十年前

こんな時節なので、家にこもっていろんな整理をしていたら、ふと、昔友達と東京に遊びに行った春のことを思い出した。
3月も末のことで、考えたら、それはまさにちょうど十年前の今頃だった。

当時あった(今もあるのかな)「トーキョーブックマーク」という、関西発のお得な東京観光プラン。
ほぼ新幹線往復料金だけでホテルもついてくるようなプランで、友達と二泊したのだった。

打ち合わせをしたのだったかどうかも忘れたけれど、靴好きの友達と落ち合ってみたら、二人の靴がすごい色の組み合わせで、それがこの旅の印象的な記憶になった。

f:id:coffeesofa:20200327231728j:plain

初日は代官山や中目黒を歩いて、最後は宿泊先の渋谷のプチホテルでごはんを食べた。
内装がちょっとお姫様風の、古いホテルだった。

二日目は、友達がその旅で一番希望していた、私も初めての東京ディズニーシー
忘れもしないその日は、3月末にしては異例の寒波が東京に来た日だった。
完全に春の服装しか持っていなかった私たちは、昼間はまだしも、夕方からはもう寒さのことしか考えられず、とにかく何でもいいから屋内のアトラクションばかり選んで行く羽目になった。
持ってきていた革のショートコート一枚では到底海風に耐えきれず、ひとつ200円ぐらいするミッキー型のめちゃくちゃ小さいカイロを二つ買って、それでも全然寒さが凌げなかったのを覚えている。
あんなに寒い思いをしたのは久しぶりだった。

それでも閉園まで遊んだ、と手帳のメモには書いてあって、今考えるとどれだけ若かったのか。
その日は東京湾の埋め立て地のホテルに泊まることになっていて、海の上を走る電車でホテルに向かったのを覚えている。
あれは何線だったんだろう。
最寄り駅から迷ったせいでけっこう距離のあるそのホテルまで、重い荷物をゴロゴロ引きながら、暗くて広い埋め立て地を歩いた。
辿り着いたホテルは思いの外ピカピカで、部屋も広く設備も抜群、疲れ切っていた私たちのテンションは上がった。
とにかくまずはあたたまろうと、バスタブに熱いお湯を張り、湯船に体を沈めてしばらくしてようやく、一日凍えた体に体温が戻ってきたのだった。
お風呂から上がり、友達がつけたテレビで、吉本芸人が深夜の大喜利番組をやっていたのをぼんやり見ながら、
清潔で設備の良いホテルの部屋がこんなにも大事だなんて知らなかった...と、しみじみ思ったのを覚えている。

翌日の最終日は、浅草観光をして、神谷バーで電氣ブランを飲んでかなりほろ酔いになり、そこで関西に帰る友達と別れたのだった。
私はそこからも少し東京に残り、大学時代の同級生と会ったり、別の友人を訪ねたりして過ごしたのだけれど、案の定風邪を引いて、そこからかなり長いこと治らなかった。
そのときの喉の痛みは、なぜか今もけっこうはっきり思い出せる。

30代の初めの、あれは最高に楽しい時期だった。

桜の森の満開の下

一週間ほど東京を離れていた。

その間に桜の開花は一気に進み、帰る頃にはほぼ満開。

f:id:coffeesofa:20200325233606j:plain

集合住宅敷地の桜の下で、ちゃぶ台を広げて集まっている人たちがいる...と思って見たら、なんと小学生の女の子たちだった。
5年生か6年生ぐらいの女の子たち四人が、小さな折り畳みテーブルを囲んで楽しそうにゲームをしていた。

いつもの年なら、これからやっと始まる春休み。
今年はもう、そろそろ休みにも飽きてきた頃なんだろうな。

満開の桜の下で気の合う友達と過ごすのは、大人だって子どもだって、気持ちがいいよね。

冬の終わりのスープ

この冬ハマッているのが、鶏ガラでだしをとること。
よく行くスーパーで、一羽分100~120円の冷凍鶏ガラが売っていて、ずっと気になっていた。

f:id:coffeesofa:20200313161658j:plain

何年か前久しぶりに実家に帰ったとき、母が「最近こればっかり作ってる」と言っていたスープがあって、作り方を聞いたら、ただ鶏ガラと豚肉を煮るのだという。
鶏だけでもいいけど、豚を入れるとそのまま具にもなるし、旨味が増すとのこと。
母に勧められるままそのスープを使ったラーメンを食べてみたら、確かにめちゃくちゃおいしくて、以来ずっとやってみたかったのだった。

ちょうど親戚からもらった大量の泥つきネギを処理しなくてはならなかったので、ひとまずネギの青い部分だけを切ってじゃぶじゃぶ洗う。
畑から抜いたままのネギは土だらけで、こういうとき、マンションって不便だよなぁとつくづく思う。
最近は土間のある家もあるらしいけど、土間とか縁側とか、そういう外と通じている空間があるとないとでは、野菜の処理のしやすさが全然違う。
泥を洗うのだって、きっと昔は小川や井戸端でやっていたから、水もふんだんに使えただろう。
それを密閉されたマンションの小さなキッチンでやるとなると、どうしても無理がある。
マンションのキッチンは、予め洗ってきれいに小分けにパックされたものを処理するようにしか、作られていないのだ。

まぁそれでも、泥つきネギをキッチンばさみでザクッと切って大きなボウルに入れてしまえば、何とか処理できる状態になる。

f:id:coffeesofa:20200313153756j:plain

今日使う分だけ残して、残りは水気を拭き取って保存袋に入れ、冷凍庫へ。

f:id:coffeesofa:20200316235433j:plain

ことこと煮込んだだしは、この後生姜とニンニクのすりおろし、少しの塩と醤油を加え、これまた親戚にもらって転がしたままだった冬瓜も入れて、寒かった日にぴったりのスープになった。

