年末関西一人旅③

大阪へ来たのはある用事があってのことで、二日目はほぼそのためだけに予定を空けてあった。
ただ用事は午後からだったので、せっかく大阪へ来たからにはそれっぽいところでお昼を食べようと、乗り換えがてらなんばで一旦降りることにした。

向かったのは、「肉吸い(肉うどんのうどんなし)」で有名な「千とせ」。
昨日京都で食べたかったうどんが大行列で食べられなかったから、せめてものリベンジをと思ったのだ。

しかし、年末のなんばを甘く見ていた。
千とせに着いたのは開店の少し前だったけれど、またしてもすごい列。
それでも、メニューがうどんだから回転も早いんじゃないかと期待してしばらく並んでみたものの、列の進むスピードと次の予定までの時間を計算すると明らかに間に合わなかったので、急遽別の店へ移動することに。

東京でいう合羽橋、すなわち大阪の「道具屋筋」を抜けて行く。
そして着いたのがこちら。

大阪のソウルフード、551の豚まんだ。
本店にはレストランがあって、ここでも席に着くまでにかなり並んだけれど、席数が多かったおかげでまずまず回転は早かった。

豚まんは必須なので、あとはスープ(酸辣湯)にして、急ぎ気味に食事。
辛さと熱さで身体がほどよく暖まった。

551を出て、一瞬迷ってから、目と鼻の先にある「りくろーおじさんのチーズケーキ」本店へ。
子どもたちへのお土産に新大阪駅で買う予定だったのだけれど、この人出を見ていると、駅の売り場は大行列に違いない。
だったらまだこっちの方が空いているだろうと行ってみたら、大正解。
少しは並んだものの、すぐに買うことができた。
でも、チーズケーキが800円以上になっていたのにはびっくりした。
私が知っていた頃は、ワンコイン500円で買えるホールチーズケーキだったのだ。

とにもかくにも、子どもたちへのお土産を確保できたのでホッとひと安心。
次のメインの用事は三時間ほどで終わり、新幹線に向かう乗り換えの大阪駅に着いたのは、夕方4時頃だった。

私のよく知っていた時代とは様変わりしてきれいになっている大阪駅
大阪で一番大きな駅のくせに、あの頃は天井の低い入り組んだ地下通路ばかりの、すすけた冴えない駅だった。
十代までを過ごした大阪の町をあちこち歩いたせいか、夕陽を受けた景色が妙にセンチメンタルに感じられる。

新大阪駅は案の定混んでいた。
でも上りの新幹線はまだけっこう空席があって、551の豚まんの行列に30分ぐらい並びながら、スマホで予約変更できる新幹線チケットを早い時間で取り直し、予定より一時間以上早いのぞみに乗り込んだ。

帰りの新幹線は行きと違って至って平和。
三列シートの通路側で隣は空席、二つ隣も感じのいい青年で、会えなかった友人にLINEを送ったり、夫に帰宅時間をLINEしたりしながら、リラックスして過ごせた。
東京駅が近づいてくると、少しホッとしている自分に気づく。
あぁ、今はもう東京がアウェイではなくホームになってきているんだな...と思った。

そんな、2022年の年末だった。