櫻センチメンタル

敷地内の大きな木に蕾がたくさんついていて、あ、これは桜の木だったのだと気づいた。

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まもなく、引っ越してきて初めての桜の季節を迎える。

春から息子はプレ幼稚園なるものに通うことになった。
週1日、たったの一時間半だけど、
これまでほぼ私と二人っきりで過ごしてきた毎日に、「社会」というものが少しずつ入ってくるんだな、さらに一年先には幼稚園に入園して、本格的に「社会」に入っていくんだな、と思ったら、
息子と二人っきりのこの毎日が、とっても貴重な名残惜しい日々に思えてきた。

赤ちゃんだった頃の息子。
寝る前や不安なとき、自分の指じゃなく、なぜか私の指を奪って、ちゅうちゅう吸っていたこと。その感触。
哺乳瓶を自分で持ってミルクをぐいぐい飲んでいたこと。
ハンドブレンダーであっというまにドロドロになった離乳食のお粥を、小さなスプーンで食べさせたこと。
まだ寝返りすら打てなかったときに、抱き上げるとふにゃっとして体が湿り気を帯びていて、赤ちゃんのいい匂いがしたこと。

目の前にいる息子だってまだまだ小さくて、言葉もカタコトで、もう毎日十分すぎるぐらい可愛いのだけど、
時々、「あぁ、赤ちゃんの頃の息子にもう一回会いたいなぁ」と思う。
本当はどんな人生もやり直しはきかなくて、行ったり来たりはできない一方通行なのに、大人だけで生活しているとついそのことを忘れそうになる。
姿がどんどん変わっていく子どもと生活していると、時々そのことを思い出す。

だから、小学生ぐらいになった息子との生活を想像して、今の息子に会える喜びを、未来の自分になった気持ちで噛み締めたりしている。