summer vacation

「世の中で好きな場所」5本の指に入る空港。
今回は国内線、そして自分が旅に出るのではなく友人のお迎えではあったけれど、せっかく好きな場所に行くので、飛行機到着の一時間ぐらい前に羽田入り。
小一時間、ぶらぶらとウィンドウショッピングをしたり、旅する人々を眺めたりして過ごした。

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夏休み、お盆も近い時期とあって、羽田空港はなかなかの混雑っぷり。
そのせいなのか、それとも昨今の風潮なのか、空調がかなり控えめで、なんだか夏のヨーロッパ旅行や北海道旅行から帰ってきて飛行機を降りた瞬間の、げんなりするような湿気を思い出した。
友人をお迎えする前から、バカンスの終わり気分を連想してしまった...。

関空-羽田便とあって、お迎えゲートにはたくさんの人。
中には子どもだけでおじいちゃんおばあちゃんに会いにきたらしいお孫たちもいて、航空会社の人に付き添われてゲートを出てきたら、おじいちゃんおばあちゃんがワッと笑顔になって写真を撮りまくっているのが、なんとも微笑ましかった。

読み終えないと落ち着かない

時々書評とかインタビューを見かけて気になっていた、姫野カオルコ『謎の毒親』。
図書館で見かけたので借りてきて読み始めたら、止まらなくなって、一気に最後まで。

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そうだった。
姫野カオルコの本はいつも、読み始めたら他のことが気もそぞろになるくらい続きが気になって、読み終わるまで落ち着かず、結局一気に読んでしまうのだった。

それにしても、またしてもすごい本だった。

著者自身が親から受けた謎の言動の数々を、投稿相談と回答という形で小説仕立てにした、トリッキーな作り。
とは言え、相談内容(つまり親から受けた言動)は全て事実らしい。
それがまぁ、本当に何とも言えない、虐待というには理解に苦しむ、タイトルに「謎の」とつけざるを得ない、あまりにもなエピソードの数々なのだった。

こんな壮絶な訳のわからなさの中で、よくぞまともな精神を保って生きてきた、よくぞ生き延びて作家という仕事にまで就いた...と深く敬意を表したくなるような、そんな小説だった。
回答してくれる相談先の設定も、いやもう本当にこれどこから思いつくのかというような設定で、その設定すらも実話なのではないかと思えるほどリアリティがあって、かつ、このうえなく温かいのだった。

『彼女は頭が悪いから』も一気に読んで余韻がすごかったけど>>ひさびさカオルコ - 珈琲とsofaのあるところ<<、この『謎の毒親』も、じわじわと長く余韻が残りそうな気がしている。

ワースト1の宿

体力維持のため、トライアスロンに年一回出ることを目標にしている夫。
妊娠して以降はさすがに一人で行ってもらっていたものの、今年は夫たっての希望で子連れで同行することになった。
せっかくなら旅行を兼ねてということで、開催地近くの伊香保に宿をとったのだった。

私にとっては初めての、夫にとっては四半世紀ぶりの伊香保
しかし、大会受付が始まってしばらくしてから参加を決めたために、宿が軒並みあいておらず、シングルの部屋に大人二人と幼児一名という部屋しか取れなかった。
着いてからキャンセル部屋が出てないかとフロントで訊いてみるも、やはり満室。

そこまでは仕方なかった。
が...部屋に入ってまず、異様なほどの煙草臭さにびっくり。
これは、禁煙喫煙の別が書いていないのをよく確認せずに予約した夫が悪いけど、それにしても...という臭さ。
リセッシュが置いてあったけど、いくらかけても何の意味もなさない。
さらにびっくりしたことに、部屋にトイレがついていない...。
これはフロントで聞いて初めて分かったことで、予約時の注意事項にも書いてなかったらしい。
事前に分かっていたら、トイレトレーニング中の子連れで行くのは諦めてたところ。
さらに、全然効かない年代物の据え付けエアコンがあるだけで、廊下の方が涼しい有り様...。

