未来が来た日

統計的に見て、特定の天気になることが多い日のことを「特異日」と言うらしい。
「晴れの特異日」として知られる文化の日、早起きして家族で向かったのは、オリンピックで建て替えられた、あの新国立競技場だった。

UNIQLOがスポンサーとなって開催される子どものサッカーイベントが、毎年この時期に開かれているのだそう。
息子の通う幼稚園サッカーチームのママがチームのみんなに声をかけてくれ、抽選を経て参加できることになったのだ。
勝ち負けも経験も関係なく、ただ本物のスタジアムでプレイを楽しもうという、気楽な催し。
参加した子どもたちはUNIQLOのユニフォームをもらえ、それを着てプレイすることが条件という、ただただ嬉しいだけのイベントなのだった。

子どもたちはもちろん、私も夫も初めて入る国立競技場。
駅からの広い道を歩き、あのTVで何度も見た建物が見えてくると、息子のテンションもダダ上がり。
「よっしゃー!がんばるぞー!」と気合い十分に武者震いをしていたので笑ってしまった。

ふと思い出して、夫に「これ、もしかしてあなたが見たヴィジョンなんじゃないの」と言ってみた。
夫の見たヴィジョン - 珈琲とsofaのあるところ
夫がこのときニュースを見ながら語っていたのは、まさに「新しい国立競技場に、家族4人で向かっている」図だったのだ。 

オリンピックは見に行けなかったけど、こんな形で実現するとは。
夫の見た未来の中に、今まさにいるのかもしれないと思うと、不思議な心持ちがした。

スタジアムという場所に来ること自体がものすごく久しくて、おそらく十年近くぶりくらい。
野球場でもサッカー場でも、入り口からスタンドに出てフィールドが見える、あの瞬間の視界の開け方がいつ見ても感動的で、「おぉ~っ!」と一気にテンションが上がる。

長男は「思ってた以上におおきい!」と感激の様子。
建物に関心のある夫は、屋根の構造とかをひたすら感心しながら見ていた。

簡単な開会式があった後は、自分たちのチームの試合時間が来るまでおしゃべりしたり、スタジアム内を散策したり。

6人制のチームがあちこち同時進行で10分ずつ試合をし、うちは人数が多くていくつかに分かれたので、息子の回も含め、午前中いっぱいのんびりと観戦することになった。

気候も良く、非日常なスタジアムでの気持ちの良いひととき。
これを機に、子どもたちをスポーツ観戦に連れて行ってあげたくなった。