北海道旅行記④三日目 遊園地再び、宿移動、身体が野菜を求めてる

待ちに待った晴れ。
朝から風の強い三日目だった。

晴れの間にしたいことはいくつかあったけれど、チェックアウト日であるこの日いっぱいは遊園地のフリーパスが使える。
なので、まずは昨日途中までしか乗れなかったアトラクションを思う存分楽しもう!ということになった。
朝ごはんのビュッフェ(例によって食べ過ぎ、でも美味しい)を食べた後、荷物をまとめてチェックアウトし、隣接する遊園地へ向かった。

そういえば前日の夜、眠くて早々に布団に入った長男が、寝入る前にむくりと急に起き上がった。
眠い目をこすりながら、部屋に備え付けのボールペンとメモのところに行くので「どうしたの?」と聞くと、「まるくん、かいとくものがいっこある」。
見ると、「ゴーカート」「うんてんじてんしゃ」「サファリ」等々...要するに、その日遊園地で乗ったアトラクションを全部メモしていたのだった。
息子よ、おまえもか!と記録魔の私は思わず噴き出してしまった。
分かる。忘れないように書いときたい気持ち、分かるよ!(笑)

長男にとっては初めての遊園地。
きっと、ものすごく刺激的だったんだろう。

二日目の遊園地は、昨日乗れなかったものを中心に回ることにした。
ただ、風が強くて動いていないものもあった。観覧車とか。
高いところが好きな夫はがっかり。

そういえば、夫とも遊園地に来るのは初めてだった。
出会ったときはいい大人だったし、二人ともディズニーランドとかにはあまり興味がない方なので、こういう機会でもないとなかなか遊園地に行こう!とならなかったのだ。
しかも最近は遊園地というより、世界観を統一した「テーマパーク」が主流で、昔ながらの雑多なアトラクションがある遊園地が少なくなった気がする。
そういう意味では、このルスツリゾートの遊園地はいかにも昔ながらで、サイクルモノレールとか空中ブランコとか魔法のじゅうたんとか、昭和世代に懐かしいアトラクションが多数ある。
夫によると、閉園した他の遊園地から移設されてきたものもけっこうあるのだとか。
道理で、ジェットコースター系だけでもいくつもあるのはそういうわけかと合点がいった。

遊園地が初めての子どもたちだけでなく、夫も私もものすごく久しぶりの遊園地なので、各自乗りたいものもある。
夫は絶叫系、私は気持ちよく空を飛ぶ系。
まずは私が遊園地のアトラクションで一番好きな「空中ブランコ」があったので、一人で乗ることにした。
座席が一人ずつなので、長男は乗るのを怖がったのだ。

いつぶりか分からないぐらい久しぶりに乗った感想は...「ちょっと酔う」。
昔はこんなことでは絶対酔わなかったのに。三半規管の衰えを感じる。
そう思うと、どのアトラクションも乗るだけでちょっと体力を使うというか、正直に言うと「運動になる」ことを感じたのだった。
普段どれだけ運動してないのか...(笑)

夫は、私が死んでも乗らない垂直落下系の乗り物とか、いくつかあるジェットコースターの中でも一番高低差のある激しいやつに一人で乗っていた。
一方私は、ジェットコースターは昔から苦手。
でも、この機会を逃すとまたあと数年は乗らないだろうし、ここにはスリル度の低いものもいくつかあったので、自分がどれくらいなら乗れるのかを一回確かめてみようと、ひとつ乗ってみることにした。
たぶん、落下系はダメだけれど、回転系はいける気がする。
そこで、高低差は少ないけど何度か回転やひねりのあるタイプに乗ってみたら、案の定けっこう大丈夫だった。
うんうん、これなら乗れる。
これから何度かは子どもたちと遊園地に行くだろうから、覚えておこうと思った。

