ルート・ブリュック 蝶の軌跡

夫休みの日、私ひとりで出かけた用事と用事の合間に、姉から教えてもらった「ルート・ブリュック」展を観に今年二度目の東京ステーションギャラリーへ。

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ルート・ブリュックは陶磁器メーカーアラビア社の専属アーティストだった女性で、フィンランドを代表するセラミック・アーティスト。
フィンランド好きのくせにルート・ブリュックの名前も知らなかったけど、見たらいっぺんに大好きになってしまった。

厚みのある陶版に飴のような釉薬、見る角度によって色合いが微妙に変化して、本当に美しい。

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「ライオンに化けたロバ」。
版画の技法を応用しているので、色違いの作品がいくつかあった。

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ヴェネチアのリアルト橋。
めちゃくちゃ好みの色合い。

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「お葬式」という作品。

他にも、葬列を描いた作品や死を思わせる暗い色合いの作品がけっこうあったのだけれど、
そのどれもが、暗い中にも複雑な色合いが潜んでいて、ずっと見ていても見飽きないのだった。

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絵でも音楽でも写真でも文章でも、「自分もやってみたくなる」というのは、私にとって「いい芸術」のひとつのバロメーターになっている。
それを見ていると(聴いていると)、むくむくと「自分もやってみたい!」という気が湧いてくることが時々ある。
いい歌い手に出会ったときは、自分もそんな風に声を出して歌いたくなる(歌えるかどうかは別にして)。
写真でも、文章でも、「こうしてはいられない(自分もやりたい!やらなきゃ!)」とそわそわしてくるものというのが、ある。

そういうむくむく、そわそわを、なんとなく刺激される展覧会だった。

いつか、子どもと一緒にアート教室に通うのがちょっとした夢。

西伊豆旅行紀(後半)

旅行二日目の朝は快晴。

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でも風が強かったようで、予定していた堂ヶ島洞窟めぐりは、船が欠航していることが判明。
せっかくなので陸からだけでも景色を見ることにして、ひとまず堂ヶ島方面へ。

途中の恋人岬。
カップルで書く絵馬とか、鐘を鳴らすスポットとか、そこはかとなく昭和感漂う観光スポットだった。

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恋人岬で地元の人に聞いたお店でランチ。
道を調べていたら、堂ヶ島まで行くと帰りの時間が少しタイトになることが分かり、堂ヶ島はまた次の機会にということで行き先変更。

東京方面に戻りつつ行ける場所を検索しながらドライブしていたら、だんだん天気も怪しくなってきた。

ロープウェイに乗る伊豆の国パノラマパークか、吊り橋を渡る三島スカイウォークか迷った末、パノラマパークの入場料は高い(1800円)ということで夫と意見が一致。
自分で歩いた方がいいよね、ということで三島スカイウォーク(1000円)になった。

閉園1時間前、もう終わりかけの雰囲気が漂い始めたスカイウォークに到着。
富士山は見えなかったものの、ちょっと神々しい景色。

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時間があればもっとゆっくり楽しめそうだったけど、吊り橋だけ往復して閉園となった。

あとは一路、東京へ。
途中、通る予定の高速がちょうどこの日から工事で通行止めになっていて焦るも、時間ギリギリにレンタカーを返却。

一泊だけど、まずまずの満足旅行だった。
今回行けなかった堂ヶ島含め、今度は南伊豆に行ってみたいな。

西伊豆旅行紀(前半)

西伊豆へ、十ヶ月ぶりくらいの家族旅行。
レンタカーを借りて行くので、車ならではのエリアに行きたいという私の希望で、東でも中でもなく西伊豆になった。

高速を降りて、まずは沼津漁港へ。
最終日だけどGWとあって、まずまずの賑わいだった。
しらす好きの私は三色丼をチョイス。

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ゆっくり旅にしたので、内陸の自動車道ではなく、海岸沿いの道を走っていく。
いくつか展望スポットがあるので、時々車を停めて写真を撮ったり歩いたり。

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ここは、写真では見えない下の方に、もともと海だったところが砂州でつながったサロマ湖のような成り立ちの池がある。
展望台から少し降りると空気が変わって、ちょっと「陰」な雰囲気の林に。
草の生えた小山みたいなものが見えて、何だろうと近づいてみたら、なんと古墳だった。
石棺もあったりして、なんだかリアル。

次の停車スポットは、一転して「陽」の空気が漂う、風の気持ちのいい場所だった。
港に出入りする船や、町が見える。

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さらに車を走らせて、16時半頃、宿に到着。
ちょうどこれから夕陽の時間帯。
古い露天風呂付きの部屋だったのだけれど、洗い場がなかったので、まずは大浴場でササッと入浴を済ませて、部屋に戻ってから夕陽を堪能。

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角度的に富士山は見えなかったけど、遮るもののない西の空と海は、旅情を盛り上げてくれるのに十分だった。

駆け抜けたゴールデンウィーク

今年のGWは、例年になく出ずっぱりの10連休だった。

前半は息子と二人、新幹線に乗って姉の家へ。
帰ってきた翌日から、一年に一度会えるくらいの友達が、新幹線に乗ってうちへ三日間遊びに来てくれた。

渋谷ヒカリエで待ち合わせ、まずは友達念願のスナ・フジタ展へ。

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途中で息子がバッチリ寝てくれたのをいいことに、数十分堪能してから、d47カフェでまったりとお茶。
ここからの風景も、数年前とは随分変わった。

