。
そうそう。それなんだ。

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こちらはスパイスラック。
立てるのでなく斜めに寝かせることで、何のスパイスかが見えるようになっているという、素晴らしい仕掛け。
「ちょっとしたストレス」に敏感な人しか、この工夫はできないと思う。

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このお皿ラックも素晴らしすぎる。
細かい刻みがついていて仕切りの位置を微調整できる、という点でもうすっかりメロメロだったのだけど、
さらに、引き出したときに皿同士がぶつかってガチャガチャ鳴らないよう、わずかな傾斜がついているというのを聞いて、完璧すぎるディテールにますますハートを射抜かれたのだった。

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こちらはシンクに渡せるまな板。
こうすることで、野菜屑をそのままシンクに払い落とせるという。

さらに、(写ってないけど)切った野菜を製菓用のスクレイパーでまとめてボウルに移すというのもやっていて、
これは以前どこかで読んで早速マネしてみたのだけど、好文氏の使っているものの方が断然使いやすそうだったので、安易なものを買った自分を反省。
「台所道具って長持ちしちゃうから、しっかり選んで長くつき合いたい」という氏の言葉に、首がもげそうなほど頷きたい気持ちだった。

この他にも、買ってきたものをまず置く場所が冷蔵庫の横に確保されてることとか(その場所は料理の盛り付けスペースにもなる)、
「バターは少量ずつ小さな器に移して使い、残りは冷凍しておく」とか、
ため息しか出ないような工夫がいっぱい。

バターはすぐにマネしよう。
今は、ずっと昔に安易に買ったアクリルバターケースに入れているけど、
次のバターからは、小さく切り分けて冷凍して、少しずつ小さな器に入れて使います、先生。

あぁ。
私がお金持ちだったら、どんなに数年待ちでも、間違いなくこの人に住宅を建ててもらうのに。