小さな達成感で家事を生き延びる

家事というのは達成感がない、終わりがないとよく言われるけれども、正確に言うと達成感が「ない」のではなくて「感じていられる時間が短い」、もしくは「終わったと思えている時間が短い」のだと思う。
掃除なんかはその典型で、きれいになったと思えた瞬間からもう汚れは始まっている。
だから私は家事の中で掃除が一番嫌いで、一人暮らしのときはそこまででもなかったけれど(一人暮らしで外で仕事をしていれば、一度掃除をしたらきれいな状態が一週間近くは続く)、結婚してからは掃除が本当に嫌いになった。
トイレでもお風呂でも洗面所でも掃除機をかけた部屋でも、夫にはきれいな状態を保とうとする努力が全然見られない。
それに加えて子どもが二人になってからは、もう掃除は半ば諦めて、次男の手が離れてからまたちゃんとすることにしようと、最低限の掃除しかしなくなった。

そんな家事の中で、比較的達成感を感じていられる時間が長いのが「何かを作る」仕事。
家事って「マイナスをゼロにする」系の仕事がほとんどだけれど、料理と(何かを作る場合の)針仕事は、比較的達成感を感じていられる。
針仕事でも、取れたボタンを付けるとか伸びたゴムを取り替えるとかは「マイナスをゼロにする」系だから全然好きじゃないけれど、何かを作る針仕事は形にも残るし、達成感がけっこうある。
時々急にたまった写真を整理してフォトブックにまとめたりするのも、「マイナスをゼロにする」のが続きすぎて、小さな達成感を得たくなったときなのだと思う。

そんなわけで、今日は以前から作ろう作ろうと気になっていた、長男のカトラリーケースを作ることにした。
幼稚園に持っていくカトラリー(スプーンとフォーク)は二種類をローテーションで使っていて、ひとつはケース付きなのだけれど、もうひとつにはケースが付いていなくて、サイズが合う無印のプラスチックケースで代用していたのだ。
でもその無印のケースは本来食器ではないから食洗機にも対応していないし、無理矢理食洗機にかけていたら数ヶ月でヒビが入って割れてしまい、買い直した同じものもまた割れてしまい、安いからいいかと思っていたけどさすがにもったいないので、布でケースを作ることにしたのだ。

長細い巾着袋みたいなものを想定して作り方を調べたら、もっと汎用性のありそうな形のものが見つかって、使う布の大きさもちょうど良かったのでそちらを作ってみることに。
十年以上前に何枚かセットで買ってもて余していたハギレ一枚が、ついに日の目を見ることになった。

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必要な大きさの布が二枚と、細長い余り布がちょうど二枚取れたので、本当は別のを使うつもりだった紐部分を余り布で作ることにしたら、ちょうどぴったり!無駄なくハギレを使い切ることができた。
ますます達成感。

完成したケースを息子に見せたら、嬉しそうに出し入れの練習をして、明らかにウキウキしていた。
こういう反応があることも、達成感を高めてくれる。

細い布で紐を作る部分が一番面倒だったけれど、使い道のない細い余り布をまとめて紐にしておく、っていうのはもしかしたらいいアイデアかもしれない。
布で作った紐ってちょっとおしゃれに見えるし、ラッピングとか何かを束ねたりするときに、おしゃれな紐が欲しいっていうこと、時々あるもんね。
今度また家事に疲れて何かを作りたくなったら、ハギレを紐にすること、と覚えておこう。