南紀白浜旅③ パンダに会いに

二日目はメインイベント、パンダの日。
あれだけ降った雨もきれいに上がり、日射しが暑いくらいの一日となった。

アドベンチャーワールドの開園時間は10時なので、それまでに回れる観光名所を巡る予定だったのだけれど、前日は家を朝4時に出てのフライト&大雨ドライブ&観光だったので、さすがに早起きはできなかった。
なので、宿から比較的近い「とれとれ市場」という観光客向け魚市場に行ってみることに。

よさげな食べ物があればランチ用に買っていこうかと思っていたけれど、朝なのでまだ開いていない店舗も多く、正直「まぁこんなもんかな」という感じだったので、さらっと見て早々に次へ。
アドベンチャーワールドに行くなら、時間節約のためにもコスパ的にもお昼は買って行った方がいい、という情報を知人から得ていたので、おいしそうなパン屋さんを調べておいたのだ。
地元でも人気の店らしく、土日だと午前中に売り切れることも多いらしい。
開店まもない時間に行ったからパンの種類も豊富で、ホクホクしながら長男とパンを選んだ(ちなみに後で食べたら全部めちゃくちゃおいしかった)。

10時の開園と同時にアドベンチャーワールドに到着したら、既に何十台もの車列が。
でも、実は私たちは、アドベンチャーワールドに徒歩で行ける近さの宿を取っておいたのだ。
これは大正解で、私と子どもたちはゲート近くで降ろしてもらって夫が宿に車を置きに行き、その間に私たちが入園することで、駐車場に並ばずに済んでちょっとした時間節約になった。

入園してすぐに次男用のベビーカーをレンタル。
ベビーカーは普通のとオリジナルデザインのと二種類あって、オリジナルは一日1200円という強気価格。
ちょうど同額の駐車場代を節約できたので、せっかくだからとオリジナルデザインの方を選んだけれど、人気のパンダタイプは残り一台で、危ないところだった。
次男はパンダベビーカーに乗れると信じて疑っていなかったので、もし出遅れて他の動物になっていたら、大泣きスタートになるところだった。

アドベンチャーワールドのパンダコーナーは二ヶ所あって、一つ目は入り口から近いところにある。
「とりあえず、まずはパンダだ!」と人の多い方に歩いて行くと...。

いた!

きゃわいい~!
まさに動くぬいぐるみ!

この子はうちの次男と同い年の楓浜(ふうひん)だ。
ムシャムシャ一心に竹を食べていて、「ザ・パンダ!」という感じだった。
途中で一度、大勢のお客さんにお尻を向けたかと思うと、竹と全く同じ色のうんちを大量に出したから、どっと笑いが起きていた。
パンダの排泄シーン、初めて見た...(笑)

隣の室内にもう一頭、うちの長男と同い年の結浜(ゆいひん)がいたのだけれど、こちらは屋内展示ですごい行列ができていたので後回しにして、今度はイルカショーへ。
知人が、ここのイルカショーは見た方がいいよと勧めてくれたのだ。

確かにダイナミックなショーだった。
途中で思い出したのだけれど、確かここのイルカショー、NHK「サラメシ」で最近取材されていた。
会場のプールの奥には大きなスクリーンがあって、そこでライブ映像やリプレイを見ることができるのだけれど、確か、リアルタイムでその映像編集をしているところが取材されていたような。

ちなみに、関西人ならたぶん誰でも聞いたことのある、アドベンチャーワールドのCMソングがある。
「オールウェイ(ズ)♪ トゥーギャザー♪」という、アレだ。
アドベンチャーワールドといえばそれなので、今回の旅が決まるか決まらないかのうちから、YouTubeで探し出して歌いまくっていたら、子どもたちもあっという間に覚えてしまった。
そのCMソングの始めの部分が、イルカショーのクライマックスぐらいで流れて来たから、内心私は「キター!」と盛り上がり。
子どもたち、気づくかなぁ...と見ていたら、いつも歌っているサビの部分が流れた瞬間、長男はハッ!とこちらを見てニヤリ。
私の膝に抱かれていた次男に至っては、ナチュラルに「あどぅいーてーゆーけどぅー(歩い~てゆ~ける~)♪」と一緒に口ずさんでいたので、爆笑してしまった。
アドベンチャー教育が奏功。

思いの外よかったイルカショーの後は、ペンギンの餌やりタイム。
大人のペンギンは大人コーナー、子どものペンギンは子どもコーナー、と餌のコーナーが分かれていたのに、大人が一人、子どもコーナーにちゃっかり紛れていた。

その後は時間のきっちり決まっているものはないので、お昼ごはんを食べたりしつつ、園内をゆっくり散策。
もう一ヶ所のパンダコーナーは、15:30で展示が閉まってしまうので、優先して見に行った。

お姉さんパンダの彩浜(さいひん)はお昼寝中。
落ちそうな場所で寝ていて、時々いかにも落ちそうな寝返りを打つので、ハラハラしてしまった。
アスレチックの丸太部分を抱き枕にして寝るのがお気に入りのよう。

その横には、みんなを産んだお母さんパンダの良浜(らうひん)。
良浜はなんと10頭もの子パンダを産んだベテランお母さんで、うち2頭の出産が私と同じ年だったから、「同じ時に妊婦さんだったのね~と」なんとなく感情移入してしまった(笑)

その後、さっき行列で見送った結浜に会いに、また入り口近くのパンダコーナーへ。

午後なので寝ているかと思いきや、意外にけっこう動いていた。
竹に飽きたのか、何かをおねだりしに飼育員さんのところへ行って、なにやらやり取りし始めた。

パンダって、行動が可愛いというか、何をしているか見ていて分かりやすい。
あ、何かおねだりしに行ってるな、とか、どの竹がいいか選んでるわ、とか、あー、ここはもたれやすくて居心地いいからそこに落ち着くよね、とか。
見ている人たちも、パンダの行動に好き勝手アテレコしている人が多かった(笑)
中に人が入っているみたいで、まさに「着ぐるみパンダ」なのだ。

デザインとしても、パターンがシンプルだし色がモノトーンだから、使いやすいのだと思う。
配色だけでパンダグッズができちゃうし、白黒印刷でも成り立つから、キャラクター化しやすいんじゃないだろうか。
和歌山はとにかくあらゆるところでパンダ推し。
アドベンチャーワールドからそこそこ離れたSAの入り口マットですらパンダ柄で、思わず「和歌山、ちょっとパンダに頼りすぎでは...?」と夫相手にツッこんでしまった。
まさに、客寄せパンダ。

まぁでも、パンダは可愛い。それはまちがいなく事実。

おねだり結浜は、結局新しい竹を何本か提示されて、「どれにしようかな...」と迷った末、一本を選んでまたムシャムシャ食べ始めた。

可愛くて可愛くて、永遠に見ていられそうだったけれど、夕方にまた別に行きたいところもあったので、閉園時間少し前にアドベンチャーワールドを出ることにした。
最後に、出口近くにいたレッサーパンダちゃんにもご挨拶。
こっちも可愛い...。

近くに住んでいたら、絶対年間パスポートを買って通ってしまう。
また会おうね、パンダちゃんたち。