高まる旅欲

冬から春へと変わるこの時期には、長期の旅行をすることが何度かあった。
職場を変わるときに、有休消化で長期の休みを取りやすかったからだ。

そのせいか、この季節になるとどこか遠くへ行きたくなる。
この何年かは、コロナ禍だから旅行できないというよりは、小さい子どもが二人いるから、なかなか気軽に「思い立って」旅をすることができないでいる。
今したいのは家族旅行というより、一人で、とか大人だけで、ふらっと行ける旅だ。
東海道新幹線とかメジャーな路線ではなくて、飛行機で地方の空港に降り立つとか、車で半島を廻るとか、そういうことがしたいのだ。

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二年前は、調布飛行場から小型飛行機に乗って島に行く予定だった。
夫のトライアスロン大会に同行して、島旅をするはずだったのだ。
だけどその前にコロナが広がってしまって、結局大会自体が中止になってしまった。

夫のトライアスロン同行といえば、まだ子どもがいないときに行った九十九里への旅がとても良かった。
大会中はただボーッと待っているだけなのだけれど、終わった後に観光がてら、銚子に泊まったのだ。
夜に銚子の宿に着いて、晩ごはんは外で食べることにしていたから、ぶらぶらして良さそうな店を探した。
ネットでリサーチしたのか通りすがりに出会ったのかは忘れたけれど、二階にある居酒屋を見つけて入ったら、これがなかなかの当たりだった。
お刺身は量も質も豪勢だし、出汁巻き玉子も揚げ物も、何を食べても全部美味しかった。
確か日曜の夜で、その時間にやっているお店自体が少なくて外れても仕方ないなと思っていたから、余計に当たりだと思ったのかもしれない。

翌日はヒゲタ醤油の見学に行った後、犬吠埼灯台を見に行った。
灯台の近くでお昼ごはんを食べて帰ることになって、通りすがりの大きな駐車場があるお店に入ったのだけれど、ここがまた大当たりだった。
他のテーブルの注文を見ていたら、とにかくお刺身が美味しそうで、生ビールが飲みたくなってしまった私は、帰りの運転を勝手に放棄(笑)
冷え冷えのビールを飲みながら食べたお刺身定食は、本当に美味しかった。
ヒゲタ醤油の見学で二人ともすっかり醤油恋しい口になっていたせいもあって、お刺身は余計に染みる美味しさだった。

銚子の居酒屋と犬吠埼のお刺身ランチは、いまだに夫と「あれはどっちも当たりだったなぁ...」と時々話したりする。
通りすがりに、ふらっとお店に立ち寄るような気ままな旅を、次にできるのは何年後だろうか。