2020秋、六本木

自分の目で実際その場で見てみたい展示会が2件、同じくらいの時期に開催されることを、つい先日SNSで知った。
どちらも行くのにそれなりに時間のかかる場所なので、1件だけ知ったときは諦めていたのだけれど、ちょうど家を出て帰ってくるまで一筆書きのように回れるもう1件のイベントが開催されることを知って、どうしても行きたくなった。

どちらも期間限定、十日~二週間程度の短い会期。
展示会と言っても、見るだけならどちらも無料。
往復1000円ちょっとの交通費だけでそういったものを見に行けるのが、東京のいいところだ。

とは言え、両方行くと半日仕事になりそうなので、最近また「ママとデートしたい」と言っていた長男に、一緒に行きたいか聞いてみることにした。
「①おうちでパパと工作&ママとお料理するのと、②ママと二人でデートするのと、どっちがいい?」と尋ねると、ちょっと考えた後「ママとデートがいい」。
いつものデートより遠いからたくさん電車に乗らなければいけないこと、行き先は子ども向けではなくあくまでママの行きたいところであること、展示してあるものは絶対触っちゃいけない等、いろんな制約があることを念押ししたけれど、やっぱり②がいいと言うので、それなら...と連れていくことにした。

最初の行き先は六本木。
山手線内の都心へのおでかけなんて、いったいいつぶりだろう。
本当にもう、思い出せない。
妊娠もあったし、コロナもあったから、下手をすると半年以上ぶりかもしれなかった。

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すっかり紅葉の進んだミッドタウンは、週末にもかかわらずコロナ以前の人出とは比べられないくらいの空き具合。
昼時に多少行列のできているお店はあったものの、常に快適な人口密度が保たれていた。
こんな六本木は、上京してから初めてだ。

季節のいい時期にミッドタウンに行くときは必ずといっていいほど利用する、外のテーブルがある場所で、テイクアウトのお昼を買って息子とランチ。

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息子は何度も「かぜ、きもちいいねぇ~。おそとでごはん、いいねぇ~。」と目を細めながらパンをかじっていて、その幸せそうな顔を見ていたら、あぁ、子連れは大変だけど連れてきてあげて良かったなぁと、またしみじみ思うのだった。

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クリスマスに向けた準備も進んでいた。
アイススケートリンク、今年もやるんだな。

ランチの後、息子を連れて授乳室へ向かい、家にいる赤子用に一回目の搾乳。
都心の新しい施設には、どこもたいてい広めの個室の授乳室があるから大助かりだ。

1件目の展示会を堪能して外へ出たら、冬の短い日はもう傾き始めていた。
そういえばあと一ヶ月ほどで冬至だ。

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国立新美術館の横を通り抜けて、乃木坂の駅へ。

赤や黄の落ち葉をわざわざ踏みながら歩く息子は、きれいな秋の日に二人で都心におでかけしたことを、いつか思い出すだろうか。