ほしいものはなんですか

一週間が経って、再び訪れたお店で束の間のコーヒーブレイク。

先週来た時にふと目に付いて読んでいた本を、先週の続きから今日は最後まで一気に読んだ。
好きな漫画家さんの作品なのに、十年以上前のものだったせいかあまり見かけなくて、これまで読んだことがなかったのだ。

登場人物の一人である30代の独身女性が、小学生の姪っこからほしいものを問われて「(将来の)保証?」と答える場面があるのだけれど、先週は(たぶんホルモンの影響で)なんだかいろんな不安が高まっていたから、読みながら「分かる...!」と強く共感していた。
いろいろなことが重なって、先週はなぜかかなり未来について悲観的になっていた。
自分の今の年齢が急に老けて感じられて、体力的にも、社会から求められる役割=つまり仕事的にも、ということは金銭的にも「もう下る一方」に思えて、「早く、今のうちに何とかしなくちゃ」と焦りを感じたり。

ところが一週間経った今はそんな不安はほとんど消えていて、同じ場面を読み返しても「まぁ、そうだね~...」ぐらいの共感になっていた。
ホルモンって恐ろしい。

で、改めて「ほしいものは」と考えてみたら、これが案外難しい。
物欲はまだまだあるからいくらでも挙げられるけれど、「一番ほしいもの」となると途端に難しくなる。
物欲の対象は次から次へと出てくるし、ある物と別のある物は横並びになっているから、「ひとつ」を選ぶことができないのだ。

となると...お金?
でも結局、お金は「何が欲しいか」という質問への答えにはなっていない。
「それ(お金)で何が欲しいか(したいか)」が言えて、ようやく答えになる。
欲しいものを「お金」と答えることは、だから、欲しいものを結局「保留」にしているか、分からないのだと思う。
お金というのはトランプのジョーカーみたいなもので、「持っているだけ」では意味がなくて、適切なタイミングで、欲しいものに換えてこそ意味を持つのだ。
タイミングを間違えると価値が下がるし、欲しいものが自分で分かっていないと使い時を逃してしまう。

となると...と、考えていくと、行き当たったのは今のところ「死ぬまでの健康と体力」だった。
これは...年齢を感じる答えだ(笑)
だけど正直、それさえあればお金も得られるし、生きていくことはできるんじゃないか。
うん。だからやっぱり、死ぬまでの健康と体力だな。

結局「保証」と大して変わらない答えになった。