花粉まみれのにちようび

予想以上に晴れて、風の強かった日曜日。
歩き始めた息子を連れて、新宿御苑へ。

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着く前から鼻がどんどん苦しくなり、頭もボーッ。

毎年一日は、「あの日は花粉症が心底辛かった」と記憶に残る日がある。
今年は間違いなく、この日がそれになった。

風の強い晴れた春の日は、外に出てはいけない。

路地裏コーヒー

コーヒー1杯、残り15分の昼休みにどうしても飲みたくて、立ち寄った路地裏の小さなカフェ。

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コーヒーを淹れるおねえさんと、焼き菓子を作って置かせてもらっているらしいおねえさん。
コーヒーおねえさんが焼き菓子おねえさんに、確定申告について質問している。

焼き菓子おねえさんは副業としてお菓子を作って売っているらしく、
今年は売り上げが20万円を超えそうだから、来年は確定申告するのだそう。

焼き菓子おねえさんは、いつかお菓子を本業にするんだろうか。
うまくいくといいな。

なくなる風景

銀座線、渋谷駅。
5月に、線路の移設工事が行われるみたい。

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いつか変わってしまうものを撮っておきたい。
人や、景色や、室内を。
そういう写真の方が、後で見たとき「いい写真」になる。

『ガールズファイル』

柴崎友香の、本屋さんではあんまり見たことない本が図書館にあったので、早速借りてみることに。


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2005年前後に20代~30代前半だった女の人たちを主人公にした、前半インタビュー、後半短編小説、という造りの一冊だった。


一番最初に柴崎友香を読んだときから一貫して好きだったのは、「一人(独身)で働きながら暮らしてる女の人の楽しさ」を、あらためてしみじみと実感できる...というところだったのを思い出した。


仕事帰りに誰かと行ったイタリアンレストランで、ワゴンに乗せられてきた新鮮な魚を見せられてテンションが上がったり、かごに入ったパンを食べながら赤ワインをぐいぐい飲みつつ話したり、相手と話しながらも他のテーブルの気になるカップルやサラリーマンに気をとられたり。


仕事帰りに御堂筋線のホームで偶然同級生と会って飲みに行くとか、大阪にいたらほんとにありそうで、あぁ、大阪で働いてたらこんな風になってたのかな、とちょっと思ったりした。

実際、仕事帰りにばったり会って、そこからよく会うようになった同級生もいたみたいだし。


自由になるお金があって、自由になる時間もあって、平日の、仕事帰りに誰かと飲みに行くことが、本当に楽しかった。あの頃。

スツールは最強

息子が離乳食を食べ始めた頃から、キッチンにスツールを置くことが多くなった。

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家事の途中にちょっと腰掛けたいとき、
以前はソファまで行っていたのだけれど、私が座ると息子は、用事が終わったと思って寄ってくる。
そうなると、次立ち上がるときが泣かれて大変。
おやつを食べるにも、めざとく寄ってきて自分にもくれと訴える息子の前では、なかなか食べられない。

そんなわけで、こっそりおやつを食べたいときや、ちょっとだけ座りたいとき、スツールが大活躍している。

先日の親子会でも、実は同じようにキッチンにスツールを置いているママがいて、「やっぱりそうなるよね?!」と笑ってしまった。

世のおかあさんたちは、きっとかなりの割合で同じことをしているんじゃないか。

みっしり

『光の犬』を読み終わった。

帯にあった「読後、しばらく黙っていたくなる小説だ」という言葉そのままの、静謐な余韻が続いている。

 

大阪にParis hという大好きなパン屋があって、中でもドライフルーツやナッツが詰まっている系のパンが本当に美味しいのだけれど、

そこのパンを買っていつもびっくりするのは、その重さ。

とにかく「みっしり」している。

噛めば噛むほど、生地の味わいも、詰まっているフルーツの味わいも増す。

 

『光の犬』を読んでいる途中、何度となくそのParis hのパンを思い出した。

著者の他の本もそうだったけれど、本当に「みっしり」した小説だった。

 

 

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読み終わって何週間か経ってから、不思議としばしばよみがえってくる部分がある。

 産婆となった登場人物が、ある医者の元へ修行に行き、そこで医者に言われた言葉。

 

「音ははやさだ。はやさが音になるといってもいい」

 

妊婦に与える白湯を急いで持ってきた彼女に、妊婦が帰った後で医者が注意するのだ。

「分娩にもっともふさわしくないのは、はやさなんだ。 もちろん、分娩にかぎらない」

眠っている赤ん坊を起こすには、窓や障子をすばやく開け閉めするだけでいい。赤ん坊にとって、はやい音は不快である。

 

一歳の息子の昼寝をできるだけ引き延ばそうと、出入りする戸をそーっとそーっと開け閉めするとき、毎回のようにこの言葉を思い出す。

本当に、音ははやさだ。
そして、眠っている赤ん坊を起こすには、窓や障子をすばやく開け閉めするだけでいい。本当に。

描かれていた産院の風景は、静かで、ほの暗く、いかにも落ち着いてお産ができそうな場所に思えた。

もしもう一人産めることになったら、こんな産院で生んでみたい気がする。