こんぶすい

昆布水つけ麺、というものが流行っているらしい。
「つけ麺というのは、ぶっとい麺をドロドロの塩辛いタレにつけて食べるもの」と思っていたら(←だいぶ昔に一回だけ食べた)、最近よくSNSで見かけるつけ麺は、普通のラーメンぐらいの太さの麺がきれいにうねりながら盛りつけられていて、なんだかピカピカしている。

一ヶ月ほど前、お昼をサッと済ませたいタイミングでたまたま通りかかったつけ麺屋が、昆布水つけ麺屋だった。
Google高評価で普段なら混んでいそうなお店が、ちょっと外れた時間でまもなく入れそうだったので入ってみたら、意外とおいしい。
テーブルに食べ方の説明がいろいろと書いてあり、最初は麺だけで味わってくださいと書いてあったのでそうしてみたところ、塩をつけただけでもおいしいのだ。
せっかくなので一応つけダレも使ってはみたけれど、タレは少しでいいな、というのが私の感想だった。

そしてまた先日、別の出先でお昼前に中途半端な時間ができてしまった。
お昼には早いし、どうしよう…と思っていたとき、そうだ、前にめちゃくちゃ行列ができているラーメン屋が近くにあった、と思い出した。
調べてみたら、そこもラーメン屋というより「昆布水つけ麺」のお店。
昆布つけ麺というものの本質(?)が、一軒行っただけでは分からないなと思っていたところだったので、一巡目に入れそうなチャンスに並んでみることにした。
大人気店なのでさすがに一巡目は難しかったけれど、ニ巡目には入ることができた。

結局30分並んだ昆布水つけ麺。

ここでも分かったのは、やっぱり「麺そのもの」の方が(タレより)おいしいな、ということ。
タレは本当に少量でいい。
麺に合わせた塩がまたおいしくて、塩と麺だけで食べられるな、というのが感想だった。

一応、これで昆布水つけ麺は分かった、と思う。
たしかにおいしい、けど、そんなにリピートはしないかな。
炭水化物に偏るし、何より並ぶ時間のタイパ的に。
でも、今後SNSで昆布水つけ麺を見ても「あぁ、あれね」で終われるので、並んで二回行った価値はあったかな。

夏ドラマ2026

長かった子ども夏休みが、ようやく終わりつつある。
去年は夏休みが終わった途端に私の不調が噴出したから、今年は子どもたちのお世話で疲れすぎないようだいぶ前から準備していたのだけれど、結果はどうなるだろうか。
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夏ドラマが終盤に入ってきた。
今夏見ているのは結局「Tシャツが〜」と「VIVANT2」のみ。
「クロスロード」は主人公今田美桜の肩に力が入りすぎてしんどくなり、松村北斗に期待して見始めた「告白」は、全体の雰囲気が陰湿すぎて挫折した。
「VIVANT2」は、前作の記憶がだいぶまだら記憶になっていたところに、めちゃくちゃ展開の早い第一話だったから、アラフィフの脳にはなかなか厳しかった。
でもこれは家族で見ることにしているドラマだから、まぁ一家団欒の道具ということで、細かいところは気にせず気楽に見ている。
個人的にはキムラ緑子の「ハヤト」という呼びかけが、そこだけなぜか完全に関西弁に聞こえるのが気になる(笑)。発音のせい?

「Tシャツ」は、第一話でグッと引き込まれて、以来ほぼリアルタイムでフォローしている。
蒼井優の演技が話題だけれど、わたし的にはなんといっても中島歩。
少し前から「好きかも」だったけれど、今作で完全にハマった。
特に今の役も好きなんだと思う。
何年か前は「声はいいのに、めっちゃ棒読みだな〜この人」と思っていたけど、今作は表情での演技がすごい。
第一話の「好きな人フィルターですっけ。 掃除した方がいいですよ」には、戦慄して完全に心を持っていかれた。

