この冬、牛スジ肉を茹でるのにハマっている。
以前、おでんにスジ肉を入れようとスーパーで探したけれど、これがまぁ置いてない。
肉屋を数軒回ってみたけれど、これもまた、ない。
あっても100gとか。
ある肉屋では「牛スジは人気だから予約制になっている」と言われてびっくり。
関東だから置いてないのかと思ったけど、人気なんだ。
ともあれ、それ以来牛スジを見かけるととりあえず買うことにした。
下茹でしておけば冷凍保存もきくと分かったので、出会ったときに大量に買って茹でておく。
ちょっといい目の肉のスジだと、普通の牛肉より断然安い値段で、すごく美味しい料理ができるのだ。
その茹でる作業が、楽しい。
面倒くさいと思う人もいるだろうけれど、私には何とも楽しい。
たぶん、食材を調理して、口に入れられる状態にするプロセスが好きなのだ。
料理が好きというより、下ごしらえの部分が好きなのだと気づいたのは、結婚してからだった。
ただ、下ごしらえだけでは料理が完成しないから、そればっかりに時間をかけているわけにはいかないんだけど。
高校生のとき、「料理の鉄人」を見るのが異様に好きだった。
それで自分は料理に興味があるのかと思っていたけれど、
今思えばたぶん、ピカピカの食材を、切ったりつぶしたり火を通したりして、加工していく調理を見るのが、たまらなく好きだったのだと思う。
最終的に完成した料理の試食や勝ち負けにはそれほど興味がなくて、あの、制限時間内に多くの食材をいろんな方法で調理していく部分だけを、ずっと見ていたかった。
同じように、たとえば山から伐り出した生木の皮をはいで、木材に加工していく作業を見るのなんかも、すごく好きだったりする。
今回茹でたお肉は、半分は牛スジ大根に、もう半分は牛スジカレーになる予定。