独身時代、ゲストハウスを含めいろんな宿に泊まってきたけれど、ここはワースト1と言ってよかった。

あまりにひどいけど、他の部屋はあいておらず、近隣のホテルもおそらく満室。
翌日は、レース中子連れでいられる屋内の場所がないのでホテルでいる予定だったけれど、この臭いと暑さではロビーにいた方がマシというレベルなので、急遽歩いて行ける日帰り温泉を探して、そこで子連れ待機することにしたのだった。

それにしても、わざわざトイレのない客室を作った意味が解せないな...と考えていたら、あ、と思いついた。
そのホテルは古いホテルを別企業が買い取ってリニューアルしたホテルなのだけれど、おそらくその部屋はもともと客室ではなかったんじゃないか。
間取りがいわゆる旅館やホテルの客室とは全く違っていたし、場所もエレベータのすぐ横で、同じ並びにはリネン室やPRIVATEと書かれた部屋が並んでいた。
あの年季の入った異様な煙草臭さも、従業員の休憩室、あるいは宿直室だったと思えば非常に納得がいく。

そう気づいたら、猛烈に腹が立ってきた。
そんな部屋、客室にするなよ!
百歩譲って満室時の客室にするなら、但し書きをつけた上で、大幅割引するべきでしょう!と。

予約した夫もかなり反省していたけど、今回は私も同行にあまり気が進んでいなかったので、宿の確認を怠っていた。
(※トライアスロンの同行者って、レース中に居る場所がないのだ。応援しようにも移動するレースなので所々の一瞬しか見れない。交通規制があったら車も移動できないから、暑い季節に屋外で何時間も待たなければならない。という状況で、子連れ同行するのは本当に気が進まなかったのだ。)
これからは、少なくとも宿に関しては絶対に自分で確認しないと、と猛省しきりだった。

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辛うじて観光した...と言える伊香保の石段。
なんか謎のアヒル社もあった。

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全部で365段あるらしいけれど、子連れなので途中まで。
戻ってきたら猫は移動していた。

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夫は伊香保の石段を九份にちょっと似てると言っていたけれど、私は金比羅山に似ていると思った。
北関東の人は、金比羅山に行ったら「伊香保に似てる」と思うんだろうな。

築年数のプロ

来年計画しているあるイベントのために、レンタルスペースの見学へ。
古い一軒家を改造した建物で、近年なかなか見ない間取りや造作に、興味津々の見学だった。

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住宅を見るとなぜか必ず築年数を当てたがる夫のために、レンタルスペースの管理人に築年数をバッチリ聞いてきていた私。
管理人によると、築年数は62,3年とのこと。

帰宅してから、夫に見てきたことをいろいろ話しながら「ここ、築何年だと思う?」と写真を見せてみると、それまでおざなりに話を聞いていた夫の目の色があからさまに変わった。
身を乗り出して私のスマホを受け取り、写真を見ていく。
だいたい分かった、というように頷いてスマホを返したので、「さぁ、築何年!」とキューを出してみると、自信ありげに「60年」。

ぬぬ...!こやつ、できる...!

悔しいけど、だいたいいつもこんな感じで、誤差3年以内でピタリと当ててくるのだった。
「なんで分かったの?」と訊いてみると、「柱とサッシ、あと壁」とのこと。
そういえば、夫がうちの実家にまだ来たことがなかったときに、実家の築年数を知らないと言うと、真っ先に「窓のサッシはどんなの?」と訊かれたことを思い出した。

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むかーしちょっとだけつき合っていた人が日本の城マニアで、外観写真を見ればほとんどの城を当ててくるという特技を持っていたけど、変なマニアに縁があるのかもしれない、私。

快適キッチン道具

最近気になっているメーカーが二つある。
「山崎実業」と「家事問屋」。
その一つである家事問屋の「茹で分けざる」を、先日ついに入手した。

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ひとつの鍋で茹で時間の違うもの(パスタと野菜とか)を茹でるのに便利、というふれこみ。
だけど、これは出汁をとるのにも使えるのでは...と思った通りだった。

