道を覚えるにはナビを使わないことも必要だ

図書館で数ヶ月待ちの本がやっと回ってきた。

タイトルを見たときに、それそれ!と気になってすぐ予約した『レシピを見ないで作れるようになりましょう』。

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「はじめに」を読んで、うんうん、そうなんだよねぇ!と膝を打った。

レシピは道案内のナビゲーションと似ています。
(中略)
ナビに頼っていると、画面や音声にばかり気をとられるから、状況を見なくなる。
料理もまったく同じです。レシピに頼っていると、鍋の中を見ることをせず、グラムとか何分とか、書かれてる数字の通りに作ることになり、自分の感覚で作ることをしなくなってしまう。しかも、グラムや時間を測って作ることは、人間にとって楽しい作業ではないのです。

独身時代から料理はしていたけれど、本格的に毎日作るようになったのは結婚してから。
子どもが産まれるまでは少ないレパートリーだけで回すことも多かったから、意識的にレパートリーを増やそうとしているのは、息子が離乳食を卒業した、ここ一年ほどということになる。

レパートリーを増やすとなると、当然レシピを見ることが増えるわけで、レシピを見るのはいいんだけど、毎回毎回確認するのもなんかしんどいなぁ...と思っていた矢先なのだった。

この本にもレシピは出てくるんだけど、いわゆる普通のレシピと違って地の文で手順が書かれているから、そうする理由が書いてあったり、「何分経ったら」ではなく「こういう状態になったら鍋から上げる」みたいな幅のある書き方で、誰かに口伝で習っている感じがしてなんとなく気楽。

早速やってみていることのひとつに、ピーマンの切り方があるのだけど、これはほんとに目から鱗だった。

普通、ピーマンってヘタを切って中から種を取り出す、みたいに書かれていることが多いけど、
この本で紹介されていたのは「りんごの皮を縦に剥くように」というもので、ヘタを落とさずに身の部分だけを切り取る、というもの。
半信半疑でやってみたら、ほんとに種があまり飛び散らなくて、なんだかエレガントだった。
さすが有元葉子。

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輪切りにするときには使えない技だけど、
この切り方を知って以来、最近ピーマンが多用されがちな我が家なのだった。