朝ごはんをたっぷり食べたから、午前中いっぱい遊んでお昼は遅めのランチへ...と思っていたら、意外に早く時間が過ぎ、あっという間に14時。
私が狙っていたランチのお店は15時まで。
しかし子どもたちも大人もあまりお腹が空いていない(どれだけ朝食べたのか?)。
夫と「こうなったらもうランチはスキップして、後悔しないぐらい遊園地を堪能して、早めの夜ご飯を食べよう」と話し、遊園地でゆっくりすることに。

日が少し傾いてきた頃、子どもたちもさすがに疲れてきたので、たっぷり遊んだ遊園地を後にすることにした。
今日はもう、次の宿への移動と晩ごはんの調達だけ。
次の宿はいわゆるコンドミニアムタイプだから、疲れた今日は家(宿)で食べようということになり、途中の道で食材を買って帰ることにした。
子どもたちは車に乗った瞬間に寝てしまうだろうから、私一人がサッと入って買える、国道沿いのお店を見てみることに。

道の駅と、その横の気になっていたお肉屋さんを覗いたら、立派な豚肩ロース(「ルスツ豚」というブランド肉だった)の薄切りを発見。
前日に散々焼き肉を食べたこともあって、地元産のお肉は食べてみたいけど重いのはちょっと...と思っていたから、それを見て「鍋にしよう!」と思い浮かんだ。
何より、身体が鍋物の野菜を欲していることに気づいた。
この日急に寒くなったこともあって、夫も「いいねいいね」と大賛成。
道の駅で大根と白菜、格安だった肉厚シイタケ(すべて近隣産)を買い込み、30分ほど走って16時半頃、今日からの宿に到着した。

ここは数年前に一度姉と泊まったことがあって、そのときとっても快適だったから、今回また利用することにしたのだ。
ハイシーズンの冬だとなかなか予約が取れないみたいだけれど、今回はシーズンオフ(?)だったからかすぐ予約できた。
外国っぽい間取りで(オーナーは外国人のよう)、面積も広く、子連れ旅にはホテルよりこっちにして大正解だった。

基本バスタブはなくシャワールームみたいだけれど、今回の日程は宿泊者が少なかったからか、希望通りバスタブ付きの部屋にしてくれていた。
急に気温が下がったタイミングだったから、希望が通ってよかった~、とひと安心。

朝から普段の数倍動いてけっこう疲れていたけれど、とにかく野菜、野菜...の一心で急いで食材を切る。
その間に夫がお風呂の準備。
子どもたちはとりあえずEテレ
行動だけ見ると普段の家の休日と変わらないのだけれど、物がないぶん家より広々しているし、子どもたちもホテルと違って裸足で自由に動けるから、ソファで遊んだりしながら楽しく過ごしていた。

調理と並行して、旅の前半分の洗濯。
六日間となると、折り返し時点で一度洗濯をしておかないと荷物の量が大変なことになる。
その点も、今回後半をコンドミニアムにした理由のひとつだった。
部屋干しにはなるけれど、全自動の洗濯機があり、大きな部屋干し器もあって快適。
洗剤も常備されている。
ついでに言うとキッチンには食洗機もあるので、とにかく家事が楽だった。

順番にお風呂に入ってさっぱりした後、熱々のお鍋とサッポロクラシックで乾杯。
だしの素の出汁に味ポンという簡易な味つけにもかかわらず、やはり食材がいいのか、肉も野菜もすごくおいしい。
ハフハフ言いながら、大根一本と白菜1/4、シイタケ15個ぐらいが無事ペロリとなくなった。
前日、前々日はBBQとセコマと朝ビュッフェだったから、ビュッフェの野菜は多少あったものの、圧倒的に野菜が足りていなかったのだ。
和食の野菜たちが、ごちそうで疲れた胃に染み渡った。
長旅の場合、こういう「普通の家ごはん」を間に挟めるのはとってもいいな。

子どもたちはもう大人の食べ終わりを待たず、歯磨きをして即爆睡。
年甲斐なく遊園地を満喫した大人たちも、この日は早々に就寝した。

快晴の明日は、ニセコ近辺でゆっくり過ごす予定。