テラ男の再婚

うちでは、パソコンのデータ(大量の写真を含む)を外付けハードディスクに保存しているのだけれど、そのハードディスクにも①ひとまずバックアップする用のものと、②最終バックアップ用の2種類がある。
②の最終バックアップは夫が半年に一度ほど時間をかけて全データをコピーするもので、私が触ることはめったにない。

で、一年ぐらい前にその2種類のハードディスクが新調されたのだけれど、どちらも黒くて似たような見た目なので、「ちっちゃい方」とか「おっきい方」と呼んで区別していた。
ただ、相対的な大きさなのでひとつだけ取り出したときにそれが大きい方なのか小さい方なのかパッとは分からない。
加えて、夫が容量で「ギガの方」とか「テラの方」とも言うのだけれど、ギガとテラのどちらが大きいのか私がパッと分からなかったこともあって、だんだん話が混乱することが多くなった。

で、もうこれは呼び名をつけよう、ということになり、私がつけたのが「テラ男(お)」と「ギガ子」。
安易な命名ながら、これで見た目の大小と容量の大小が関連づけられて、ようやく話が混乱しなくなったのだった。

私が主に触るのは①ひとまずバックアップ用の「ギガ子」で、カメラやケータイからここにいったん移した写真をセレクト&編集し、ちまちまとアルバム(フォトブック)にまとめている。
暇を見つけては年中やっているのだけど、たまっていくスピードが早いので永遠に追いつかない。

先日も、その作業のために夫がギガ子にデータを移す作業をしていたら、なんと突然ギガ子が反応しなくなった。
「え、ヤバい」と焦っていろいろ試みたものの(夫は詳しいのでなんだか私の分からない処置もしていた)、どうやらギガ子は逝ってしまったっぽい。
幸い、ある時期までのデータはテラ男に入っていて、それ以降のものはデスクトップとクラウドからかき集めればなんとかなりそう、と分かってひと安心したのだけれど、そうなるとテラ男のデータだけが頼りになってしまい、もしテラ男が急逝したら終わりになるので、夫が急いでギガ子の代わりをネット注文した。

で、またまた新しいハードディスクが増えたというわけ。
新しいハードディスクは色が違うから見分けはつくのだけれど、ここはやっぱり一応名前を...と思った私。
「新ギガ子」→でも今度の容量はギガではなくテラ→じゃあ「テラ子」?→いやさすがに安易すぎる...
というわけで、新しいハードディスクの名前は「テラ美」に決めた。
別に女である必要はなかったのだけれど、ギガ子に先立たれたテラ男の後妻ということで。

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夫に見せると「絶対また(名前)つけると思った」。
私が「今度のテラ美はギガ子よりもふくよかに描いといたよ。丈夫でいてもらわないと困るからね」と言うと、テラ美の体型を見て夫はちょっと笑っていた。

ギガ子はその後も夫がいろいろ試みているものの、どうやら望みは薄そう。
今回のことで、やっぱり大事な写真は紙データにしておくに越したことはないという思いを強くしたのだった。