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命日

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風邪で寝込んでいる中でも、その日付はぼんやりと頭の隅に引っかかってきた。
4月18日。

彼は私にとって初めてできた年上の友人だった。

彼の好きだったクラシック音楽が流れる、高台の上品な住宅地。
お葬式の日はいわゆる花冷えで、
桜が満開だったような記憶があるのだけれど、あれは八重桜だったのか。
あんなに悲しいお葬式はなかった。
いや、人生であんなに悲しいことはなかった。
喪主挨拶の最後に突然叫ばれた「Nちゃん、愛してます」という若妻の悲鳴を、私は一生忘れられないと思う。
突然の病に倒れた、彼はまだ31歳だった。

あれから今年で15年。
あれ以来、「人は簡単に死ぬ」という思いを持ちながら生きてきた気がする。
人はそうそう簡単に死なない、という気持ちもあるけれど、
それでも死ぬときはあまりにも簡単に死ぬ。
それは彼が教えてくれたこと。