思うに、「誰かと交際関係(婚姻関係)にある」というのは、「現在の彼(彼女)のことは誰よりも自分が知っていると思える」ということなのだろう。
だから、過去のことはいざ知らず、第3金曜日のおしゃべり相手にしろ、職場の同僚にだけ話していることにしろ、「現在進行形で自分の知らないことが相手にある」というのは、交際(婚姻)関係を揺るがすのだ。
それが同性の友人なら大目に見れても、異性となると「心の浮気」ということになってくるのだろう。

ところで「Tシャツ」、最新話では急にテイストが変わって、えっちょっとこれ続いたらどうしよう(せっかく面白かったのに…)となっている。
松ケンはキャラが変わって急に軽いトーンになってるし(しかも目のキョロキョロ感とかが、ちょっと前にやっていた発達障害の裁判官の挙動が入ってる気が)、
不自然に集められた登場人物の会話劇は、三谷幸喜作品みたいな舞台臭さが急に漂って、何なんこれ…とちょっと引いてしまった。
最後の海辺の蒼井優は元のテイストに戻っていてホッとしたら、次の瞬間イノッチで全てを持っていかれた。
なんでここにイノッチやね〜ん(しかもワイルド)!

KANSAI TRIP 2026(後編)

プチトリップ二日目は、奈良→三重→フェリーで伊勢湾を渡って愛知、というマニアックなルートだった。
実は7,8年前にも、当時は一人だった息子を連れて、このルートで関西から愛知ヘ抜けたことが あった。
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さすがに長男は覚えていなかったけれど、せっかくの旅、いろいろな乗り物を使った方が楽しいんじゃないかなと、今回も電車ではなく船を使った移動を企画したのだ。

まずは朝、昨日は暗くて外がよく見えなかった屋上スパを再訪。
乗り換えに便利な場所というので取ったホテルだけあって、露天風呂からは何路線かの電車が行き来するのが見えた。
それだけで何か得した気分。

部屋の窓からは、山々が重なる奈良らしい風景が見えた。
「大和は国のまほろば たたなづく青垣(重なりあった青い垣根の山)山ごもれる 大和しうるわし」という、古事記の和歌の風景が、まさにここにあるなぁと感じ入った。

9時頃の特急で、いざ鳥羽へ。

いかにも古(いにしえ)という雰囲気の、奈良から三重へのルートが好きだ。
名張を過ぎると少し風景が開けてきて、いにしえから時代が下ってくる感じがする。

旅の車窓の風景は、いつも特有の心情を喚び起こす。
「こんなところにも暮らしている人がいる」とでもいうような。
「こんなところ」というのは「自分の知らない、車窓では一瞬で過ぎ去ってしまう場所」という意味で、そこにももちろん、降り立てば人々の生活があり、日々のこまごました暮らしが営まれているのだけれど、それが何か信じられないような気持ちがする。
夢の中の町や人々のように、実在感が薄く、どこか現実でないようなふわふわした感じがするのだ。

10時半頃、鳥羽に到着。

駅でお昼ご飯を買って、今日のイベント、鳥羽水族館を目指した。
以前来たときはもう一駅先だったようで、そこからはけっこう徒歩で近かったのだけれど、なぜか今回は覚えていなくて、鳥羽駅で改札を出てしまった。
水族館のHPには鳥羽駅から徒歩と書いてあるのだけれど、実際には一駅先の方が断然近い。
ただ、お昼ご飯を買って行きたかったので、結果的には鳥羽駅でも正解だった。

徒歩10分とあったけれど、どうやら陽射しを遮る場所がない道をずっと歩かなければならないよう。
子ども二人に大荷物なので、ここでもタクシーを使うことにした。
体力温存という意味では正解。
1メーターかと思いきや、2メーターぐらいの距離があったから。

水族館に到着したのはお昼少し前。
お腹が空いていたのと、昼時は場所も混むだろうからと、まずは最初にご飯を食べることに。
夏休みの水族館レストランは激混みなうえ、メニューのコスパが悪そうだったので、事前リサーチしておいた飲食エリアへ向かったのだけれど、なんと運悪く夏休みは閉鎖されていた。
仕方なく引き返して、もうひとつの飲食エリアであるアシカショーの観客席に行くと、なんと一人も客がいない。
広い広い観客席が、貸し切り状態。
しかも、屋外だから暑いかと思いきや、風が通ってかなり涼しい。

