送迎、送迎、送迎送迎送迎

2023年の5月を一言で表すなら、「送迎」以外には思い浮かばない。
それくらい、送迎に次ぐ送迎の日々だった。

長男が入学して二ヶ月近く、毎日登下校の付き添いをしていた。
集団登下校がないうえ、うちは校区の端っこなので、子どもの足で片道20分ぐらいかかるのだ。
もちろん、だんだん通学路の途中までになったりしたのだけれど、それでも「一旦家を出る」手間は変わらない。
自分一人が付き添うだけならまだいいのだけれど、次男を家に置いていくわけにはいかないので、それがとにかく大変なのだった。

大変さ①「次男の自転車乗せ降ろし」。
チャイルドシートに乗せてベルトをセットする(外す)、ヘルメットをかぶせる(外す)、を必ず最低一日二回しなければならない。
毎回機嫌がいいとも限らないから(だいたい三回に一回は抵抗される)、もうこれだけでひと仕事だ。

大変さ②「雨の日」。
二歳の次男は、雨の日に歩かせるには時間がかかりすぎ、抱っこするには重すぎる。
うちはこれまで自転車に雨カバーをつけていなかったのだけれど(雨の日は自転車を使わないようにしていたので)、そうも言っていられなくなってきた。
とうとう雨カバーを買うことにして、リサーチ→購入→取り付け、それと並行して、私の自転車用レインコートリサーチ→購入、を三週間ぐらいかけて実行した。
すべてがそろうまで、雨の日は13kg以上ある次男を抱っこ紐に入れて、片道20分の道を朝・午後と(もちろん雨の中!)2往復する苦行が何度かあった。

そして、送迎は実は登下校だけではない。
4月にちょっと荒れた長男のために、遊ぶ時間を増やしてあげようと、放課後校庭を開放している日には連れていくことにしたのだ。
ただしこれは一旦帰宅してから再登校するというルールがあるので、登下校の付き添いを、私は次男を連れて一日4往復することになる。

校庭を開放していない日は児童館に連れて行ったり、5月からはそろばん塾の体験授業に行かせてみることにもした。
私自身はそろばんを習っていないので知らなかったのだけれど、そろばん塾というのは普通の週1の習い事と違って、基本毎日行くのがいいらしい。
さすがに毎日は無理だけれど、他の習い事も含めると結局毎日、送迎だけで一日4往復、次男を連れて家を出ることに。
これは、すべての家事用事が「送迎の合間にしかやれなくなる」ということだ。

大変さ③は、それに伴って「次男の生活リズムが犠牲になること」。
長男の送り迎えに合わせて生活しなければならないので、次男はゆっくりお昼寝どころではなく、運良く昼寝できても途中で起こさなければならない。
途中で起こせばもちろん不機嫌、お昼寝できなければ夕方には眠くて不機嫌、いずれにしても大変なのだ。

だったら早く晩ごはんを食べて寝かせたらいいのだけれど、晩ごはんは送迎の合間にしか作れない。
つまり実質作れない。
結局、不機嫌な次男(と、それにつられてケンカする長男)に気を取られながら夕方大急ぎでごはんを作るという、これまたとてつもない苦行が毎日待っているのだった。

送迎だけでこれだけ大変なのに、5月はさらに、子どもたちの突然の発熱が加わった。
しかも数日おきの時間差で。
学校早退、小児科受診、長男回復したと思ったら次男発熱、小児科受診。

さすがに疲弊して、登下校の付き添いは6月からは手放すことにした。
もともと5月ぐらいまでかな...とは思っていたのだけれど、小学校一年生の交通事故のピークが6月にある、という統計データを見て迷っていたのだ。
だけどこのままでは私の身がもたない。
少なくとも晴れの日は登下校の付き添いはやめて、見通しの悪い雨の日だけ、(息子のためというよりは)自分の安心のために付き添うことにした。

子どもが一人でつつがなくどこかへ行って帰ってくるというのは、ものすごいことなのだと思い知った。
生活環境にもよるのだろうけれど、人も交通量も多い東京では、一年生だとまだまだ一人で行動させるのは不安だ。
人がオートで動いてくれるというのは、どれほど楽ちんなことなのかと思う。
二人の子どもにオート機能が搭載されるまで、まだまだ道のりは遠い。