四ツ谷の春2020

用事で四ツ谷へ。

四ツ谷の駅の、空が広くて地面の彫りが深い景色が、昔からずっと好きだ。
特に、春の初めから夏の終わりぐらいが本当にいい。

f:id:coffeesofa:20200316232901j:plain

外出自粛の影響か、駅周辺も電車も本当に人が少なかった。
私が東京に来てから、初めてじゃないかという人口密度の低さだ。
みんなどこにいるんだろう。
というか、これまでの人はどこから湧いてきていたんだろう。
あの人の多さは、東京以外から訪れていた人々がほとんどだったんだろうか。

戌の日

息子のときには行かなかった、戌の日のお詣り。
最後の妊婦生活を楽しむ一環としていろんな儀式もやっておこうと、前から行ってみたかった水天宮へ行くことにした。

f:id:coffeesofa:20200313234010j:plain

水天宮の駅で降りたこと自体初めてで、突如現れた近代的な神社にびっくり。
ベビーカー置き場まで洗練されていた。

f:id:coffeesofa:20200313234304j:plain

f:id:coffeesofa:20200313234328j:plain

昔からある神社だからもっと古いのかと思っていたけど、数年前に建て替えられたよう。

祈祷料が思いの外高く(腹帯とかとセットになっているのかと思いきや、別料金だった)、あまりの高さに「これは御守りと腹帯のセットだけでいいのでは...」となって、結局普通にお賽銭をしてお詣りすることにした。
これだけ儲けてたら、そりゃ立派な建物も建つわ...。

本殿の横に小さな社があって、子宝わんこが祀られていたので、そこにもお詣り。

f:id:coffeesofa:20200313234856j:plain

こうしてひと通りのお詣りを済ませ、あとは予約しておいた近くのホテルのビュッフェランチでゆっくり食事を楽しんだ。
この後コロナでビュッフェも中止されてしまったので、ギリギリ行けてよかった。

何年か後になったら、あの戌の日のあたりから世の中がコロナでえらいことになっていったんだと、折に触れ思い出すことになるだろう。

つわりのときに食べたもの

息子のときにはほとんどなかったと言っていいつわり。
今回は、妊娠が分かった頃から一般に収まってくるとされる頃まで一ヶ月間、船酔いのときの胃みたいな状態が一日中続いた。
忘れていられるのは寝ている間だけ。
それも、体勢を工夫しないと胃がもたれて、夜中に目が覚めてしまうのだった。

食べるのは食べられたけれど、かなり限られたもの。
消化に悪そうなもの(生野菜、きのこ、海草、ゆで玉子、肉、玄米など)は基本的にダメ。
中でも一度、体によさそうと思って玄米ごはんを食べてしまったときは、一日大変な思いをした。
味つけ(調味料)も限られていて、基本的に酸味があってさっぱりしたものでないと、想像しただけで胸が悪くなってしまう。

好んで食べられたのは、
・トマトにポン酢(ポン酢はかなりオールマイティーな調味料だった)
・梅茶漬け
・麻婆豆腐(麻婆麺)
・ペペロンチーノ
・納豆巻き
ぐらい。
お昼をコンビニで買わざるを得ないようなときは、納豆巻きとペペロンチーノ二択だった。
コンビニパスタにはたいていペペロンチーノ的なものがあることを知ったのはこのときだ。

安定期に入り、つわりも収まって、だいたいのものが普通に食べられるようになってきたのは本当にありがたい。
普通の醤油ラーメンですら、きつかったもんな...。

f:id:coffeesofa:20200313112012j:plain

コロナな日々

新型コロナウィルスの影響が、身の周りにもじわじわと起こっている。
息子の入園前行事が中止になったり、夫が時差出勤になったり、図書館が休館になって返却期限が延びたり、バスや電車がいつもよりだいぶ空いてたり。

3月中に泊まりがけで行くはずだったある記念行事も、コロナの影響で案の定延期になった。
3月に期限を迎える飛行機会社のマイルがあり、それを使うためもあってその行事に参加する予定にしていたのだけれど、さてどうしたものか。
飛行機会社のサイトには今回無料で払い戻しができると書いてあったけれど、いろいろ個別に分からない点があったので、時節柄全然つながらない電話問い合わせ窓口に電話し続けること二日、ようやくオペレーターにつながった。
やはりウェブ上では変更できないケースだったことが分かり、オペレーターとのやりとりでとってもスムーズに事が運んで、ものの10分もしないうちにもろもろの手続きが完了、延期された日程で無事予約をし直すことができたのだった。

一番厄介だった飛行機が変更できたので、片道使う予定だった新幹線もキャンセル(こちらも今回は手数料無料で払い戻しができた)、宿もキャンセル(こちらはもともと二日前まで無料)、行く先で予約していたお店にもキャンセルの電話。
さらに会う約束をしていた友達にもお詫びのメールをして、ようやくひと通りの懸案手続きが終わったのだった。

夫が息子を連れて出かけてくれていたので、ひと息つきたいなと、お気に入りカフェへ。

f:id:coffeesofa:20200311231317j:plain

ここへ来るのは数ヶ月ぶり。
コロナ騒ぎで席数を減らして営業している店内は、いつもよりゆったりして居心地よく、書き物や読み物をしてたっぷり一時間以上リフレッシュしたのだった。
もちろん、こんなときだからいつもよりちょっと多めに注文して、席数を減らしたお店への貢献もしておいた。
なくなってほしくない個人店には、なくならないようちゃんと応援しておきたいから。

いろいろな変更を余儀なくされる日々だけれど、ささやかな楽しみを見つけながら、毎日を過ごしていきたい。