桃と水ナスの結婚

毎年この時期に、夫の親戚が桃を送ってくれる。
行きつけの桃園から直送されてくる、箱いっぱいのピカピカの桃だ。

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関西育ちの私にとっては、桃はめったに食べられない高級フルーツ。
その稀少さのせいか、一番好きな果物はずっと桃だった。
桃といえば関西では岡山だから、夫が山梨出身だと知っていてもしばらくは桃と結びつかなかったのだけれど(「山梨ってぶどうだけじゃないの?」というぐらいの意識の低さだった。今となってはフルーツ王国山梨に土下座レベル)、あるとき私が一番好きな果物は桃だという話を結婚前の夫にしたら、「桃なんかどっかからもらったりでしょっちゅう食べてたよ」と言うので、ガタッとテーブルに手をついて立ち上がりそうになった。

私のその桃への意気込みのせいか、たまたま季節だったからか、一番最初に夫の実家に行ったとき、義父母への挨拶後、夫が山梨観光を兼ねた桃狩りツアーを企画してくれたのだった。
食事をしながら、夫が両親に「一番好きな果物が桃なんだって」と説明したら、なぜかそれが会う親戚会う親戚に「○○さん(←私のこと)果物で桃が一番好きなんだって」と伝言されていき(みんな山梨の人だからお国自慢的に嬉しかったのかもしれない)、いつしか桃が私のもとに集まるようになった。

好きなものは公言しておくもんだなー。
以来、毎年必ず何個もの桃にありついている。
関西にいた頃には考えられないくらいの桃長者っぷりが数年続いたおかげで、今はようやく夫に桃をちょっと譲ってもいいくらいの心の余裕ができてきた(ちょっとかよ)。
とはいえ、夫は小さい頃に食べすぎたせいか少し桃アレルギーがあって、あまり量は食べられないので、ほとんど私と息子のものになるんだけど。

ちなみに、桃はアルミホイルで包んでおくと断然長持ちするということを夫の親戚に教えてもらった。
それ以来、桃が送られてくるとまずはすぐにアルミホイルで厳重に包み、冷蔵庫に入れておいて、少しずつ時期をずらして食べるようにしている。
ちょうど桃と同じくらいの時期に、うちの母親から大阪名物水ナスの漬物が送られてくることが多くて、6~7月の我が家の野菜室には、桃と水ナスの糠漬けが場所を取り合う。
桃と水ナスのひしめく冷蔵庫を見ると、あぁ、夏が来たなぁと思うようになった。
今年は水ナスが少し早く送られてきたから、今年の桃は庫内でゆうゆうとしているのだけれど。

息子たちには、どっちも我が家の夏の味として残っていってほしい。