作らない人が作るキッチン

息子が小学校からもらってきた朝顔の種が、すくすく育って花をつけた。
同じ日に、学校でとれたてのとうもろこしを持ち帰ってきた。
新鮮なうちに蒸して、夏のおやつに。

キッチンで火を使うのが苦行になる季節がやってきた。
毎年毎年思うけれど、家の中でエアコンを設置すべき場所は、間違いなくキッチンだ。
うちのキッチンは一部囲われている半独立型だから、暑さがさらに増す。
エアコンだけでは全然ダメで、扇風機を持ち込んでなんとかしのいでいるけれど、いつも思うのが「賃貸住宅の設計って絶対キッチン使わない人がやってるよね」ということ。
夏の暑さを考えられていないこともそうだし、何より狭い。
一般的な賃貸住宅のシステムキッチン自体、そもそも調理スペースがないのだ。
シンクとコンロの間のスペースは、洗いかごを置いたらもういっぱい。
うちは洗いかごを置く代わりに食洗機を置いているけど、いずれにせよ、調理スペースは大きいまな板を置いたらそれでもういっぱいだ。
夫に言わせると、そもそも賃貸用のシステムキッチン自体が、そういう規格になっているのだとか。
少しでも自炊をする人なら、それでは全く足りないということが分かるはずなのだけれど、これまで住んだどの賃貸も、基本的にはすべてこの造りだった。
その代わりリビングはけっこう広々している。
「リビングを一畳、いや二畳減らしてその分をキッチンに回したら全然違うのに」としょっちゅう思い、その度に「これは、誰かが作ってくれた料理を『ゆっくりリビングで食べる人』が考えた設計なんだろうな...」と苦々しい気持ちになる。

いつか夫が、DIYで造作キッチンを作ってくれないかなぁ。