2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

初梅

梅の美しい季節。桜より梅見が好きなのは、 赤い毛氈の敷かれたお茶席や、甘酒の匂いや、いかにもといった感じでスピーカーから流れてくる琴の音に、 普段控えめな人が浮かれたような可愛らしさを感じるからかもしれない。今年の梅は、赤子にとって初めての…

寄らば大樹の蔭

大きいもののいいところは、 一部で何かが起こっても、それが全体のシステムにすぐ致命的に影響することがなく、バランスを保ちながら緩やかに変化していけることだ。「緩やかに」というのは、生命にとってとても大事なことだ。 咄嗟の、一瞬のことで命が失…

一年後の春

去年の梅の季節。 同じ場所を、夫と通って写真を撮った。 初めての妊娠を確認しに、初めて産科へ行った日のことだった。 同じように晴れていて、私は花粉症で鼻がむずむずで、妊娠初期のせいもあったのだろう、とても眠かった。 幸せな気持ちと無事確認され…

渦巻きのお菓子

春に引っ越してしまう友達が、4ヶ月の息子に会いに来てくれた。 引っ越し先の銘菓を持って。単身東京に来てもうすぐ6年。 会える距離に親しい友達がいてくれることは、いなくなると分かってから、心強かったのだと知った。変わらないものなど何もない。

camera eyes

子どもの頃から、フェンスを見るとやってしまう遊び。フェンスに顔をくっつけるようにして顔を遠ざけたり近づけたりしていると、 ピントがフェンスの向こうの景色に合ったり、フェンス自体に合ったりする。その、切り替わる瞬間の、目の眩むような感覚が好き…

なにがし文具店

子どもの頃、文具店が好きだった。 雑貨屋が好きな大人は、きっと子どもの頃文具店が好きだったと思う。一番よく通った近所の文具店は、とにかく落ち着かない店だった。 いま思うと子どもの万引きを警戒していたのだろう。 お店に入ると「ピロピロピロ~ン」…

a possible “I”

益田ミリの本が読みたくて。この作品の主人公は、35歳独身・彼氏なしのすーちゃん。 老後に不安を抱きながら、カフェ店長として楽しく働いている。そのままずっとすーちゃんの話かと思っていたらそうではなく、 すーちゃんの周りの、それぞれの事情を抱えた…

パンとスープがあれば

左手で赤子を支えながら、右手だけで食べられるメニューは限られている。 これならなんとか。二人で外食できるようになったら、子育ては大分楽しくなるだろうなぁ。

良きカレーの印

辛くないのに汗が噴き出る。 是れ良きカレーの印なり。

表参道

髪の毛を切りに表参道へ。産後初めての一人外出もやっぱり美容院だった。 そういうママは多いのだろう。 髪の毛が伸び放題だと、外出するのが億劫になる。 だから、産後初の美容院はいわば「これから外出するための外出」なのだった。晴れた日の気分の良さで…