ナビゲーション感覚

とうとうと言うかやっとと言うか、東京に二回目の緊急事態宣言が出た。

近場で過ごす1月の三連休。
そろそろ用意しないとと思っていた、出産の内祝いをいくつか選びに出かけることにした。
ちょっと気の利いた雑貨が置いてあるお店が、自転車で行ける範囲に二軒もあって、そういうとき、この町に住んでいてよかったなぁと思う。
自分のものではないけれど、とにかく雑貨を見るのが好きな私にとっては、限られた予算の中でいいモノを好きに選んでいい買い物は、近場しか行けない日々の格好の気分転換になった。

帰りにスーパーで数日分の買い出しをした後、ふと思い出して回り道をすることにした。

少し前に、幼稚園で「大根抜き」という行事があった。
毎年あるものかどうかは分からないのだけど、コロナで行事が中止になることが多かった今年、息子にとっては印象深かったようだ。
短時間の行事なので親は参加できず、畑の場所も具体的には知らされていなかったのだけれど、後日息子と用事でバスに乗っていたら、息子が急に「あ!そこ!あそこのみちをみぎにまがったところに、だいこんほりのはたけがあるんだよ!」と言い出した。
バス通りから小さな小道を入っていくようで、私が通ったことのない場所。
そしてまた別のときに、その近くの違う道を通っていたら、息子が再び「あ!いまのとこ!いまのとこをこういったら、だいこんほりのはたけがあるんだよ」と言うのだ。
バスのときとは違う向きからで、幼稚園からの往復だと通るはずのない方向からだったから、「向いてる方向が違うのに場所が分かってるのか?!」とびっくり。
でも、息子は確かにそういうところがある。
方向感覚というか、場所の記憶が昔からびっくりするぐらい正確なのだ。
来たことがある場所を通ると、まだよくしゃべれない頃から「あっ!!あっ!!」と指差して訴えていた。
方向音痴の私からすると驚異的だ。

だから今回、息子が言う畑が本当にそこにあるのかどうか、一度確かめてみたかった。
Googlemapで見ると確かに緑地はあるのだけれど、畑かどうかまでは分からないから、近くを通るときに確かめたかったのだ。

果たして、畑はあった。

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しかも、ちゃんと幼稚園から知らされていた農園名が書いてある。
間違いない。

びっくり&もはや笑ってしまった。
方向感覚って、やっぱり先天的なものなんじゃないだろうか。

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すっかり暮れた家路を急いで、息子に畑の写真を見せたら、「あーそうそう!ここここ」。
さらに「でも、だいこんは、こっちのほうなんだけどね」。
確かに、畑は道を挟んで二ヵ所に分かれていて、大根の畑は写真とは違う方にあったのだ。

我が子ながら、おそろしい方向感覚。