ムジラー歴20年余

無印良品週間が始まった。

定期的にパトロールしていて、今は別に欲しいものがないのだけど、MUJIカフェの食事メニューがリニューアルされたので立ち寄り。

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このリニューアルは大歓迎。
これまで「ホットデリ」「コールドデリ」それぞれから何品、と決められていたのが、どちらからでも選べるようになった。
かつ、お味噌汁が標準仕様になった。
いつも汁物が欲しいなぁと思っていたので、これもとっても嬉しいリニューアル。
そしてごはんの種類に、炊き込みご飯が加わっている!
なのにたぶん、値段は変わっていない(気がする)。

MUJIカフェ、なんとなくしばらく遠ざかっていたけど、また通ってしまいそう。


無印良品に初めて出会ったのは、忘れもしない、高3の秋だった。
通学路の大きな駅ビルが建て替えられて、広いフロアの無印良品が新しく登場した。
初めて見たそのインテリアディスプレイは、高校を卒業したら絶対に家を出て一人暮らししたいと強く思っていた私にとって衝撃的で、住みたい部屋のイメージがそこからどんどん膨らんで、それを実現するための大学受験のモチベーションはますます上がったのだった。

結局一年の浪人を経てようやく叶った一人暮らしで、私は無印のシングルベッドを手に入れた。
そのベッドはなんと足掛け19年、結婚するまでずっと使っていた。
結婚した後は、入れ替わりにまた無印でダブルベッドを買ったから、私は人生の半分以上を無印のベッドで寝ていることになる。
同じ頃買ってもらった身支度用の大きな無印卓上ミラーは、鏡台というものを持たない今も現役で使っていて、こちらも人生の半分以上。

親よりも、きょうだいよりも、もちろん夫や息子よりも、長いつきあいになった。

優しい光

秋に葉山の美術館でやっていたのに行けなかった「アルヴァ・アアルト展」を観に、東京ステーションギャラリーまで行ってきた。

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東京ステーションギャラリーには初めて行ったけど、ここの建物自体がとてもよかった。
さすが旧東京駅舎。

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アアルト展は設計図とかけっこう専門的なものの展示が多くて、実物展示は思ったより少なかったけど、その中でも代表作のサナトリウムが印象的だった。

穏やかな森の中に建つ、結核療養病棟
病人にとって、静かな音環境や眩しくない光が重要だという考えのもとに設計された病室は、ほんとうに穏やかで、私は人生の終の棲みかにしたいなと思えるほどだった。

ヘルシンキに行ったときに訪れた、アアルト自邸のことを思い出す。
郊外なので行けたら行こうぐらいに考えていた場所だったけど、ここはほんとうに行ってよかった。
アアルトの家は優しい穏やかな自然光に満ちていて、職住一体の家の中にある仕事場は、それ以来私の理想の仕事場イメージになった。

光というのは、思っている以上に人間の無意識に大きく影響しているのかもしれない。

はるの花

スギ花粉症がピークを迎えている。
脱水症状になるんじゃないかというくらいの鼻水が始終出ていて、ずっと口呼吸だから喉も渇くし、目は7割ぐらいしか開いていない。

スギのないところに移住したい。

数年前、転職のタイミングで3月にフィンランドに行ったら、滞在中とその後しばらく花粉症がだいぶラクだった。
「避暑」ならぬ「避粉」は効果あるかもと、翌年は同じ時期に沖縄に行ったら、やっぱり同じくラクだった。
花粉症の時期はテレワークが認められている会社も出てきているらしいけど、それ、絶対やった方がいいと思う。
フルタイムで仕事していたときは、2,3月は本当に通勤と職場にいるだけで精一杯で、私の机にはティッシュ一箱と満杯のゴミ箱が常備され、とても使い物にならなかった。

スギ花粉症は、切実に公害認定されるべきだと思う。

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大好きなハクモクレン
毎年、鼻水と鼻の詰まりと頭の重さに苦しみながら愛でている。

町中華

乗り換えの下北沢でお昼時に時間があったので、ひとりランチをすることに。

下北沢でランチすることなんてほとんどないから、まずはランチスポットを検索。
でも「下北沢 ランチ」とかで検索すると、最近はあてにならないまとめサイトみたいなのばっかりが出てきてしまう。
地元の個人の食べ歩きブログみたいなのが一番信頼できそうなんだけど、急いで探しているときにそういうのにはなかなか行き当たらない。

どうしようかな...とGooglemapを見ていたら、自分が過去につけた☆印に、見慣れないお店を発見した。
記憶にないけど、たぶんSNSか何かで気になってマークしたのだろうと店名で調べてみると、美味しそうな中華。

そうだ、中華があった。

ということで、訪れたお店がこちら。

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ラーメンとチャーハンが半分ずつのセットが一番有名らしいので、お腹も空いていることだしと、それをチョイス。
チャーハンが赤いのが特徴らしい(味は普通のチャーハン)。

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食べてる間に地元の人らしい老夫婦が入ってきたりして、あ、よかったここにして。と思ったり。

