よるくまに会いに

甥っこが幼稚園児だった十ウン年前、会いに行くたびに何かちょっとしたおみやげを買って行っていた。
その頃、何で見つけたのか忘れたけれど気に入って買って行き、以降甥っこはもちろん、私や姉の間でもずっとロングヒットしていた絵本『よるくま』。
絵本の中の言い回しが私や姉の間でしょっちゅう使われるほど、生活の一部のようになっていた。

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その『よるくま』作者の酒井駒子さんの展覧会が東京で開かれるというので、これは絶対行きたいと思っていた。
甥っこから十ウン年ぶりに戻ってきた『よるくま』は息子も大好きなので、一緒に連れて行ってあげたいけれど、二人で行くと私がゆっくり見られないことは確実なので、結局家族総出で見に行くことに。

立川に一年ほど前にできた新しい美術館は、コロナもあって人も適度に少なく、快適だった。

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たくさんの原画が展示されていて、とても見応えがある。
酒井駒子さんの絵は下地に黒を塗り、その上に描かれているとのこと。
それで、あの独特の色味なんだと納得。
見ていると、普通に白地に描くよりも、その方がもしかしたら現実に近いのかもしれない...とすら思わされた。
光がなければ見えるものはすべて黒一色。
そこから、光の当たるところだけが色付きで浮かび上がってくるのだ。

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酒井駒子さんの描く「子ども」は、本当に可愛らしい。
額のまるさや頭の大きさ、顎や口元の小ささ、おしりのプリッとした感じや、幼児体型のお腹の出っ張り。
子どもの姿勢も本当によく描かれていて、見ているだけで抱きしめたくなる。

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「よるくま」の原画コーナーは黒い簾のような幕で囲われてあったりして、展示のレイアウトもとても素敵だった。

同時開催されていた「ぐりとぐら展」には子どもがちょっと遊べるコーナーもあって、長男はそこを見つけるや否や遊びまくり。

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一人で息子を連れて来ていたらほとんどこのコーナーにつき合わされるだけで終わってしまっただろうので、夫も一緒に来てもらって大正解。
ゆっくり原画を堪能できたし、息子も大好きなよるくまを見られたし、ぐりぐらコーナーで遊びもできたし、充実の美術館体験だった。