さらにラッキーなことに、アシカの訓練中だった。

期せずしてアシカショーを見ながら、めちゃくちゃゆったりランチ。
館内は夏休みの家族連れでごった返しているというのに、かなり穴場なタイミングだった。

腹ごしらえをした後は、館内をゆっくり見学。
国内で唯一飼育されているラッコを見たかったけれど、常時30分待ちぐらいで、なかなか並ぶ気にはなれず、行列の隙間からチラッ!と見える姿だけで良しとすることに。

イグアナを見て「ガォー!」としている次男。
イグアナを恐竜か怪獣だと思っている節がある。

亀はバリバリ音を立ててお食事中だった。
亀ってこんなに野菜を食べるんだ。

つい「ホコモモラ」と読んでしまう「オオホモラ」。
若い頃の一時、ホコモモラの服好きだったな〜。

真夏のおでかけということで、水族館なら涼しいだろうと思ったのだけれど、
鳥羽水族館は古い設備だからなのか、それとも近年の節電のためなのか、とにかく館内は「暑くはない」程度の気温。
加えて、水族館だから仕方ないといえばないのだけれど、屋外エリア(屋根はあるけどとにかく蒸し暑い)が多すぎて、長居の見学ができない。
最後のセイウチに触れられるショーだけほとんど義務のようにこなして、「早めにフェリーターミナルに行って涼もう!」と意見が一致した。

幸い、フェリーターミナルは水族館から目と鼻の先で、大荷物でもすぐに辿り着いた。
そして、水族館より涼しい〜!

けっこう早めに行ったつもりだったけれど、乗船時間から逆算するとちょうどぐらいで、チケットを買ったり、トイレに行ったり、ちょっと飲み物を飲んでアイスを食べたりしていたら、あっという間に乗船時間となった。

航路は一応国道ということになっているらしい。
窓際のテーブル席に陣取って、あとはゆっくり一時間、穏やかな伊勢湾の景色を楽しむ。
長男はまもなくぐっすり眠りはじめ、せっかくの船旅だったけれどほとんどずっと寝ていた。
次男は意外に起きていて、船酔いもせず(そもそも酔うほど揺れていないけど)、しっかり車窓を堪能していた。

対岸の伊良湖に着いたのはもう夕方。
そこからピックアップしてもらって、三日間の夏休み@姉宅はゆるゆると過ごした。

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【おまけ】
美味しかったものの記録。

去年行ったのと全く同じ、海の近くの食堂と、美味しいうどん&そばの店。
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今年も美味しかった!

KANSAI TRIP 2026(前編)

子どもたち二人と、姉宅へお邪魔する夏休みのイベント。
今年はその前に一泊、プチトリップを企画した。
ちょうど髪を切るタイミングだったので、私が古くから通っている馴染みの美容師さんのところへ行くついでに、関西でいろんな人に会う…という企画だ。

夫がいつも通り早朝に仕事に出かけた少し後、私と子どもたちだけで、ラッシュアワーの電車に乗って、いざ東京駅へ。
夏休みで学生がいないからか、思ったよりも満員電車ではなかったものの、子連れは何かと移動に時間がかかる。
「最低でもここではこの時間に乗らなければ」という乗り換えタイムリミットを記したメモを周到に用意して、早め早めに行動し、なかなかいいペースで東京駅に到着した。

まずは、新幹線の中で食べるランチを各自物色。
長男は「前も食べて美味しかったからこれ!」と、迷わずまい泉のメンチカツバーガーをチョイス。
次男には食べやすさ重視で、同じくまい泉のヒレカツサンド。
そして私は、一応旅行なので旅気分を盛り上げる、おなじみの海苔弁。

東京駅は始発なので、行きは自由席で行くことにした。
確実に席をGETするため、15分くらい並んで無事のぞみに乗車。
子どもたちはそれぞれお気に入りのぬいぐるみを持ってきていて、「ぬいぐるみにも景色を見せてあげる!撮って!」と、教えてもいないのにぬい活していた(笑)。

