三人家族だった頃

しばらくぶりの産後ケアステイ。

あるとき、ふと思いついた。
ケア施設で赤ちゃんを見てもらっている間、夫と息子に近くに来てもらったら、三人で食事ができるじゃないか!と。

「ママまたおとまりなの?」と少しさびしそうにしていた息子に、一緒にごはんを食べる提案をしてみると「いきたい!」
「しかも、ふくちゃん(←次男)はお泊まりのところで見てもらってるから、パパとママとまるちゃん、三人だけなんだよ」と言うと、息子は一瞬「え?」という顔をした後、状況を理解したようで、パッと顔を輝かせた。

かくして、産後ケアの日。
外出は一時間なので、すぐにお店に入れるようお店を予約し、産後初めての三人きり外食となった。

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施設から近くて子どもも入店可なお店ということで、タイ料理のお店になった。
独特のハーブもスパイスも平気でパクパク食べてくれる長男は、パクチーも「だいすき」らしい。

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正味一時間足らずだったけれど、息子はとても楽しそうだった。
その後も「このまえ、パパとママとまるちゃんさんにんで、ごはんたべたよね」と、嬉しそうに何度か言っていた。

これからおそらく十年は、三人だけで外食をすることはないだろう。
パパかママかどちらか一人と一緒のことはあっても、両親と揃って外食するときは、必ず下の子もいるはずだ。

長男や長女だけが、両親と三人家族だった頃の記憶を持っている。
私は次女だから、記憶の中に三人家族はない。
その記憶は第一子だけの特権だ。

パパとママの愛情と注目を、ふんだんに一身に浴びていた記憶が、この先の人生でずっと、彼の生きる力になってくれたらいいなと思っている。