一粒7000円(DAY0~1)

正月に私の溶連菌感染、その数日後に長男の皮膚炎、その後次男が発熱、で1月は既に三回病院へ。
次男の発熱は一度出たら長く、38度が四、五日続く。
それがようやく収まったと思ったら、今度は私の喉が怪しくなってきた。

発熱していた次男はインフルもコロナも陰性だったから、お正月の自分の溶連菌がしぶとく残っていてぶり返したのかと思ったけれど、今回は喉というより気道全体に違和感があった。
息をすると、気道が常に意識される感じ。
ヒリヒリとまではいかないものの、このままだと絶対まずいなという感じで、アズノールうがい+痛み止めのカロナールを投入して早めに寝たところ、翌朝にはだいぶ改善されていた。
去年も同じように気道まで炎症が回りそうなときがあって、そのときも同様にしたら収まったのだ。

ところが、昼過ぎあたりからだんだん体が重くなってきた。
夕方には長男の習い事の送迎があって、本当なら送迎が無理で休ませたかったのだけれど、今月いっぱいでやめる習い事なので行かせてあげたくて、寒空の下自転車で二往復。
お迎えのときには悪寒がしてきていて(でもなぜか熱はない)、一刻も早く家に着きたい思いだった。
前日からタイミング悪く出張していた夫が、予定より早く帰り着いたので、あとは夫に託してベッドへ。
ここへ来て微熱が出始めた。
翌日は運悪く、長男の授業参観。
「行けないかもしれない」と言うと長男があからさまに落ち込んだので、熱が下がってたら行くね、と言ってその日も早めに寝た。

翌朝には熱は下がり、喉や気道の違和感もましになっていたものの、咳が出始めたので、一応受診することに。
人食いバクテリア(劇症型溶連菌)のニュースを見て、怖くなったのだ。
近所の内科には正月(私)、数日前(子ども)と受診しているので、これぐらいの症状でまたかと思われそうで一瞬躊躇したのだけれど、よくなってきたとはいえ丸一日の間に気道→倦怠感→悪寒→発熱→鼻水&咳と進行が早く、劇症型溶連菌の場合数十時間で死ぬことがあると知って、ニュースを見て怖くなったと言えばまぁ理解してもらえるだろうと思ったのだ。

在宅勤務にしていた夫に子どもを託し、朝イチかかりつけの内科へ。
前日に熱が出ていたので一応発熱外来を予約し、裏口で待機。
問診票の記入で当てはまるものに○をつけたら、「熱、喉痛、鼻水、鼻づまり、咳、頭痛、悪寒、全身倦怠感」と見事に全てに○がついた。

呼ばれて診察室へ入ると、いつもの先生が立ったまま、心なしか距離を取りつつ「全部○ですね~」。
そうなんですー、と言いつつ椅子に座ると、先生はさりげなくサッと離れながら「まずはインフルとコロナの検査しますね~」と言ってキットを取りに向かい、立ったまま症状を聞いていく。
「10分ぐらいあちらでお待ちくださいね~」とまた裏口方面に案内された。

待っている間にも、次々と裏口から人がやってくる。
幼児~中学生ぐらいの親子が多い。
通常入り口からの患者もひっきりなしで、内科は大繁盛だった。

待つこと20分ほど、再び呼ばれて行くと、先生がまた距離を取りながら「コロナ陽性ですね~」。
えぇっ。
インフルは予想してたけど(症状から)、コロナはあんまり予想していなかった。
だって、しんどさから言うと先日の溶連菌の方が数倍きつかったし、過去のインフルぐらいのしんどさだったから。
そうか、これが。

そう思っている間にも先生の説明は続き、要はコロナ用の薬を飲むか飲まないか、ウィルス増殖を抑えるいい薬なのだが薬価が高い、という話だった。
飲まないと自分の免疫頼みになるが、翌日になって悪化して「やっぱりあのお薬ください」と言って来る人もいる、とのこと。
免疫力<ウィルス増殖力になると今からまた悪化することもあるのか...それで家族に伝染っても厄介だしな...と思い、高い薬を処方してもらうことにした。
先生曰く、もともと50000円(!)の薬が保険適用され、さらにそこから助成金か何かで引かれるので、自己負担は9000円とのこと。
9000円か~...まぁ仕方ない。

そしてさらに待つこと20分ほど、隣の薬局から内科裏口に薬が運ばれてきて、薬の説明を受け、クレジットカード会計のため薬局の外まで移動して会計を済ませ、帰宅となった。

その日から飲み始めた高級薬。

元々の値段から計算するに、一粒7000円強。
自己負担で計算しても、約1300円。
「うっかり落として家具の奥に転がっていってしまったら...」とか「飲んだ後に急に吐き気に襲われたら...」とか、何かとあらぬことに気を遣う。

高級薬のおかげか、特に悪化もすることなく、ひとまずその日は無事に終わったのだった。