愛用している野田琺瑯の「持ち手付きストッカー」と組み合わせると、サイズもぴったり。
そもそも、このストッカーも何かと便利なのだ。
直火ができるし、取手が短いから冷蔵庫に入れてもかさばらないし、容量もけっこうあって、出汁なら1リットルとれる。
しかも、茹で分けざるを使えば出汁を濾すためにもうひとつ容器を使う必要がなくて、ざるを上げればそのままストックできる!(アクをとるのは必要だけど。)

出汁をとるときはだいたい1リットルぐらいなので、茹で分けよりも主にそっちに活躍しそうな予感。

インセンティブ

あと数ヶ月で3歳になる息子のトイレットトレーニング用に、100均でシールセットを買ってみた。

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幼稚園に入ったらけっこうあっという間におむつが取れると聞くし、そんなに頑張らなくていいかな~と思っていたのだけれど、
最近、息子のトイレに対する新鮮味が減って、トイレに誘ってもめんどくさがるのを見て、ためしにシールでもやってみようかなと思い立ったのだった。

初日の夜はノリノリでトイレに行き、さっそくシールを一個GET。
二日目は、いつも通りおむつでやってしまってから「おしっこ!」と言うことが何度か続いて、事前に言うのはなかなかできず。
一度それでも「トイレ、行く!」と言うので行かせてみたら、案の定出なくて、一滴絞り出したと思ったら「シール!」と言うので、かわいそうだけど却下(笑)
夜にやっとトイレでできたので、ようやく二つ目のシールをもらえたのだった。

こんなしょぼいインセンティブで、果たしてどれだけ続くのだろうか...(笑)

Waiting for コウノトリ

とある検査のため、眼科を受診。
特殊な検査だったので、紹介状を書いてもらって大きな病院へ行ったのだった。

久しぶりに行ったその病院は、息子を産んだ総合病院。
しかも眼科は産科と同じフロアにあって、眼科の端っこにある休憩スペースは、妊婦検診で混雑した待合コーナーに長時間座っているのが辛いとき、よく外を眺めてボーッとするのに使っていたところだった。

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最近、妊婦の頃をよく思い出す。

初めての妊娠は、産まれてくる赤ちゃんに会うことばかりが楽しみで、妊娠中を楽しむ、という意識が今思えばあまりなかった。
だけどそれも無理はなくて、身体は平和だったけれど、生活上では半年くらいの間に、怒濤のように出来事があった。
結婚して初めて夫が長期出張で何週間も家を空けたと思ったら、それと相前後して義父が急に亡くなった。
初めて夫の親戚一同に会ったのは、だから義父のお葬式だった。それも、何十人もの親戚に、一度に。
その一ヶ月後に予定していた新婚旅行に行き、さらに一ヶ月しないうちに、義父が亡くなる前から計画していた京都旅行を兼ねた身内だけの結婚式があり、そこから二週間後くらいに初めてのグループ写真展があり、また二週間後くらいに、友人だけの結婚パーティーがあった。
旅行やパーティーの準備もすべてその半年内にやっていたのだから、さすがによくやれたなと思う。
予定していたイベントがすべて終わった頃には、もう臨月が間近だった。

そんな中で通っていた、妊婦検診。
正直、一回一回の検診がどんなだったか、ちゃんと覚えていない。
それが初めての妊娠だったからなのか、それともイベント続きだったからなのか、今となっては分からないけど、
次々来る予定をこなしていたら、あっという間に出産までたどり着いた感じだった。

だからなのか、もう一度妊婦というものをじっくり味わい直してみたくて仕方ない。
年齢的にはもうだいぶ厳しいことは分かっているのだけれど、
またどこからかひょっこり赤ちゃんが来てくれないかなと、願う毎日なのだった。