蒸し蒸しOctober

なんだかんだでほぼ毎年どこか都営施設へ行っている「都民の日」。
今年は「江戸東京たてもの園」だった。

大きな公園内にあるので、子どもたちの外遊びを兼ねて。
何ヵ月か前のAmazonセールで買っていた、簡易テントを初めて使用した。

これは背面のメッシュ部分。
風も通るしなかなかいい。
家族4人が全員中に入ると狭いけれど、レジャーシートを組み合わせれば、子どもたちが大きくなってもお出かけに使えそうで、なかなかいい買い物だったかも。

子どもたちを遊具で遊ばせたり、持参したおむすびを食べたりしながら、東西に約2kmある公園内を横断して、最後に江戸東京たてもの園に入った。
もちろん、都民の日なので無料だ。

たてもの園自体もかなり広く、すべての建物を見て回るのは一日では足りない。
この日は主に西側のエリアだけを見て回ることにした。

昔の写真館のスタジオ。
やわらかい自然光がいっぱい入る大きな窓があって、今はもうこんな贅沢な造りの写真館はなかなかないだろう。

それにしても、この日は10月だというのに蒸し暑かった。
園内の建物はエアコンがついておらず(設置されていないのか、この日スイッチが切られていただけなのかは不明)、窓やドアが開け放されているとはいえ、この日は湿度がかなり高かったので、じんわりと汗が止まらない。
もしエアコンが設置されていないとしたら(歴史的に保存されている建物なのでその可能性は高い)、冬はともかく、夏はちょっと無理だなと思った。

昼頃からずっと曇っていた空から、閉園間際にとうとうポツポツ来始めた。
バス停の列の最後尾はちょうど屋根が切れる場所で、あともう少しというタイミングだったけれど子どもたちにレインコートを着せたら、急にザーッと降ってきた。
念のため一本だけ持ってきていた折り畳み傘が大活躍。
バス停には人がどんどん並んですごい長蛇の列になり、ようやくバスが来たと思ったら三台団子になって来た。
満員の二台をやり過ごしたら大正解、三台目は空いていて家族で座ることができた。

寺田寅彦の随筆に、電車だったかバスだったかを何台も観察して、混んでいるのと混んでいないのとは交互に来る、ということをデータを取って実証した随筆がある。
それを知って以来、こういうときは必ず次のバスに乗るようにしている。
寺田寅彦の時代と今では要因が違い過ぎて、正確に交互に来るということは必ずしもないけれど、私の経験では、団子になって来るバスは必ず後の方がだいぶ空いている。
どうせ着くのはほとんど変わらないのだから、同じ時間乗るなら快適な方がいいのだ。

秋の、と言うにはあまりにも蒸し暑かった、10月の一日。