いつものパンがないだけで

土曜日の寝る前になって、翌朝のパンを買い忘れたことに気がついた。
スーパーはもう閉まっているし、翌日は朝から夫がいないから、子どもを二人連れて朝からパンだけ買いに出る気にはなれない。
仕方なくいつもと違う朝ごはんにしたのだけれど、なんだかもうそれだけで一日の調子が狂ってしまった。

秋冬は、朝必ず熱いコーヒーを飲みたい。
そのために、朝食はパンにしている。
毎朝同じメニューにしていたら、お昼のお腹が空く時間も決まってくるし、それに合わせて授乳とか、家事とか、昼食の準備をしていく。
それが、朝いつもと違うメニューになったことですっかりリズムが狂ってしまったのだった。

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子どものいる生活をしていると、「いつもと同じ」ということが心身の健康にどれだけ大切か、身をもって分かってくる。
同じ時間に起き、眠り、同じ手順で一日を過ごすことで、子どもはだいたい次に何が起こり、どのくらいの時間に何をするのか、自由に遊べるのはいつか、という「見通し」が持てるようになる。
たまたまいつもと違うことが起こっても、「いつも」が決まっていれば、「そこに向けて軌道修正していけばいい」という見通しが立つのだ。

ただでさえ土日は幼稚園がお休みなので、夫がいない日は長男との時間を持て余しがちになる。
そこにイレギュラーな朝食やちょっとしたハプニングが拍車をかけて、夕方にはぐったりと疲れてしまったのだった。

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そして週が明け、月曜日。
日曜のうちにパンは無事調達され、いつもの一週間が始まった。

園バスからの帰り道には、紅葉の落ち葉。
週末はお掃除の人が来ないから、月曜の朝はたくさんの葉っぱが落ちている。

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この側溝のところを通るとき、いつも頭の中で「君の~心へ~続く 長い~いっぽんみ~ちは🎵」という歌が流れる。
チューリップの「青春の影」だ。
歌詞はそこ以外うろ覚えだから、あとは適当なのだけれど、紅葉の季節と妙にマッチして、毎回ここを通るたびにその歌を歌ってしまうクセがついた。
一番を口ずさみ終える頃、ちょうど建物のエレベーターに着くのだった。

変わらない、同じ毎日を迎えられることの幸せ。