そういえば、知らない町でも中華ならあんまり当たり外れがないよなぁ...とふと思う。
「地名 カフェ」とかで検索してしまうと玉石混淆でいっぱい出てくるけど、
「地名 中華」で検索したら、当たりのお店に行き着く確率が高そうな気がする。

そんなわけで、これから詳しくない町でランチの検索をするときは「地名 中華」で行こうと思ったのだった。

朋あり遠方より来る

3月3日のちらし寿司ならぬ、手巻き寿司。
刺身の盛り付けが苦手なので夫にお願いしたら、期待以上にうまく盛り付けてくれた。

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なかなか会えずにいた会いたい人たちと、うちで久しぶりの集まりだった。
遠い人は二時間ぐらいかけて。
「朋あり遠方より来る、また楽しからずや」とはこのことであるなぁと、しみじみ楽しく美味しいお酒だった。


学生の頃、仲良くしていた男の子の下宿に、夜遅く用事で立ち寄ったことがあった。
その下宿はまさに昔ながらの下宿で、築6,70年は経とうかという木造二階建て。
二階に各学生の部屋(もちろん和室)が四部屋、一階には共同トイレと学校の水道みたいな水場があるのみで、お風呂はもちろんなし、靴は共同玄関で脱いで下駄箱に、みたいな造りだった。

そのトイレの横に、隣の大家さんちにつながる小さなドアがあった。
大家さんはものすごくお年寄りのおじいさんだと聞いていたのだけど、
私が立ち寄ったまさにそのときに、その小さなドアが急に開いて、仙人みたいな髭をはやした腰の曲がったおじいさんが現れたのだった。

夜遅かったことや、男子だけの下宿だったこと、そして何より、そんな仙人みたいなおじいさんがどういう反応をするのかまったく読めなくて、何か大きな声で叱られるんじゃないかと咄嗟に身を硬くしたのだけれど、おじいさんの口から出てきたのは、意外な言葉だった。

「朋あり、遠方より来る。また、楽しからずや...」

そう呟きながら、おじいさんはにこやかにゆっくり私の横を通りすぎ、玄関から外に出て行った。

あれ以来、この言葉を聞くと必ず、あのおじいさんのことを思い出す。

その下宿は何年か後に取り壊されてしまった。
だから、あのおじいさんも、あれから遠からずして亡くなったのじゃないかという気がしている。
もしかしたら、百歳ぐらいだったのかもしれない。

なんだか年々、本当の仙人だったような気がしてくる。

いつか懐かしく思う日

2月の末、用事でうちに一泊した義母と「魚金」へ。

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都内にチェーン展開しているこのお店、
とにかく刺身のボリュームがすごくて、三年ほど前に夫に教えてあげたらとても気に入って、また行きたいと言っていたのがようやく実現したのだった。

刺身でお腹いっぱいになるくらい食べて、日本酒も美味しくて、全員飲む人の夫、義母、私は大満足。
息子もまず間違いなく、飲めるクチだろうな。

ごはんの前後に、義母の眼鏡の度が合わなくなってきたというので見に行った。
夫たっての希望で、私に見立ててほしいとのオーダーが入り。
昔夫に眼鏡を見立ててあげたら、他人の見立てが新鮮かつ思いの外よかったようで、義母のもぜひ、というのだった。

人の買い物に付き合うのは好きな方なので、私もちょっとワクワク。
いくつもかけてもらっては外し、遠目の写真をとったりして、ごはんの間その写真を見ながらそれぞれいいと思うものに投票、の末、最後は義母も納得の一品に決定した。

夫の母親とこうして過ごした時間を、いつか懐かしく思い返すこともあるんだろうな。
と、ふと思った一日。

ひさびさ上野

上野の国立科学博物館でやっている「千の技術博」、会期も残り僅かになったので、夫と駆け込み観賞。

夫と違って技術的に細かいことはちんぷんかんぷんだったけど、昭和以降の工業製品なら、レトロ家電を見てる感じで楽しめた。

Nikonの長尺フイルムが入るというカメラ、今見てもかっこいい。250枚撮れるらしい。

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初期の扇風機。
ワイヤの部分の形が、なんで波々なんだろう?風をイメージ?
とか考えるとちょっと可愛いな。

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懐かしの電話たち。

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ポケベル(めっちゃ古い時代の)を見ていた中学生か高校生の女の子が、「わぁ、ポケットベル!これってお母さんの時代だよね?」と言っているのが聞こえてきて、ちょっと衝撃を受けるアラフォー世代。
思えばポケベルってほんの数年だったなぁ...。

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『沈むフランシス』
http://coffeesofa.hatenablog.com/entry/2018/11/11/163933
に出てきたタービンがいきなり置かれていたので、「おぉ!フランシス!」と知り合いのような声をあげてしまったり。

会場には高齢男性が多かった。
複数で来ていて、所々で立ち止まっては「回転数が...」とか言ってるのが聞こえてきて、いかにも高度成長期を担った世代!という感じ。

なんとなく、山崎豊子の小説を久しぶりに読みたくなった。