なまはげ再び

何ヵ月かぶりの金継ぎへ。
秋に行って以来予定がなかなか合わなかったけれど、ようやくタイミングが合ったので、前回の作業途中のモノを持って出かけた。

数ヶ月空いたので、頭はすっかりリセットされている。
今回は初参加の人もいたので、その人たち向けの説明を一緒に聞くことで、あぁそうだ前はこんな作業をしたんだった、今日はその続きのここからね、と確認して、ようやくその日の作業に入ったのだった。

この日は、前回くっつけた箇所の、はみ出しをやする作業から。
接着部分にはみ出したバリ的な部分をやすって、平らにするのだ。
その後に筆で漆を乗せていく。

作業をしながら、他の人の話に耳を傾けたり、時折話に参加したりする。
各自、今やっている工程も違うし、継ぎ方のパターンも違うので、他の人の作業を見るのもとても勉強になる。
へぇ~、こういうときはこうやってくっつけるんだ~、とか、あ、この作業は私も前やったからなんとなく覚えてる、とか。
各自持ってきている器が違うので、それを見せてもらうのも楽しい。
やっぱりみんな器が好きな人たちだし、直そうと持ってくる器も愛着があるものが多いので、それにまつわる話を自然と聞くことになって、それもまた面白いのだ。
「母が陶芸をやっていて」とか、「結婚祝いに同僚からもらって」とか、「どこそこに行ったときに買ったお土産で」とか。
やっぱり人それぞれ好きなテイストがあって、なるほど、この器はこういうところが愛でポイントなんだな、とか、なるほどこういうお料理に使うんだ、と知ることができる。
そういうのを聞いていると、作業以外の時間もまた味わい深いのだった。

この日の私の作業は、黒漆を塗るところまで。
このまま一晩以上は乾かさなければならないので、続きはまた次回となる。

次回、黒漆の上に金粉を乗せ(て乾かし)たら完成。
でもこの黒漆のままで完成とすることもできる。
金粉や銀粉は飾りだから、そこはお好みなのだ。

次回で完成しそうだけど、その後、継げそうな割れた器がないのが目下の課題。
「割れた器はねが~」とまたしても心のなまはげが現れるのであった。