美容院選びに歴史あり

いつも読んでいる方のブログに触発されて、今日は美容院の話(めっちゃ長くなってしまった)。

上京して数年後に結婚し、長男が産まれてからもしばらくは、独身の頃と同じ美容院に通っていたのだけれど、長男が幼稚園に上がるくらいから、美容院どうしようかな問題が浮上してきた。
理由のひとつは、子どものカット問題。
しばらくは自分で長男の髪を切っていたのだけれど、毛量が増えてきて素人のカットではちょっと難しくなってきた。
もうひとつは通いにくさで、独身の頃は通いやすかった南青山にある美容院に、結婚で引っ越してからはちょっと行きにくくなってしまっていたのだ。

親と一緒だと子どものカットが安くなる美容院は近くの街にもたくさんある。
ただ、自分の美容院探しだけでも合うところを見つけるのは大変なのに、子どものカットが安いところから自分にも合うお店を見つけるのは至難の技。
それでしばらくの間、自分は南青山(美容院Aとする)に通いつつ、長男は近所の、おじさんがやっている安い美容院を試してみたりしながら、いいとこないかな~と情報を探していた。
そんなあるとき、ママ友から「キッズスペースが充実していて、大人のカットもまぁまぁよくて、お店の雰囲気もいい」美容院の情報が入ってきた(美容院Bとする)。
ちょうど近い街だったこともあって、一度試してみることに。

行ってみると、確かにとても雰囲気のいいお店だった。
内装・外装とも色味を抑えたナチュラルなテイストで、でもナチュラルなインテリアにありがちな安っぽさがあまりなくて、よく見るとひとつひとつのアイテムにも選び抜いたこだわりが感じられる。
キッズスペースも、安っぽいカラフルなプラスチックのおもちゃは置かれていなくて、木のおもちゃを中心とした優しい色合い。
複数いるスタッフの人たちも感じが良く、全員子どもに理解があって、肝心のカットも子ども・大人ともども問題ない感じだった。

ただ、それから何度かBに通ううち、自分のカットに関してはやっぱりこれまで行っていた南青山のAがいいなぁ...と思うようになってきた。
加えて、Bの担当美容師さん(女性。サバサバしているのでサバサバbさんとする)との会話がちょっと疲れるのだ。
初回にたまたま担当してもらったbさんがそのまま担当になっていたのだけれど、話のテンポが早すぎるというか、何か言うとかけ合いみたいになってしまうタイプの人。
まぁまぁ面白い人だし、気の合う友達だったら別にいいのだけれど、美容院に行くときはどちらかと言うとゆっくりまったりしたいから、かけ合い漫才みたいなノリはちょっと疲れる。

ちなみに南青山のAの美容師さん(おっとりaさんとする)とは、そのあたりの相性がとても良かった。
Aに行くのはほとんど美容師さん込みというか、技術的にいいというのもあるけれど、彼女と話すのが楽しくて通っていた部分も大きい。
これは私にしては珍しいことで、美容院での会話が憂鬱すぎて美容院ジプシーを繰り返していた若い頃からすると、かなり画期的なことだったのだ。
おっとりaさんはもともと知っていた人の妹で、東京の有名な美容院に勤めていると聞いていたから、上京を機にAに通うことにしたのだ(ちなみにそれ以前の関西の美容院が一番長くて気に入っているのだけれど、その話はまた今度)。
おっとりaさんはたまたま同い年で、出身も同じ大阪。
そのせいか、話のノリや笑いのポイントにも違和感がなくて、しかも彼女は聞き上手、こちらの話にものすごく反応してウケてくれるので、気づけばいつも気持ちよくマシンガントークを繰り広げてしまう。

そんなおっとりaさんと比べる訳ではないけれど、サバサバbさんは、とにかく毎回ちょっとずつ疲れる。
それでも技術的にaさんぐらい良ければいいのだけれど、それもちょっと、カウンセリング時点でうまく伝わらないな...という感じが時々あって(たぶん、テンポの早い人なので早合点してしまうのだ)、美容院を完全にAからBに変えるには迷いが残る...というどっちつかずの状態が続いていた。