予定通り、お昼ごろ京都に到着。
今回は、新幹線の改札を出るまでにあるミッションがあった。
それがこれ。

見つけたときは「あった!!ほんとにあった!」と小躍り。
一昨年ぐらいに久しぶりに出町柳本店で買おうと思ったら、店先を超えて、まさかの道路を渡った向こう側まで行列ができていて、「これはもう絶対買えない…」と諦めていた、ふたばの豆餅。
それが、新幹線改札内にシレッと置かれてある日がある、という情報を以前ネットで見て、もしかしたら…と探してみたのだ。
そうしたら本当にあった。
3個入り、本当は数パック欲しかったけれど、当日中なので泣く泣く1パックのみ手に取る。
私のすぐ後に通りかかったおばちゃんが、通り過ぎてから「え?」という感じですぐ引き返して、2パック手に取ってから、看板をしげしげと見つめている。
分かる。
多分「これ、ほんとにふたばの豆餅?紛いもんじゃなくて?」と、思っていたんだと思う(笑)。
それぐらい、普通にはもう買えなくなってしまったのだ。ふたばの豆餅。

同じく、新幹線構内だとすんなり買える京都銘菓「阿闍梨餅」もGETして、いざ、美容院へ。

ここでのカットは初めての次男。

前に一度切ってもらったことのある長男は、前のことを覚えていて「あそこだったら行きたい!」と喜んで切ってもらっていたので、どうやら子どもにも違いが分かるよう。すごい。
長男は毛量が増え、今回生まれて初めてのシャンプー台も経験、「めっちゃ気持ちよかった!」とご満悦だった。

長年通っている美容師Nさんは、なんだか年々許容範囲が狭まってきていて(愛想はいい、でも遅刻は厳禁・営業時間もめちゃ短い)、絶対に遅れないよう、30分以上バッファを見ていた。
決して悪い人ではないんだけれど、とにかく、マイルールが(たぶん)ものすごくある人なのだ。
その代わり、手は早いし無駄口がない。
子どもを含め三人分のカットがたったの40分足らずで終了し、ギリギリだった次の予定までだいぶ余裕ができた。

最寄駅までは歩ける距離なのだけれど、大荷物・子連れ・カンカン照りの三重苦だったので、ここは体力温存…とタクシーを使うことにした。
タクシー好きの子どもたちは、突然の「タクシー乗るよ」に大喜び。
ちょうど私のお気に入りMKタクシーがいたので乗り込んで、まだ使えるのだろうか…と思いながら持ってきたポイントカードを出してみたら、まさかのまだ健在だった。
ポイントはもうなくなってたけれど。

少し先の乗り換え駅まで行ってもらったので、乗り換えの面倒がひとつ減り、今度は大阪方面へ。

次の予定は、一年半前にお引っ越ししてしまった、長男のお友達との再会だった。
本当に少し、一時間程度しかなかったのだけれど、声をかけたら「行けます」とのことで、今回はお父さんがお子さんを連れてきてくれた。
某駅駅前のファミレスで、しばし再会のひととき。
お父さんとも面識があったので、子どもたち3人+大人2人で、近況を話しながら午後のティータイムと相成った。
小4の当事者同士は、久しぶりで照れくさいのかポツ、ポツという感じのおしゃべりではあったけれど、それでも楽しそうにドリンクバーであれこれ相談したり、お互いの小学校の話をしたり。

ほんのひとときの再会ではあったけれど、やっぱりこの一回があるとないとでは、次に会う機会へのハードルが違うと思ったのだった。
自分の幼い頃を考えても、引っ越してしまった友達に大人になってから会ったとき、十代で一度でも会っておいたことが、共通の話題として間を埋めてくれる感じがあったのだ。

名残り惜しかったけれど、お互い次の予定があるので、夕方にお別れ。
そのまままた電車に乗って、今度はさらに南へ向かった。

次に落ち合ったのは母。
私は年明けに一度会っているけれど、子どもたちは一昨年母が倒れてから初めての再会だった。
実は、今回の旅程を決める際、母には会わず別の友達親子に会うプランもあったのだけれど、長男が「友達はまた会えるけど、大阪ばぁばは高齢だから(会えるときに会っておく)」と、母に会うプランを選んだのだ。
そんなこと考えるんだ…と、思わず噴き出しながら感心してしまった。

