新潟旅行記⑤二日目後半 時間が押せ押せの中ハッスルする

酒蔵から運転を交代し、次の目的地へ。

今回の行き先が燕三条に決まったとき、ストックバスターズ以外の行き先はほとんど行き当たりばったりだったのだけれど、直前になってふと「そうだ、新潟ならあそこに行けるかも!」と思い出した場所があった。
調べてみると新潟市内で、宿からも近い。
十年以上前に知った、女性二人のユニットが運営する生活雑貨のショールームで、新潟近郊の伝統産業を生かした商品のものづくりを提案・販売しているところだ。
その産業を継続させることをひとつの目的としているから、不当に安くするような無理な売り方はせず、商品は全国各地の取扱店やネットショップでも買えるものの、取扱店では限られた種類のものしか見られない。
何よりショールームがとても素敵と聞いていたので、いつか新潟に行くことがあったら訪ねてみたいな...と思っていたのだった。

既に決まっている予定と予定の間に割り込ませたから、ただでさえ時間が限られているのに、予定外の酒蔵見学&ガチャでもハッスルしてしまって、ギリギリもいいところ。
その後は(子どもたち的に)メインイベントである水族館があるので、ショールームにいられるのはせいぜい20分だ。

それなのに、側道に降りるポイントでミスしてさらに10分ぐらいロスしてしまった。
一日目でも戸惑ったのだけれど、新潟市内を走る自動車専用道路と一般道の接続が、とにかくややこしい。
知っていれば走れるのだろうけれど、三車線の道で「○○インターを左方向」というから左レーンにいたら、左に行った先で車線が増えて、またすぐに分かれ道。
「これどっちにいたらいいんだろ、とりあえず左?」と左に行くと(後で分かったところではここで右だった)、なんと左に大きくUターンする方向に行かされて、来た方向に戻るトラップ。
車線が多い上、分かれ道までの距離が短すぎて、咄嗟に判断ができない。
初めて通る人には不親切すぎる道に泣かされながら、なんとか目的のショールームに到着した。

子どもたちがぐぅぐぅ寝てしまっていたのと、短時間しかいられないので、私だけでサッと行ってくることに。
とりあえず目的のものがあって、それだけはと思っていたら、入った瞬間「これは、じっくり見なきゃいけないところだった...」としっかり時間を取らなかったことを後悔。
とはいえ、滞在中ショールームが空いているのはこの日しかなかったから仕方がない。

看板商品のひとつである室内用マット。
うちにもひとつ、お気に入りのがあるのだけれど、こんなに種類が揃っているのはショールームならではだ。

二階にも上がらせてもらったら、そこからの眺めがうっとりするほど私好みだった。

たぶんいようと思えば軽く一時間はいられたけれど、お目当てのものを買って(予定外のものもしっかりGET)、泣く泣く、それでも予定通り20分は店内を見てから、急いで車に戻った。

このあたりから天気が怪しくなってきた。
というか滞在中は基本曇天だったのだけれど、この日は夜になるにつれて雪になる予報で、それがパラパラ来始めたのだった。

15分ほど走って、海沿いの水族館、マリンピア日本海に到着。
着いた時点で閉館までもう一時間半を切っていたけれど、子どもたちはこれを楽しみにしているから、行かないわけにはいかない。

最初からじっくりではなく、ざっと全体を見る感じで回っていたら、イルカショーが終わった後のイルカプールにたどり着いた。
イルカショーは見なくてもいいけど、イルカは見たい。
飼育員さんたちがまだいたので覗いてみると、どうやら餌やりや訓練、健康観察が行われる時間のようだった。
獣医さんなのか、スタッフがイルカのお腹に何か管を入れたり、また別のところではジャンプの練習をさせたりしている。

ガラガラの観客席で見ていたら、イルカたちもなんとなくリラックスして遊びっぽく泳いでいるし、ショー以上に面白い。
「空いてるし、いろいろ見れるし、むしろいいじゃん!」と言いながら、しばし座ってゆっくり観賞した。

子どもたちはちょくちょくいろんな水族館に連れて行っているから、時間を意識しつつ、そこまで珍しくないものはスルーしながら館内を回った。
水族館の生き物の中で、長男はエイ、次男はクラゲが一番好きだという。
クラゲがなかなか出てこないから、次男はしびれを切らして「ポワワワワ~ン(←クラゲのこと)、みたい!」と怒っていた。

アオリイカがたくさん泳いでいる水槽があって幻想的。
他の水族館ではあまり見かけなかったのが「育成室」。
展示するまでの飼育コーナーといったところか。
熱帯魚マニアの人の部屋みたいでおもしろかった。

その中にさかなクンそっくりのフグがいて、「似てるね~」と言っていたら、なんとさかなクンが寄贈したフグだった。
犬が飼い主に似るとか、騎手が馬に似るとかいう、あの類だろうか。
しかも寄贈されたのはついこの間、今年の1月らしかった。

閉館ギリギリまで水族館を堪能し、表へ出たらまた雨雪は止んで曇天。
駐車場まで戻り、すぐそこの日本海を長男が見たいというので、水族館駐車場を出てすぐの無料駐車場(展望ポイントなのかな?)まで車を移動。
晴れていたら見渡す限りの水平線と思われる場所だったけれど、曇天で何にも見えない。

風もすごいので私はいったん車内に避難し、夫が交代に外に出たら、いつのまにかみぞれが降り出していることに気づいた。
風がすごいから波しぶきかと思っていたけど、それにしては激しすぎる。
夫と息子も車内に避難してきて、ドアを閉めて「すごい天気だな」と話していると、窓ガラスがあっという間に曇ってきた。

新潟の天気は、日が射したと思ったらすぐに曇り、曇っていたと思ったら急にすごい雨になったりと、とにかく変わりやすいことを今回知った。
昔福井の友達の実家に遊びに行ったとき、同じような変わりやすい天気に驚いていたら、「北陸はいつもこんなんよ」と、驚いているのを面白がられたことを思い出した。
新潟も北陸なんだな~。

この日は夜にかけて雪が止みそうにない予報だったので、もう外で食べるのは止めにして、このまま買い物をして宿で食べようということになった。
スーパーのチョイスはもちろん、満場(夫婦)一致でウオロク。
天気が悪すぎるので、水族館と宿を結ぶ線から大きく外れないエリアの支店を探すと、すぐそばに一店舗あった。
行ってみると、同じウオロクなのに昨日の店舗とはまた微妙に違う品揃え。
「今日は外食する予定だったから、まぁいいでしょう!」と豪勢なネタの寿司や刺身を買いまくった。

宿に着いたら昨日と同じく先にお風呂を済ませ、今日はもう最初から寝る部屋がある方の建物でごはんを食べることに。

我が家では、お寿司はじゃんけんで順番を決めて好きなネタを取っていくシステム。
今回は子どもが取ってよいマグロは赤身だけという制限を設け、さらに私はじゃんけんで夫より順番が先になったので、大トロ中トロを盛りまくり。

この日も新潟の魚のレベルの高さにいちいち驚きながら、夜は更けていったのだった。