十日間で世界は変わる

東京を離れていた十日ほど前は、突然の休校要請からも三週間経ち、世間のムードが一瞬緩んだ三連休だった。

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広い屋外ならと出かけた公園には思いの外子どもたちがいて、お天気もあいまって春らしいのどかな空気が流れていた。
その少し後に出かけた動物園でも、人々は警戒しながらも春休みを楽しんでいた。

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あたたかで穏やかな天候もあったのだと思う。

3月20日の三連休から十日間のうちに、ニュースが少しずつ緊迫していった。
イタリアやスペインで死者がどんどん増え、アメリカでも感染が広がっていった。
日本では専ら、オリンピックが予定通り行われるのか、現金より商品券をばらまけ、いやただの商品券じゃなく和牛商品券だと、なんだか見当違いな議論ばかりなされている風だったけれど、
3月24日の夜にオリンピックが延期決定されてからは、加速度的に東京での感染者が増え、3月25日の夜には、東京都知事から週末外出自粛要請が出た。
そのあたりからはもう、買い出しパニック、上野公園も花見封鎖、デパート・ショッピングモールからスタバも週末は臨時休業と、都内では一気に雰囲気が変わっていったように思う。

3.11のときと違って、「ある日を境に」ではなく「十日間で日に日に」というのが、なんだか不思議な時間感覚だった。

そして迎えた週末。
生ぬるい雨の土曜日から一転、日曜日は季節外れもいいところの、冷たい雪となった。

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十日前の穏やかな天気と比べて、これもすごい差だ。
ますます季節感覚、時間感覚が麻痺してくる。

十日後の世界はどうなっているだろう。
今と同じ程度でとどまっていてくれるか、今より少しは穏やかになっていることを、切に願うばかり。