この日は郊外の実家までは行かず、都心まで母に出てきてもらって、食事だけすることになっていた。
布団の上げ下げやご飯の用意をする必要もなく、私たちも目的は子どもたちと母が会うことだけなので、外で短時間食事、というのがちょうどいい。
銘々が好きなものを好きなだけ食べられる回転寿司で、二時間ほどの時を過ごした。
二年ぶりに孫たちに会う母も、それぞれの成長ぶりを見て嬉しそう。

19時過ぎに解散して、私たちはさらに先へと歩を進めた。
本当はこのあたりで一泊したかったのだけれど、翌日は三重まで足を伸ばす予定で、少しでも距離を近づけるため、この日は奈良まで進むことにしていたのだ。

東京を出発して、京都、大阪、奈良。
我ながら一人で子連れで一日で、すごい移動距離だ(笑)。

ようやくホテルに着いたのは、20時半。
屋上スパが売りらしいので、疲れていたけれど部屋のシャワーではなくスパで大量の汗を流し、さっぱりとして部屋に戻った。
ちなみに今回は大人は私だけなので、長男は初めての一人大浴場体験。
大丈夫か、変な目に遭ったりしないか…と散々気を揉み、しつこいぐらいに注意事項を伝えたけれど、幸い何事もなく、「いいお湯だった〜」と出てきた長男にホッとした。

そしてこんな夜遅くではあったけれど、「本日中」なので例のアレを夜食に。

初めて食べる子どもたちは「えっめっちゃうま〜!」と喜んでいて、十年は食べていない私も、「そうそうこれだった〜」と懐かしさに舌鼓を打った。
15分も並べば買えた、ひと昔前を思い出しながら。

夏の宴

半年に一度、後輩と飲みに行く会も、三回目となった。
今年は、前から一度行ってみたかった野菜が美味しいと評判のお店へ。

住宅街にあるお店は、平日にもかかわらずほぼ満席だった。
後輩が予約しておいてくれたおかげですんなり座れたけれど、その後も次々お客が来て、ほんのわずか空いていた席もあっという間に満席になった。
私たちはカウンターの、ほぼかぶりつき席へ。

お通しのおからと前菜盛り合わせを肴に、まずは乾杯。

どのお料理もとても丁寧に作られていて、「いろんなものをちょっとずつ」が家庭では一番難しいと知っている私たち主婦には、身に沁みる美味しさだった。
サワガニそのまんまに見えるカニは、口に入れるのを一瞬躊躇うほど「川にいる姿」だったけれど、食べてみると、パリパリのカリカリ。
どう調理してあるんだろう。オーブンとか?
その他にも、高知の塩鰹、熊本の海藻を使った小鉢など、玉手箱のような楽しい前菜だった。

初めてだったので、今回はコースでオーダー。
野菜サラダ、ナスと豚の挟み蒸しと続く。
野菜サラダは、エッセイストの平松洋子が絶賛している雑誌の記事の切り抜きが、お手洗いに貼ってあった。
確かに、全然手を抜いていないサラダだ。

個人的に一番印象に残っているのが、「海老とイチジクの挟み揚げ」。

海老にイチジクという、思いがけない組み合わせが、なんとも合う。
「絶対塩でしょ」と思って食べ始めたけれど、ひとくちだけ天つゆにつけて食べてみたら、これもまた予想外の美味しさ。
思わず、日本酒を追加した。

キリリと冷えた日本酒が、天ぷらに合いすぎる。

後輩とは、一年前と同様、いつしか「夫婦論」みたいな話題に。
後輩が「夫は家事をナメてる」「でも家事をだいぶやってくれるようになったから、一時あった『嫌い』がなくなってきた」と言うのに、深く頷く私。
やっぱ家事は大事だよなぁ。一緒に暮らすのであれば。

