屋根より高くないけれど

長男が生まれてから、端午の節句に何かしてあげたいなと思いつつ、何もしないまま四年が過ぎた。
最初の一、二年はどっちみちまだあまり分からないからいいものの、三歳ぐらいになるとこいのぼりも分かるので、買ってあげたいのだけれど、いかんせん昔と違って立てる庭などない。
マンションのベランダに取り付けるタイプもあるけれど、それにしたって収納しておく場所は取るし、何より「欲しい!」と思えるものにも出会わなかった。

そんな折、ネットでモビールタイプのこいのぼりを知ったのが去年のこと。
好きな雑貨屋さんの私物として上げられていて、その雑貨屋さんのテイストぴったりの、淡いグラデーションの吹き流しがとてもきれいで、一目見て「これだ!」と思った。
すぐに調べてみたけれど、とても人気の品のようで(ネットで火がついたよう)、その年には間に合わず。

そして今年。
モビールタイプのこいのぼりは他にも素敵なものがあったのだけれど、やっぱりあの吹き流しが欲しくて初志貫徹。
買おうと決めたのがけっこう遅めで、今年もまた見送ることになりかけたものの、問い合わせてみたら直接店舗に行けばまだあるとのことだったので、夫に昼休みをつぶして買いに走ってもらったのだった。

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江戸時代に創業という老舗の紙のおもちゃ屋さん。
丁寧な説明書きがついた箱を開けると、あの憧れのこいのぼりが出てきて、一気にテンションが上がった。

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「はやくかざろう!」とせっつく長男をなだめつつ、夫が休みの週末に設置。
思った通り、白い壁をバックに泳ぐ姿がとっても素敵なのだった。

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外のこいのぼりと違って常時眺められるのも、嬉しいポイントだ。
ゆ~っくり、ゆ~っくり揺れるモビールを見ていたら、なんだか心のスピードまでゆ~っくりしてくるから不思議。
息子もハァ~ッとため息をつきながら「こいのぼりみながらごはんたべるの、おちつくねぇ~」と言うので、思わず笑ってしまった。

長男、次男と二人の男の子に恵まれ、晴れてうちへ来たこいのぼり。
これから末永くよろしくね。