北海道旅行記①一日目 空の移動と陸の移動

夫が9月に長期休みを取れることになり、急遽六日間の旅を企画したのが先月のこと。
そこまでまとまった連休はなかなか取れないので、行き先はおのずと遠くにしようとなり、一度長男を連れて行ってあげたかった北海道にすんなりと決まった。

北海道が好きで何度も行っている私だけれど、子連れとなるとあまりあちこち移動はできない。
夫の希望もあって、宿泊は二ヶ所ぐらいに留めようということになり、エリアを絞ることにした。
私は美瑛とか旭川あたりの道央でもいいなと思っていたのだけれど、自転車乗りの夫(←昔北海道も自転車で回ったらしい)が「自転車では行きにくい(通り抜けしづらい)エリアがいい。行ったことがないニセコ方面がいい」と言うので、ニセコ好きの私としても異存はなく、これまたすんなりニセコ・ルスツエリアに決まった。

今回は初めてのLCC会社。
これまでの子連れ旅では、マイルを使うためANAしか使ったことがなかったから知らなかったのだけれど、LCCANAでは幼児の座席の扱いが違うらしい。
二歳になったばかりの次男は、飛行機自体が初めてなのに一人で座席に座らなければならず、それがまぁ大変だった。
思い出すのも大変なので(笑)、今回はそこは割愛。

しかも、同じLCCでもこれまでは羽田発にしか乗ったことがなかったのだけれど、今回は成田だった。
国内線で成田を使うのは、関空がなかった時代に大阪から海外に行ったとき以来だ。
その頃は、伊丹空港から成田まで国内線に乗り、成田から国際線、というルートだったのだ、確か。

家から成田までは、順調に行って二時間強。
子連れの移動は不測の事態が多いから(予定していた電車に乗る直前に急に「おしっこ!」と言われるとか)、移動にはプラス30分ぐらいの余裕を見ておく。
子どもは大人と違って空腹を我慢もできないから、ごはんのタイミングも考えると、空港には出発二時間前には着いておきたい。
そんなわけで、正午過ぎの便に乗るのに、当日大人は五時半起き。
荷造りは前日までに夫と二人がかりで済ませ(何せ六日間×四人分なので持ち物リスト作りも大仕事)、当日は比較的スムーズに成田に到着できたのだった。

新千歳空港に着いたのは午後二時半頃。
預け入れ荷物を待ったり、子どもたちのトイレやオムツ替え、数km離れたレンタカー会社へのバス移動や手続き等で、新千歳空港周辺を出たのはもう四時を回っていた。
そこからルスツまでは陸路で一時間半ほど。
台風が近づいていて天気も悪く、途中の道のりが比較的単調だったこともあって、運転手でない私は案の定猛烈な眠気に襲われて、気がついたらもうルスツの手前だった。

一つ目の宿は、ルスツと言えば...のルスツリゾート
アクティビティ利用で来たことはあったけれど、泊まるのは今回が初めて。

入り口を入ったところに有名な屋内メリーゴーランドがあって、あぁ、そうだったそうだった...と思い出して懐かしさに胸がちょっとキュンとした。
季節は違うけれど、真冬にこのメリーゴーランドを見ながらバスか何かを待っていたことがあったのだ。
雪が深く積もった外からロビーへ入ると、暖かさでみんなの靴に付いた雪が融けて、ロビーの床はいつもびしょ濡れだった。
その、暖かく湿った空気や自分の履いていたスノーブーツの重さ、来たのが確かお正月で、周囲の家族連れやスキー客が華やいだ雰囲気だったことを、一気に思い出したのだった。
あれはまだ夫と出会う前、私は独身で三十代で、お正月早々友人と北海道に来るぐらい、自由で身軽だった。

ルスツリゾートの庭にはいろんなライトアップがされていて、この時期にはプロジェクションマッピングも行われていた。
さらに、その前には花火の打ち上げも。

この日はずっと雨だったから、花火も中止かと思っていたのだけれど、運良くその時間帯だけ小雨になって、15分間の花火を見ることができたのだった。
たった15分だけれど打ち上げ数はけっこう多く、次から次へと贅沢に打ち上げられる花火で、この三年間中止されてきた花火イベントの分を、ちょっと取り戻せたような気がした。

この日はもう遅かったので、セイコーマートで買っておいたおにぎりやお弁当で急いで晩ごはん。
コンビニと言えども、さすが北海道の誇るセイコーマート、鮭おにぎりも筋子おにぎりも店内手作りのお弁当もおいしかった。

早朝起きで移動に移動を重ねた一日目は、大人も子どもももう大分お疲れ。
子連れなので和室にしておいた部屋には既に布団が敷かれており、「おふとんサイコー!」と言いながらみんなで倒れ込んで、一日目の夜は更けていったのだった。