特に今子どもたちが夏休みで、料理にしろ掃除にしろ洗濯にしろ、普段の三倍くらいのスピードで次の家事が来る日々を送っている身としては、「ほんとそれなー!」と思う。
「先に食べていいよ」問題とか、「そうめんとか簡単なものでいいよ」問題の何が問題なのかを、全配偶者が瞬時に理解できるようになるまでは、夫婦の平等はあり得ないよな…と思う。
「先に食べていいよ」は「『いいよ』でなく『何も手伝えなくて申し訳ないけど先にお願いしますすみません』」だし、「そうめんとか簡単なものでいいよ」は「簡単なのは作り方じゃなくて食べ方だ、簡単だと思うならお前が作れ」なのだ。

シメの土鍋ご飯は「若鮎」をチョイス。
一番家で作らなさそうなものだから。
このあとお店の方が、丁寧に骨を取って身をほぐしてくれる。

デザートだけ追加して、夏の宴のフィナーレ。
めちゃくちゃ美味しい焼きプリンだった。

最後は店主さんがわざわざ厨房を出てお店の出口までお見送りしてくれて、さすが、長く続く人気のお店は、こういうところをゆるがせにしないんだなぁと思った。
今度はアラカルトで来てみたい。

一番偉いのは拭き掃除

川上未映子の『黄色い家』に、常に片手に布巾を持って、いつも習慣的にそこらじゅうを拭いている女性が出てくる。
ネグレクト家庭に育った主人公の女の子は、その女性(黄美子さん)が家に出入りするようになって、汚部屋だった家がきれいになっていくのに驚く。
ずいぶん前に読んだので細部はうろ覚えだけれど、主人公の女の子は、家がきれいな状態というのをそれによって初めて経験し、「拭くと部屋はきれいになる」ということを知った…というような描写があった。

『黄色い家』はもちろんその他の部分にテーマがあって、全体的に素晴らしい小説なのだけれど、
私が一番よくこの小説について思い出すのは、常に片手に布巾を持って、癖のようにあちこちを拭き回っている黄美子さんのことなのだった。

主婦として家族四人が暮らす家を掃除するようになって、つくづく、「拭き掃除が一番偉い」と思うようになった。
一人暮らしの家と四人家族が暮らす家では、単純計算して、四倍の速さで家が汚れていく。
一人のときは週に一度で十分だった掃除機がけは、週に二度(もちろんスティック掃除機は毎日ちょこちょこかけた上で)でも不充分になり、一見きれいな床も、何週間か経つとなんとなく埃っぽい。
うちはスリッパを使わないので、裸足で歩く夏になると特に、雑巾がけをしないとなんだかソワソワしてくるのだ。
雑巾がけをすると歩いたときの感触も違うし、何より雑巾が汚れるので、「やっぱりこんなに埃がたまってた!」というのが目に見える。
そうすると、本当は掃除機じゃなく、全床を雑巾がけした方が確実にきれいになるよなぁ…やっぱり一番偉いのは拭き掃除だよなぁ…と思えてくるのだ。

しかし、当然ながら全床をしょっちゅう雑巾がけしていたら、時間や体力がいくらあっても足りない。
最近はクイックルワイパーみたいなモップタイプが主流だけれど、クイックルワイパーは、私には合わなかった。
乾拭き用のシートはつけたまま置いておくと見た目に汚らしいし(髪の毛とか埃がくっついて)、取り替える時に触るのが毎回ストレス。
そもそも主にしたいのは水拭きだし、そうなるとウェットタイプのシートを使うことになるのだけれど、これは広範囲を拭こうとすると一枚では足りないし、もったいないからとケチっているといつのまにか乾いてしまって、何度も無駄にしたのだ。
もらいものの電動タイプのモップも試したけれど、これは汚れはとれるものの、拭く速度が遅すぎて使えなかった。