そんなこともあって、美容院Bの予約のときには担当者が変わることを期待して、毎回あえて「指名なし」にしていたのだけれど、あるとき行くとついにサバサバbさんの予約がいっぱいだったらしく、「すみません、今日別の者でもいいですか?」ということで、新しい若い女性(フレッシュcさんとする)が担当することになった。
フレッシュcさんは当時お店のスタイリストで一番若くて、大丈夫かな?という気持ちはあったのだけれど、蓋を開けてみたらサバサバbさんより断然自分に合っていた。
会話の面でも疲れないし、何よりオーダーがちゃんと的確に伝わる。
さらに、いつも苦労している前髪(微妙なクセがある)について、彼女の提案に従ってみたら、これまでのどの美容師さんのときより自分で扱いやすくなったのだ。

これを機に、サバサバbさんからフレッシュcさんに変えたかったのだけれど、問題はbさんもcさんも同じお店のスタイリストだということ。
これまで「美容師さんを変える=お店を変える」だったから気まずくなることはなかったのだけれど、わざわざフレッシュcさんを指名してしまうと、これまで指名すらされていなかったbさんが明らかに後輩に抜かれた感じになってしまう。

何度か「cさんに当たりますように...」と願いながら「指名なし」で予約してみたのだけれど、最初の担当者が担当するという決まりがあるのか、指名なしだと、cさんに空きがあっても100%サバサバbさんになる。
二度ほどそれがあった後、面倒くさいなぁ...と思いながら、あえてサバサバbさん休みの日に「指名なし」で予約を入れるようになった。
スタイリストの休日を確認するには、ネット予約の際に途中の画面まで行ってまた最初に戻る、というひと手間がかかるのだけれど、こうすれば、一度担当したフレッシュcさんが担当になる可能性が高い。
他のスタッフに当たる可能性もあるけれど、プラス料金がかかる店長に無断で当たることはないだろうし(店長の技術にも興味はある)、もう一人いるスタッフにためしに一度当たってみてもそれはそれでいいし...ということで、サバサバbさん休日の「指名なし」にして、フレッシュcさんに担当してもらう、ということを何度か繰り返した。

しかし一年ぐらいすると、今度はcさんより若手スタッフが入ってきた。
こうなると、「指名なし」ではさらに若いスタッフに当たってしまう可能性が高くなる。
cさんより経験が上のスタッフに当たるのはいいけれど、さらに若い人となるとちょっと賭け的要素が出てくるので、これを機に、ついにフレッシュcさんを「指名」することにした。

cさん指名の初回は、一応サバサバbさんの休日を確認した上で予約を入れてみたのだけれど、さすがに毎回休日確認をするのがだんだん面倒になってきた。
もうたぶん、担当回数的にはそろそろbさんとcさんが同じくらいになるはず...というのもあって、ついに「bさんに空きのある時間なのにcさん指名」という予約になった。
ちょっとドキドキ&サバサバbさんが少しよそよそしい気もしたけれど、まぁこれはお互い慣れるしかないな...と割り切ることにして、それ以来cさん指名で予約を入れることにしている。

ちなみに、美容院Aにはおっとりaさんのシフトが減って予約が取りにくくなったこともあって、だいぶ足が遠のいてしまった。
シフトが減ったのは悪いことではなくて、aさんにとってはおめでたい理由なので、まぁいわゆる潮時なのかなと思っている。

ちょうど少し前、二年ぶりくらいにAに行った。
南青山の街は、郊外に住む子育て真っ最中の私にはずいぶん眩しい街になっていて、あぁ、ここはもう今の私にとってはちょっと違う街になってるんだな...と思えた。

次男もようやく切れるほどの毛量になってきたし、フレッシュcさんがいてくれる間は、しばらく子どもと一緒に美容院Bに通うことになりそう。