昭和の健診、すべりこみランチ

何年かぶりの婦人科健診だった。

最後に行ったのは、次男を妊娠する前だったか。
気づけば数年、子宮頸がんも乳がん健診も受けていなくて、今年こそは必ずと思いながら、年末ギリギリの受診になってしまった。

今回は以前行ったことのある婦人科ではなくて、ネットの口コミで探した婦人科に行ってみることにした。
次男を産む前は、妊娠希望だったので、設備が新しめで医師も若め(といっても40代)のAクリニックを選んでみたのだけれど、今後もずっとお世話になりたいかといえば、もうちょっと他に探してみたいかな...という気がした。

医者選びはただでさえ気を遣うものだけれど、婦人科というのはさらに難しい。
まず、診てもらう部位が部位だけに、絶対に嫌な医者には当たりたくない。
性別はできれば女性がいいけれど、女性医師だからといって優しく温かいかといえばそういうわけでは決してなく、どちらかというとクールでテキパキ、かつちょっと説教くさいというか高圧的...というのが、これまで当たってきた婦人科の女性医師に対する個人的印象(偏見?)だ。
一人だけ、初めて妊娠したときに診てもらった私より年下と思われる女性医師は、優しくて丁寧だったけれど。
それ以外は、特に相手が年配であればあるほど、なんかこう「自分より年下の、モノを分かっていない若い女性」扱いされる感じがどうもあって、ネットで見てそういう匂いがあるクリニックはまず除外。

以前行っていたAクリニックの医師は男性だったのだけれど、自分と年が近いのが若干気になったのと、なんとなくいつも「クレームやトラブルにならないよう神経を尖らせている」ところのある医師なのが引っかかっていた。
たとえば、あることについて後になってからちょっと気になって質問したら、一瞬黙って「...それについては、最初にご説明しましたよね。それで大丈夫ということだったので...」と、なんだか言質を取るような言い方をされた。
疑義を唱えたかったわけではなく、後から気づいた点を純粋に知りたくて質問しただけなのに、はなから防衛的な感じがして、う~ん...と思ったのだ。
口調は丁寧で別に怒っているわけではなく、ただ慎重で小心者の先生なんだな、という印象。
慎重で小心者なのは別にいいけれど、何か訊きたいたびにこちらが気を遣うのも面倒くさいな...と思って、他を探してみようとなったのだ。

今回選んだのは、口コミがよくて以前にもちょっと考えたけれど、医師がやや高齢のようなので、妊娠を考えていたときには見送ったBクリニック。
今は妊娠の予定はないし、年齢的にも今後は更年期や婦人科系疾患のことを中心に相談できるかかりつけ婦人科を見つけたかったので、ひとまず単発で終わる健診で様子を見ることにしたのだ。

住宅街の中にあるクリニックは、昔ながらの、住居と一体になった「医院」という感じの建物だった。
中の待合室も、清潔だけどだいぶ年季が入っている感じ。
いくつか並んだカリモクのスタッキングスツールは、たぶん今はもうない頃のモデルで、逆にレトロお洒落でさえあった。

受付には年配の女性が二人。
一人はたぶん、医師の奥様だろう。
待合室には二人先客がいて、一人は妊婦健診とおぼしき若い女性だったので、ちょっと安心した。

Bクリニックでは子宮頸ガンと乳ガン健診を同時に受けられるということだったので、今回両方お願いした。
ただし乳ガン健診はマンモグラフィーではなく超音波と触診。
本当は私の年齢ならマンモグラフィーの方がいいらしいのだけれど、子どもを預けての受診でまた別の医療機関を予約して...となるともう今年中に受けられる気がしなかったので、受けないよりは超音波でも受けた方がいいか、と申し込んだのだ。

医師はネットで見た通り、高齢(70代?)の白髪のおじいちゃん。
最初は乳ガン健診の触診と超音波。
どちらも、これまで受けたどの機関の乳ガン健診より長時間だった。
年のせいではなく、たぶん時間をかけて診る先生なのだろう。
だいぶ慎重にあちこちモミモミ(笑)されたけれど、おじいちゃんだからか、嫌な感じはない。
乳ガン健診の超音波はものすごくニガテなので、ひたすら壁にかかったカレンダーを見てやり過ごした。
カレンダーの土日には、ところどころおじいちゃんぽい達筆の鉛筆書きで「法要」とか「lake sagami」とか「忘年会」とか「Covid ○時~」とか、コンサート会場とおぼしき場所の名前とかが書き込まれていて、法事に行ったり相模湖の別荘(?知らんけど)に行ったり、ワクチン接種を受けたり奥様とコンサートに行ったりしている、おじいちゃんの生活が垣間見えた。
次の子宮頸ガンの内診も、こちらが経産婦ということもあって抵抗感も減っているし、不快は不快だけれどスムーズに終わった。

最後におじいちゃんから「見たところの異常はありません。良い状態です」の太鼓判をもらって(細胞診は結果が後日郵送される)、30分ほどで終了となった。
受付で年配の女性に「これで(健診が済んで)さっぱりしましたね」とねぎらってもらい、昭和の医院を後にした。

かかりつけリサーチとしては、まずまずの印象。
何か症状が出たときに、また受診してみようかな、という気になった。

終わったのはちょうどお昼どき。
というか、お昼どきにしておいた。
一時保育を念のため長めに取っておいたので、健診後のご褒美ランチに出かけることにした。
人間ドック後のランチみたいなものだ。

今年オープンしたばかりの、気になっていたお店がちょうど開店時間だったので、開店2分後ぐらいに店へ行くと、タッチの差で向こうから来た女性の一人客が先にドアを開けて入店。
続いて私が入店すると、ちょうどそこで満席になった。
危ないところだった。

ポークステーキを頼んだらだいぶボリューミーなワンプレートランチが出てきた。
でも脂身が少ないので意外にぺろり。

私が店内にいる間にも、一人、また一人、さらに二人...と何組かがドアを開けては「すみません、満席です」と言われていた。
開店時間を狙って来てよかった~。

味もおいしかったし、サービスも感じがよかった。
スイーツが特に有名なお店のようなので、今度はお茶の時間を狙おうかな。