北海道旅行記③二日目後半 モノレールで露天風呂、女王の国葬

雨が本降りになってしばらくすると、夫が戻ってきた。
食べ切れなかった肉を大量に持って。

この時点でもう15時ぐらいだったから、この後どうする?という話に。
もともとは晴れを想定して、フェスが終わる17時頃までダラダラ芝生で飲んだり食べたりしている予定だった。
それがけっこうな雨になってしまったから、屋内でできる活動に切り替え。
ルスツリゾートはその点、館内もまぁまぁ楽しめるようになっていたから助かった。

ホテルのプールにはもともと長男と夫が入る予定だったから、長男と夫はプール→お風呂と回ってくることに。
ただ、夫は外から帰ってきたばかりでひと休みしたいというので、その間に私一人でお風呂に行き、戻ったら交代で夫が長男を連れて出ることにした。

ルスツリゾートは道路を挟んで両側の敷地にホテルがあって、そこを含め宿泊者は三つの大浴場を使えることになっている。
中でも一番新しくて高級そうなのが、私たちが泊まっていたのと道路を挟んで反対側にある大浴場。
見えてはいるけど歩くと相当遠いので、どうやって行くのかと思ったら、なんと無料のモノレールに乗って行くのだ。

モノレール乗り場に来て、ふいに思い出した。
あれ?
私、これに乗ったことある!

秋と冬で景色が変わっていたからすぐには気づかなかったけれど、そうだった。
真冬の、一面真っ白な雪の季節に、このモノレールに乗ったことがあったのだ。
十年近く前の、お正月のことだ。
ルスツリゾートで冬にやっている、スキーやスノボ以外のいろいろなアクティビティをしに、一度ここへ来たことがあった。
確か受付場所とアクティビティの場所が離れていて、それでこのモノレールで移動したのだった。

このモノレールが、ちょっと、というかかなり楽しい。
二両だけの小さなもので、遊園地の乗り物みたいなのだ。

私の後に小さな子どもを連れた家族連れが一組だけ来たけれど、時間帯もあったのかガラ空き。
モノレールが楽しそうすぎて、大人気なく一番前の席をGETする(ごめんね)。

自転車より遅いんじゃないかというぐらいのスピードで、モノレールは進んでいく。
これ、道路を渡るのはどうやってたんだっけ...?と思っていたら、意外にも、道路の下に向かって行ったのでびっくり。

前に乗ったときはとにかく一面雪で、道路がどこにあるのかもよく分かっていなかったのだ。
このトンネルを見て初めて「あー!ここか!」と思い出した。
このトンネルとホーム以外のところは、雪で風景がまるで違っていたのだ。

小さなトンネルをくぐると、目指すホテルが見えてきた。
到着ホームはホテルエントランスのすぐ近くにあって、屋根がつながっているから雨にも濡れずノーストレス。
そのまま大浴場に向かった。

フェスで雨に降られた後だったから、それだけでもうお風呂は最高。
しかもなんだかいい匂いのアロマが入っているお風呂で、入浴中ずっといい匂いだし、シャンプーやボディソープもものすごくいい香りのものだったから、全体的にかなり癒された。
子連れじゃなくて一人で来られて良かった...ありがとう、夫。
露天風呂は狭めで、屋根があまりなく雨に濡れるからそれほどゆっくりは入らなかったけれど、ルスツリゾートの遊園地が見える位置で、景色はそれなりに楽しめた。

お風呂から上がり、夫と交代するためまたモノレールに乗って戻る。
自分の髪からも身体からもものすごくいい匂いがしていて、それだけでふんわりしたいい気分。

部屋に戻ると代わりに夫と長男が出かけて行った。
「遅くなるからもうこっちのお風呂でいいかな」と夫が言うので、「いやいや!向こうのお風呂すっごくいい匂いだったし、何よりあのモノレールに乗ってほしいから行ってきて!」と送り出して、私はしばし次男とまったり過ごすことにした。

この日の夜ご飯は、昼間のBBQで大人はもう満腹だったので、子どもたちの食べるものだけ、またしてもセコマで調達。
セコマ様々。
ホテルの目の前にセコマがあるので、けっこう便利だ。

眠くてちょっとぐずる次男をあやしながらごはんを食べさせるため、TVをつけてみると、ちょうどエリザベス女王国葬が行われるところだった。

始まるところから一時間ほど、なんとなくずーっと見てしまう。
なんというか、全てが格式高い...。
厳かで高貴で品があり、これぞ英国、という感じがした。
フランスや北欧の国々ともまた違う、独特の様式美がある。
昔、ラベンハムのジャケットとかツィードのハーフパンツとか、ブリティッシュなファッションが好きだった一時期のことを思い出した。
やっぱり好きだなぁ。英国的センス。

帰ってきた夫と長男も途中から視聴参加。
しばらくして子どもたちがもう眠さの限界になってきたので、最後まで見られず残念だったけれど、この世紀の国葬のことは、きっとこの旅の思い出とセットで思い出すだろう。