relive the pregnant days

コウノトリを待つこと約三年。
もうかなり難しいだろうなと思っていた矢先に、奇跡の授かりが起きたのだった。

初期流産が起こりやすいとされる12週が終わるまでの、長かったこと。
妊娠初期というのは、不安定な割に検診の頻度は月に一回と少ない。
それは、検診してもしなくてもダメなときはダメ、育つときは育つ、という時期だからなのだけれど、
異変が起きていても必ず自覚症状があるとは限らない時期に、お腹の中を確かめるすべもなく、毎日祈るように、けれどもできるだけ考えないように過ごす日々は、本当に落ち着かなかった。
つわりがほぼなかった息子のときと違って、今回はけっこうつわりに悩まされたのだけれど、つわりがあるからといって妊娠が継続されているとは言えないらしく、ますます確かめるすべもないまま、次の検診をただひたすら待つしかないのだった。

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ハイリスク高齢妊婦なので、出産は息子を産んだ大きな総合病院と決めていた。
検診は毎回かなり長時間待たされるのだけれど、またここに来られたことが嬉しくて、以前ほど待ち時間が苦にならない。

検診は夫が休みの日にしているけれど、一度息子を連れて一緒に行かなくてはならなかったときがあって、そのときに息子がキッズスペースで遊んでいるのを見たら、しみじみ感慨深いものがあった。
休憩スペースを兼ねたそのキッズスペースは、四年前、息子の妊婦検診のときによくボーッと外を眺めていた場所なのだ。
あのときお腹の中にいた子がこうして外に出てきて元気に飛びはね、かつて彼がいたお腹にやってきてくれた新しい子のために、同じ場所で今度は息子と二人で待っている。
それだけでもう、しみじみ幸せなのだった。

おそらく最後の妊婦生活になるであろう数ヶ月を、今度はじっくり、生き直すように味わいたいと思っている。