悲願の治療はじめました

重症スギ花粉症の私、ついについに舌下免疫療法を始めた。

この療法を知ってから実に十年近く。
そのときはまだ保険が適用されていなくて、適用されたとしても限られた病院でしか受けられないということだったけれど、その病院がけっこう近くにあって、かかりつけの先生が「まもなく保険適用されるから、そしたらこの紹介状を持っていくといいよ」とその限られた病院に紹介状を書いてくれた。
保険適用されるのを今か今かと待つこと数年、まもなくと聞いていた割には適用開始が遅く、開始された頃には妊娠限界年齢が近づいていた。
一度専門医で聞いてみたけれど、妊娠中は避けた方がいいと言われ、まずは妊娠出産を終えるまではとさらに待機。
二人目ができるまでに時間がかかったから、その間も泣きながら四度の春をなんとか過ごした。
その間に「アルゴンプラズマ療法」という、鼻の粘膜を焼く治療というのまでやって(←焼くときの音と匂いがめっちゃ怖かった)、あとはひたすら対症療法の鼻炎薬。
次男妊娠中は鼻炎薬も飲めないから、ひたすら「外に出ない」で乗り切ったけれど、一番いい季節に遊び盛りの長男をあまり外に連れて行ってあげられないのは、コロナ禍とは言えやっぱり申し訳ない気持ちだった。

そんな中、今年の春先、長男が風邪でもないのにくしゃみ鼻水を連発し始めた。
もしやこれは...。
ちょうど長男のかかりつけの小児科に「舌下免疫療法始めました」というポスターが貼ってあったので聞いてみると(←この数年の間に舌下免疫療法を受けられる病院がかなり増えた)、仮に花粉症だとしても、舌下免疫療法は五歳からしか受けられないとのこと。
その小児科では親子で一緒に治療を受けられるということだったので、長男が五歳になる秋に検査を受けてみて、もしクロだったら親子で一緒に開始しようと、またしばらく待機することになった。

長男が五歳になってまもなくアレルギー検査を受けてみたところ、意外にも長男は全くのシロ。
一方、私はクロもクロ、スギ以外にもダニ、ヒノキ、ブタクサ、果ては「ガ(蛾)」にも反応していた。
中でもやっぱり、一番ひどいのがスギ。一番重いレベルの一歩手前ぐらいだった。

舌下免疫療法というのは、花粉が飛んでいない時期に治療を開始しなければならない。
具体的には、初夏~冬の手前ぐらい。
ということは、今を逃すとまた地獄の春を引きこもってやり過ごさなければならない。
そんなわけで、(長男はシロなので)私だけ小児科に通うことにはなるけれど、ついに始めてみることにしたのだった。

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最初の一週間は少量の薬で、異常ないことを確認したら、あとは一ヶ月ごとの受診(薬をもらうだけ)になる。
一週間後に受診したら、私の好きな院長先生の日で、「おかあさん、次の春が楽しみですね」と言いながら薬を出してくれた。
事務的に薬だけ出すこともできるのに、そうやって一言でも声をかけてくれるのが、この先生の好きなところだ。

次の春に早速効果があるとは思っていなかったから、それを聞いて明るい気持ちになった。
十年以上苦しめられてきた花粉症が、完治とはいかなくても、「マシになる」だけで十分嬉しい。
春には次男も外を歩けるようになっているだろう。
二人の子どもたちを連れて、春の一番いい時期におでかけするのが、今から楽しみになってきた。