そんな中、私がよく貢いでいるオンラインショップで、やたらと高いモップを発見。
スウェーデン発祥のMQモップというもので、水だけで埃や花粉、いろいろな菌まで除去できるというもの。
最初は「本当に?」と思ったし、そもそも「モップにこの値段?…ないわ」というので、気にはなりつつ全く購入は考えていなかったのだけれど、あるとき、そのショップで取り扱い終了するため在庫大幅割引になるというお知らせがあった。
その頃には、そのショップへの信頼感がかなり大きくなっていたのと(なにせ買って後悔したものがない)、夫や子どもが平気で(←と思える)床を汚しまくるのを拭いて回るストレスがMAXに達していたので、「よし!買うなら今だ!」と決心。

そうして半年使い続けてきたモップは、今や手放せないものになった。

水だけで汚れが落ちるというのは本当だった(菌は見えないから分からないけど)。
しかも、ゴシゴシこすらなくても、軽く動かすだけで汚れが落ちる。
乾拭きも水拭きも同じ布でできるから、2種類のシートを持つ必要がないし、洗濯できるから常にきれいをキープできる。
マジックテープでくっついているから、取り外しも、立ったまま足でできる。
そして、出しておいても見た目が嫌じゃない。
週1は布部分を洗濯するけど、洗濯500回に耐えるらしいので、ざっと計算しても十年近くはもつ計算になる。
何より、雑巾がけへのハードルがものすごく下がって、ストレスが大幅に軽減した。

相当使えることが分かったから、そろそろ洗い替えの布(まぁまぁ高額)も買おうかなと検討中。

食べられたサラバンド

いつも行くスーパーでお菓子コーナーを見ていると、特価の棚に見慣れないお菓子を見つけた。
「あずみ野 サラバンド」と書いてある。
地味な見た目にそのままスルーしそうになったけれど、何語か分からない不思議な名前が気になったのと、レトロなパッケージに「これはもしや、隠れたロングセラー銘菓の類では…」という直感が働いたので、とりあえず見てみることにした。

説明を見ると、「三拍子のスペインの優雅な踊り・曲(サラバンド)をホワイトクリームと生地で表しました」とある。
えーと…ますますよく分からない(笑)。
ただ、透明なパッケージだったので近くで中身を見ると、なんとなく味の想像がついた。
ウェハースよりやや硬めのせんべい生地とクリームが、何層かに重なってサンドされている。
これは、もしかしたらけっこう好き系かもしれない。

一袋買って帰って、おやつの時間に早速食べてみた。
一口食べると…予想通りの味だけど、予想以上においしい!
ほんのり甘い和の生地に、ほどよい甘さのクリームが口の中でちょうど良く混じり合い、しかも細長い形状が食べやすいので、「もう一個」「あともう一個」と手が止まらなくなった。
味は和洋折衷というか、小さい頃よく食べた神戸のゴーフルっぽい味だけれど、ゴーフルより生地が厚くて、クリームもしっかりしている。

こういう、地味な和の見た目をしている隠れた銘菓というのがたまにあって、見つけるとテンションが上がる。
浜松の「あげ潮」はその筆頭。
パッケージがレトロ(長年変わっていなさそう)なのもひとつのポイントで、地元で愛されてきたロングセラー感が感じられる。

家のお菓子箱に入れてしまうと、子どもたちが漁っているうちに割れてしまいそうなので、キッチンの片隅にひっそりと置いておいて、小腹が空いたときにちょこちょこつまむことにした。
見た目が地味だし、マイナーなお菓子だから、きっと他の家族にはスルーされるはず。

…と思っていたら、夫が在宅で私が外出していたある日、帰ってくるとサラバンドがかなり減っていた。

「あっ!サラバンドが減ってる!」と言うと、夫が「だってあんなところに置いてあったし」。
「ちょっと!私が見つけた隠れた銘菓なのに!」と言うと、「は?何言ってんの?昔からあるじゃん。むしろ懐かしいけど」と言われて、え!となった。
そうか。関東ではメジャーなお菓子だったのか…。

子どもたちも「何それおいしいの?ぼくたちも欲しい!」と言い出して、残り3個のサラバンドが突然争奪戦に。
あーあ…私がちょっとずつ楽しむ予定だったのに。

近いうちにまたあのスーパーに行って、数袋買い足してこなければ。