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翌日は、4月にオープンしたばかりの銀座無印へ。
めちゃめちゃ混んでいたけど、さすが世界旗艦店、狭い店内なのにベビーカー入店でもいろんな配慮が行き届いていた。
MUJIダイナーの店員さんたちは、(勝手な想像だけど)全国の店舗から集められた精鋭なのでは?と思うくらい、対応も愛想も良く、余裕のない感じの人が皆無だった。
一時間以上待ったけど、食事も子どもと一緒に食べられるようなメニューで、野菜たっぷり、大満足。

友達との最終日は、実家から帰ってきた夫に息子を任せ、やっと身軽なおでかけ。
コトコト小さな電車に乗って、松陰神社前のメルシーベイク。
相変わらず美味しかった。

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最後は表参道。

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ミナペルホネンcallをぶらりとして(来月の誕生日に狙っている時計の実物をゆっくり見れた!)、友達の買い物に付き合って、東京駅まで送って、お開きとなった。

休む間もなく、翌日からは家族で西伊豆一泊旅行へ。

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西伊豆旅行は、また追い追いまとめる予定。

夢のスナ・フジタ展

GW中盤は、新幹線で遊びに来てくれた友達との連日お出かけ。

初日は、ちょうど会期に当たっていた「スナ・フジタ展」を見に、渋谷ヒカリエへ。
以前、先着販売であっという間に売れてしまって、作品すらろくに見られないことがあって以来足が少し遠のいていたけれど、今回は会期後の抽選販売で、見るだけなら作品は全て見られるとあって、いそいそと出かけたのだった。

足を踏み入れた瞬間から、夢のような世界。

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いつになく作品数も多くて、友達と二人、ため息をつきながら写真を撮ったり見入ったり。
眼福とはこのことよのぅ...。

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水族館を、魚の側から見たような不思議お茶目な作品とか。

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今回は、器だけでなくボタンの作品もあった。
展示の仕方にも、またうっとり。

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こちらは比較的リーズナブルとあって、何点か抽選に申し込み。
どれもこれも欲しいけど、全部当たってしまうとすごい金額になるので、希望の中からひとつだけ当たる設定をチョイス。

抽選結果は二週間後くらい。
当たるといいなぁ...。

令和初日のお狐さま

GW前半は姉の家へ。
平成から令和への年明けは、姉の家で迎えたのだった。

令和初日、たまたま前から行きたいと思っていたお稲荷さんまで足を延ばすことに。

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令和元日(?)の御朱印をもらう長蛇の列を横目に奥へ奥へとお詣りすると、そこは、京都の化野念仏寺を彷彿とさせる、お狐さまの森だった。

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門前町で、お目当てのいなり寿司と蕎麦を食べて、大満足の令和はじめ。

ママを楽しむ

久々の大都会、六本木。

息子と同学年の子どもたち&ママで、「ムーミン展」を見に行ったのだった。

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都心で働いていた頃はいつでも行ける気軽さがあったのに、動き回る子連れ&大荷物で、電車とバスを乗り継いで...となると、すっかり足が遠のいてしまっていた。

雨が降りそうだったこともあり、今回初めて、ベビーカーを使わずに徒歩だけで息子を連れ歩いた。
どうなることかとドキドキだったけれど、六本木ヒルズでベビーカーを借りて、その間にうまい具合にお昼寝をしてくれたので何とかセーフ。
念のため抱っこひもも持って行ったけれど、着替えや水筒やおもちゃやオムツが入ったパンパンの荷物を持ちながら、14kgになろうとする息子を...なんて、絶対無理だった。

途中、バスの座席で荷物と息子を抱っこして身動きひとつ取れないでいたら、横に立っていた年配の女性が「荷物、持っててあげる」と言って、重い重いリュックを手で支えてくれた。
バスから降りるときも、靴を脱いでしまっていた息子を見て「いいから、ゆっくり履かせて来てあげて。私、これ持ってそこで待ってるから」と言って、荷物を持ってバスの出口で待っていてくれた。

妊娠中に席を譲ってくれたのも、子育てを経験した感じの女性が圧倒的に多かった。
理解があるのもあるけど、たぶん、手を差しのべることにためらいがないんだと思う。
「絶対役に立つはず、ありがたいはず」というのを知ってるから、体がサッと動くというか。

自分も、将来そんなおばちゃんになるだろうなと思う(笑)

今回、ベビーカーを押すのでなく、息子と手をつないであちこち歩いていたら、不安(いつ寝てしまうか、抱っこ!と言い出すか)はあったものの、とても楽しかった。
ベビーカーだといつも顔が見えないけど、一緒に歩いていると、客観的に小ささが分かる。
まだ自分が子どもを持てるかも分からなかった頃、街を歩いている小さな子ども連れのママを見て、「いいなぁ...」と思っていた。

その幼児連れのママに、今、なってる。

そう思ったら、ぷくぷくの肉付きいい小さな手を、改めてギュッと握りしめてしまうのだった。