宝石展

上野へ行ったのは、国立科学博物館でやっている「宝石展」を見るためだった。
ふだん格別宝石に興味があるというわけではないのに、これはなぜか見てみたくなって。

もともとは一人で身軽に行きたいと思っていたのだけれど、せっかくだから石が好きな長男も連れて行ってあげようかな、博物館や美術館に簡単に連れて行ってあげられるのは、東京に住んでいるアドバンテージでもあるしな...と思い直した。
(日時指定チケットの割に)人が多かったこともあって、案の定すぐ「つかれた」「はやくあっちにいきたい」と座り込んだり手を引っ張ったりする息子にほとほと疲れ果てたけれど、まぁ何とか、一人で見た場合の7割ぐらいは見ることができた。

会場は撮影可のところが多くて、まずは入ったところにある、大きな「アメジストドーム」という岩から。

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確かブラジルで発掘されたものとのこと。
掘り出した人は、こんなキラキラが出てきてさぞかしびっくりしただろう。
光り輝くものって、誰が見ても「財宝!」という感じがするからおもしろい。

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トルコ石
宝石として仕立てられたものももちろん素敵だけれど、鉱物として石の中に埋もれているところの方が、ワクワクするのはなぜだろう。
石好きのくせに今回あまり食い付きがよくなかった息子も、たぶん「整えられたもの」より「自分でいい石を見つける」ことに興味があったんだろうなと思った。

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「ネギにしか見えない」と評判のトルマリン
息子の誕生石らしい。覚えておこう。

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こちらは、紫外線を当てると光る石たち。
普通のライト、紫外線、と交互に照明が当たって、普通のライトのときはどれも同じような色をした石が、紫外線のときは色とりどりに光るようになっている。
息子は「すごい!」とここには反応していた。

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カメオの彫刻過程。

「カメオ」って昔は宝石ブランドの名前かと思っていた。
二十歳の頃、外大のイタリア語学科に通っていた高校時代の同級生に連れられて、デパートで開かれていたカメオ展に行ったことがある。
イタリアからカメオの職人が来日して、彫刻パフォーマンスを生で見ることができる展示会で、同級生の友人が通訳としてアルバイトをしていた関係で、顔を出しに行ったのだ。
外大生というのはそういうバイトがあるんだなぁと(今思えばその通訳の子は留学経験のある子だった)、感心したのを覚えている。
当時は二十歳そこそこだったから、カメオのアクセサリーを見ても「おばちゃんっぽい...」としか感じなかったけれど、今見るとまた違っていて、「こういうのもいいなぁ」と思う。
年を取ることで、いいと思えるものの幅が広がったんだろう。

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この仏像のカメオはなかなか素敵。
帽子を被った西洋女性の横顔よりも、こっちの方が積極的に欲しいかも。

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「巨大宝石」と銘打たれたコーナーには、サッカーボールほどもある宝石が展示されていた。
何万カラット、と書かれてあった横で「値段で書いてほしい(笑)」と話している人たちがいて、分かるけど、それを書かれたらもう値段以外の部分に注目できなくなるだろうな...と思う私だった。

ミュージアムショップは意外に簡素で、昨今は展覧会と同じくらい物販に力を入れている企画展が多いから、売り物のセレクトといいデザインといい、ちょっとひと昔前の展覧会を思い出す感じの雰囲気だった。
散財するかもと思っていたから拍子抜けして、でもひとつぐらいはと、40円弱の「ダイヤモンドリングキャンディ」をお買い上げ(笑)

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これが意外にあなどれぬおいしさで(←息子にかけらをもらった)、こんなにおいしいならもっとたくさん買えばよかった!と息子と悔しがった。
大人が指にはめて食べている光景を想像すると「大丈夫か...?」とは思うけど(笑)